2016年2月25日木曜日

夜明け前が、一番暗い!


春が近づいてきましたね。僕は15日〜18日の四日間にお休みをいただき、だいぶリフレッシュできました。次回のお休みは3月末の予定なので、再び40日ほどのブッ続け労働となりますが。ぐぁ〜。がんばろう。


しかし宿は19日から再開したものの、この一週間の宿泊ゲストは、実はあまりいませんでして。この一週間どころか、3月10日頃までは、平日は毎日ゲスト数3〜5人の間を彷徨いそうな感じです。2月前半は、稼働率が100%に近かったんですけどねぇ。19〜29日がヒドい有り様なので結局、月の稼働率は80%を下回るかもしれません・・・。まぁ、3月中旬以降はすでに予約フルの日が多発しておりまして、ヒマなのはあと二週間だけ。今はローシーズンの出口の装い、いわゆる“夜明け前が一番暗い”ってやつですね(ちょっとカッコつけてみました)。




さて、話は変わりますが、今日は2月25日。我がYAWP!backpackersは、昨年の3月23日にオープンいたしましたので、あと一ヵ月もすれば、一周年を迎えることになります。


無事に一周年を迎えられるのはもちろん、ハッピーなことです。よって、この一年の間にお世話になったたくさんの方々や、泊まってくれたゲストたちのために、3月末に何かしら一周年記念イベントのようなことをやろうかと、いろいろ考えました。


いろいろ考えましたが・・・、結論としては、何もやりません!! その日、たまたま泊まってくれたゲストたちには「一周年だぜぇ」を伝え、いつも以上に気持ちよく飲みたいとは思っておりますが。宿を閉めて、ゲスト以外の方々を招いて何かをする、といったスタイルでの企画の予定は、全くありません!!!


そもそもウチは、イベント好きな宿ではないです。ウチはというか、僕(オーナー)がそういうのに全く積極的ではないです。他の宿では、地域交流パーティーをしたりジャズライブをしたりワークショップをしたりと、企画が豊富なところも多いようですが。僕は、泊まってくれたゲストとは毎日のように飲んでいますが、ゲスト以外の方を招いて何かでワイワイと盛り上がる、というキャラは基本的に持ち合わせていないのです。



ただ昨年、オープン記念に開催した“サーメルを囲む会”、あれは最高に楽しかったので、あんな感じの企画は、いつかまたやりたいなぁ〜と考えております。サーメルご一家と、また会いたいですし。サーメル以外にも、日本人バックパッカー界によく知られている方(すでに何人かとは、連絡を取り合っています)が来日した際には、ウチに招待し、縁のあるバックパッカーをたくさん集めて、みんなで同窓会のようなことをしたいと思います。


もちろん世界には、サーメルのような有名人(inバックパッカー界)で、僕が知らない、僕が会っていない方もたくさんいるはずです。また、僕も会っているけど、現状、僕には連絡をとりようがない人もたくさんいます。

なので、これを読んでいるバックパッカーの方で、海外在住のどなたかとkeep on touchしており、「今度来日するってよ!」「みんな会いたがるだろうばよ!」な状況がもしありましたら、ぜひご連絡をいただけましたら嬉しく思います。


そういったイベントが今後開催された際には、バックパッカー以外の方の来客も僕はもちろんwelcomeです。ウチはとりわけバックパッカー臭が強めの、日本一の“沈没宿”を目指していますが、バックパッカーのみが集まるような閉鎖的な空間を求めているわけではありませんので。



というわけで今回は、“もうすぐ一周年だけれど、ウチは特には何もしません”の宣言を、ダラダラと書いただけなのでした。



一周年に合わせてのイベントはやりませんが、YAWP!backpackersはこの一年、おかげさまで順調に余裕を持って経営ができておりますので、そろそろネクストステップの行動を起こそうかとは考えています。「2店舗目!」とか、そういう話では全くないのですが(笑)。


ファミコンソフト、いっぱいあります





2016年2月13日土曜日

個人経営の民泊業に、得は無し!!


むぅ〜ん・・・疲れてます。ローシーズンの2月は、ゲスト数がそこそこでのノンビリ経営になると予想していたのですが。毎日メッチャ混んでいます。中国の春節の影響でしょうかねぇ。中国人ゲストは、相変わらずウチには全く来ませんが。あ、もちろん、ゲストがたくさん来てくれるのは、僕はありがたく思っていますよ。しかし1月8日からブッ続けの休日ゼロで働いていまして、正直ちょっと限界気味なので、来週15日〜18日は宿を閉めて休んじゃいます。なんだかテンションの低い書き出しで、すみませんです。




さてさて、前回の宣言通りに、今回はビジネス的な視点での民泊の話を書こうと思います。


先日、とある情報系テレビ番組で、民泊についてのレクチャーをしているのをたまたま観まして。そこでは大田区で「これから民泊宿を開きます!」という年配の方が紹介されていたのですが、いろいろツッコミどころが満載でした。ちなみに大田区では先月末に、東京都内で初めての、民泊条例を施行しています(もちろん何でもアリではなく、細かい条件付きです)。


その年配の方は番組で、民泊用に改装したというお部屋を、自信たっぷりに紹介してくれていました。戦国時代の殿様の屋敷をイメージしたとかなんとかで、壁一面には金箔が貼られ、宮大工に彫刻を依頼し、値の張りそうな掛け軸や仏像等もスタンバイ。占めて総額、1000万円だそうです。


「えぇ!? こんな・・・たったの一部屋に、1000万っすか・・・?」と僕は、その番組を見ながら目をパチクリさせましたよ。完全に余計なお世話ですが、その部屋でこれから民泊のビジネスをやるとして、何年かけてその1000万をペイするつもりなのでしょうか。前回、僕は民泊には「部屋とベッドを用意していますよ、以上の価値が必要」と書きました。金箔だらけのギラギラ部屋は、たしかに付加価値はあると言えるかもしれませんが、「泊まってみたい!」よりも「うぉっ、居心地、超悪そうだな・・」になりませんかねぇ、コレ。



民泊とは、とりあえず日本では今のところ二アリーイコールAirbnbとして、Airbnbが公表しているデータをここに書きますが、

2014年7月〜2015年6月(一年間)
東京で利用したゲスト数:25万人
ゲスト平均泊数:3.8泊
東京のホスト数:2470
平均収入:957000円

とのことでして。

これを年→月に換算すると、
都内総ゲスト数:約2万人
ホスト平均収入:約8万円

になります。

ざっくりな検算として、月に2万人ゲストがいて、それを2000軒の宿で割ると、月のウェルカム数は10人。一人は3.8泊だとのことなので、合計38泊。価格平均を一泊2000円とすると、38×2000=7.6万で、ちゃんと8万円に近くなったので、この数字に違和感はありません。



一方、東京都内のホステル事情はというと、こちらはきちんとした資料がないため、あくまで僕の感覚で計算した推測値なのですが、

月の総ゲスト数:3万人
ゲスト平均泊数:3泊
宿数:80
平均価格:2700円

あたりだろうと思われます。

そこから宿あたりの月の収入を計算すると、

月のウェルカム数375人、合計泊数1125泊で、1125×2700≒300万円となります。

もちろん、ウチのような小さな宿では、月の収入はどんなによくてもせいぜい100万。逆に床数100を越える巨大宿なんかでは、500万を優に越えるわけで、一概には言えませんが。

さらに、基本的には個人で経営する民泊と違い、ホステルはスタッフを雇うわけで、そして光熱費等にも差があるわけで、そういった支出の面でも大きく違いますが。


しかし、

民泊は一軒あたり   月8万
ホステルは一軒あたり 月300万

なわけでして。あくまで平均値ですが、それくらいに収入面での大きな差があるのです。



「いやいや民泊ってのは、副業でやるものでしょ」と思う方がいるかもしれませんね。たしかにそうです。たかだか月収8万のビジネスが、本業になりえるわけがありません。


しかし、民泊宿を開くのにも、当たり前ですが資金がいるんですよ。前述のテレビ番組での、年配の方が費やしたという1000万はさすがに行き過ぎですが、民泊用の部屋を準備するにあたり、リネンや家具、家電、消防機器を一通り揃えるだけでも、100〜200万はかかると思われます。しかも、それだけでは“必要最低限の設備しかない宿”です。内装をこだわったり、トイレやシャワーを増設したりすれば、投資額は200万を軽く越えるかもしれません。

にもかかわらず、そんなにお金をかけても、現状ですでに2500軒ものライバルがいるのですよ(都内だけで)。それらライバルたちを蹴落とし、平均値の月8万をはるかに越える収入を得ることは、簡単なことじゃあないです。本気で民泊業に取り組んでいる人の中には、月に100万稼ぐなんていうケースもあるのでしょうが、そんなのはよくても100人に1人とか、宝くじみたいなレベルの話でしょう。もちろん、開業資金をケチればケチるほど、勝ち残りの可能性は下がります。


要は、経営者(いちおう)である僕から見て、初期投資額がウン百万で月収平均が8万のビジネスなんて、ハッキリ言いまして、ショボすぎるわけです。民泊というのは、

開業時にお金をかけない→儲けがほとんどない
もしくは
開業時にお金をかけまくる→そこそこ儲かるが元を取れるのは果てしなく先

となるのが関の山のビジネスなのです。副業とはいえ、おいしくないにも、ほどがある。以前、週刊S◯A!(いちおう伏せておきます)で「この副業が儲かる!」的な企画があり、バッチリ民泊が紹介されていましたけどね。初期投資額や、平均値データ等の、ネガティブ情報は一切無しの、残念な記事でした。



その上で、民泊というのはこれまでに僕が書いてきた通り、

近隣住民からは歓迎されず厄介者扱い。
大小さまざまなトラブルが起きる。
いつブームが去るかは不透明。
法整備等が、これからどうなるかも不透明。


・・・そんなデメリット過多なビジネスの、どこに旨味があるのかなぁ。僕にはサッパリわかりません。資金が1000万円もあるのなら、普通に簡易宿所の営業許可を取って、正規のホステルを開いて、ガッツリとビジネスをすればいいじゃないですか。月収入平均300万のビジネスと8万のビジネスを比べて、8万の方を選ぶというのは、「どうかしてるぜ!」と僕は思うわけです。



まぁこれはあくまで、「“個人で”民泊を始めることに、利点はまったくない」という話です。これから民泊が合法化に向かえば、不動産関係の大手企業(アパ◯ンショップ等)が、一斉に参入してきます。ずっと売れていない家や、借り手のいない部屋などを、一気に民泊として活用し出します。そのまま放り続けて1円も生まない状況よりは、確実にマシですからね。民泊業界への参入を表明している企業は、すでにたくさんあります。


要は結局、得をするのは大企業だけなのです。冷静に分析すれば、どう考えたって“個人でやる民泊業に、得は無し”なのです。大企業が得をするといっても、ゼロよりもマシだ、というレベルの話ですから、大儲けにはならないでしょうが。




気合いの入った、素晴らしく魅力的な合法ホステルが増えて、そのせいで僕のビジネスが逼迫した場合には「よし、ウチももっとがんばろう!」と思えますし、宿泊業界としてはとてもいいことです。しかし、至極つまらない、いかにもブームに乗りました、で安易に作られた民泊宿が、数だけとんでもないことになって、アホみたいな価格競争が起きて一泊1000円以下とかになって、それによってウチの経営にまで悪影響を及ぼすようになるのだけは、勘弁して欲しいのです。そんなの、みんな一緒に共倒れになるだけで、誰も得しませんよねぇ。


まぁ、くどいのもなんなので、民泊の話題はとりあえずこの辺で、お開きとします。そもそも政府は、暴走する無許可民泊業を、合法化という名目で審査の網にかけたがっているのだという一面は、このブログではあえて無視しました。これまで闇でやっていたチートな者々が、急に政府の言うことを素直に聞くようになるとは、到底思えませんし。あくまで「これから民泊が合法になるかもよ!」と最近知り、「おっ、やってみようか!」となってしまった方々に対して、僕は警笛を鳴らしています。

ここまで読んでも、「それでも俺は民泊業を始める!」と思える意志の強い方には僕は、法律などおかまいなしで法的責任や面倒ごとは登録者に押しつけまくりの海外企業なんかよりも、“とまれる株式会社”さんが展開するSTAY JAPAN ↓↓
https://stayjapan.com/?locale=ja)などのような、合法な民泊宿と共に合法なビジネスをしようとしている実直な日本企業との提携を、強く推薦いたします。



【まとめ】

①「日本では今、宿泊施設が足りていない」は完全にミスリード。よってその誤解から発生している「民泊を解禁しよう」は、そもそもからして、おかしい。
②日本人には、民泊を受け入れられるだけの“異文化に対する許容力”がまだまだ、育っていない。想像を超える面倒が、たくさん起きますよ。
③民泊は今、日本だけでなく、世界的なブーム。しかし現状ですでに、評判はあまり芳しくない。よって、このブームはそう遠くない未来に、必ず下火になりますよ。
④日本の住宅事情では、外国人が満足できるクオリティの民泊宿を作るのは、かなりの困難。「我が家の空いている部屋に泊めちゃおう」レベルではただの、カウチサーフィンです。
⑤それなりに開業資金が必要なのに、収入の平均は、たったの月8万。ビジネスとして、コレっておいしい話ですか?


以上が、民泊合法化に対する、僕の見解です!

ではでは!!




2016年2月6日土曜日

日本に民泊は向いていない!!


月初めなので、まずはいつものバカ正直データ公表をします(笑)!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 ベスト10(4〜1月:計611名)】

 ①アメリカ      86名(+12)
 ②オーストラリア   73 (+8)
 ③日本        63 (+5)
 ④イギリス      59 (+4)
 ⑤カナダ       53 (+9)
↑⑥台湾        30 (+7) 
↓⑦ドイツ       26 (+2)
↓⑧ニュージーランド  24 (±0)
 ⑨フランス      18 (±0)
 ⑩スペイン      14 (+1)


【新規ゲスト数(泊数:滞在日数平均:稼働率)の月別まとめ】

4月:22(81 :3.68:22%)
5月:28(132:4.71:35%)
6月:11(60 :5.45:17%)
7月:65(205:3.15:59%)
8月:98(312:3.18:93%)
9月:79(278:3.52:93%)
10月:91(253:2.78:94%)
11月:74(227:3.07:84%)
12月:84(229:2.73:82%)
1月:59(198:3.36:73%)
計:611(1975:3.23:65%)


ぐぁっっ、ついに合計滞在泊数、1月は200を下回っちゃいましたよ・・・。個人的には、ローシーズン(12〜2月)は目標値を「新規60名」「泊数200」「稼働70%」に設定していますので、微妙に届かずの「新規59」「泊数198」は、なんだかモヤモヤしますね。年始に休みを、とり過ぎたかなぁ・・・。

しかしまぁ、今月(2月)は今のところ連日のフルですし、3月以降の予約もすでにたくさんいただいていますしで、僕は全然ヘコたれていません。そもそもウチは、稼働50%で利益が生まれるオペレーションですので、70%でも経営的にはOKです。とりあえずこの1月は、ローシーズンはローシーズンらしく、そこそこの利益になっちまうんだなぁ〜、という確認が出来てよかったです。今年はあえて何も対策を講じませんでしたが、来年以降の、シーズン戦略は充分に考察できましたし。





さて、話は大きく変わりまして、前回・前々回と同様に、民泊についての僕の見解をこれから書こうと思います。



前回、僕は「民泊というシステムが日本の環境には合わない」理由の一つとして、「日本人には、民泊を受け入れられるだけの“異文化に対する許容力”がない」と書きました。今回は、もう一つの“合わない理由”を記します。日本では、今のところ民泊とAirbnbはニアリーイコールだと思いますので、これから僕が言う「民泊」とは「Airbnb」のことだと捉えていただいてもかまいません。


以前、たしか昨年の9月頃でしたが、とあるフランス人ゲストがウチにチェックインした際に、とても印象深い一言がありました。そのゲストは、ウチに宿泊する一日前まで、都内で民泊を利用していたのですが、彼は

「日本の民泊のレベルの低さには、本当にガッカリした」
「日本人は、カウチサーフィンを知らないのか? 僕が昨日までいた民泊宿は、カウチサーフィンに登録するべきだ。あれは間違いなくAirbnbのレベルではない」

と言ったのです。


以前の更新で、僕はカウチサーフィンについて「気になる方は検索してみて下さい」と書いたくせにここでは説明しちゃいますが、カウチサーフィンというのは、一言で言えば“無料の民泊”のことです。しかしもはや宿という括りではなく、ホストは「なんならウチに泊まってもいいよ」程度の感覚ですので、ゲスト用の部屋がない、さらにはベッドがない、なんてことはザラです。そもそも“カウチ”って、ソファーのことですしね。「you、寝るとこないの? じゃあウチに来てソファにでも寝たらいいよ」的なノリです。


というわけで、要はこの前述のフランス人ゲストは、日本のAirbnb宿を、このレベルでしかないと評したわけです。金を払うほどの質じゃない、と言ったのです。



そして実は、この彼ほど明確に否定した者は他にはいませんが、ウチに来る、日本で民泊利用経験のあるゲストに「どうだった?」と聞くと、「よかった」や「また利用したい」と応える者は全くいません。ほとんどのゲストが、「つまらなかった」「ホステルの方がいい」と答えるのです(そういうゲストだからウチに来ているのだ、というパラドックスは成立しますが)。

さらに僕は、民泊経験のあるゲストに「いつからAirbnbを利用してる?」という質問もよくするのですが、たいていは「最近知った」と答えます。昨年くらいから、Airbnbは日本で大きく知られる存在になりましたが、実はこれって、日本だけの話ではないのです。ほとんどの国で、ここ1〜2年の間に一気に認知度が増しているのです。ゲストの多くは、年がら年中、海外旅行をしているわけではないですし、この1〜2年の民泊利用者の多くが、「民泊は今回が初めて」だというのが現実なのです。



というわけで、何を言いたいのかといいますと、民泊というのは今、世界的な“ブーム”なんだということです。ヨーロッパなんかでは、バカンス中に留守中の家を人に貸す、という文化は遥か前からありますけどね。Airbnbのように、はっきりと民泊をビジネスとして世界規模で大々的に展開する企業があらわれたのは、ここ最近の話です。


よって、この“民泊ブーム”に乗っかって、「おっ、面白そうじゃん。ためしに使ってみよう」となった多くの観光客が、使った結果「なんだ、あんまりよくないなぁ(日本では)」を知り、「今後はもういいかな」になっている、というのが僕が捉える現状です。これがどこまで続くのかは未知数ですが、彼らは国に帰ってから友人たちに「民泊はイマイチだったよ」を発信するでしょうし、このブームはやんわりと去るのではないでしょうか? そもそも宿泊業には、リピーターの存在が重要ですし、もちろん宿業に限らずですが、「ためしにやってみよう」が「またやりたいな」に繋がらないビジネスが、長続きするわけがないのです。民泊は、今のところはそんな印象です。



では、なぜ外国人にとって日本の民泊の評価が、こんなにも低いのでしょうか。

これは僕の意見というよりも、ゲストから聞いた話が軸なのですが、そもそもAirbnbの宿というのは、“ここに泊まってみたい!という、特別な価値”が必要なのです。単に寝ることだけを求めるのならば、カウチサーフィンで充分です。ゲストは「部屋とベッドを用意していますよ」以上の価値に、お金を払うのです。


しかし日本の多くの民泊宿は、普通の一軒家や、普通のマンションの一室。普通に僕らが暮らすような、思いっきり生活感のある、普通の部屋。特別な経験を得られる感が、全くない。「こんな素晴らしい部屋に泊まれた!」感が、全くない。

しいて言えば、古民家をいい感じに活用していたり、高層マンションの最上階だったりな所であれば、特別な価値があると言えるのかもしれません。そういった民泊宿ならば、外国人ゲストが想像するAirbnbのクオリティの期待レベルに、充分に応えられているのではと思います。しかし、そんなのはごく一部ですし、そういったところは間違いなく、価格を非常に高く設定しています。


要は、日本人にとっての民泊とは、「ウチの使っていない一部屋に、外国人を泊めちゃおう」程度の認識なのに対し、外国人は「付加価値のある、素晴らしい場所に泊まれる機会」という認識なわけでして。求めるクオリティのイメージに、大きなギャップがあるのです。そこから、「なんだ、いたって普通の家じゃん。なんでこんなのに泊まるのにお金が発生すんのさ」という不満が起きるのです。



ということが、僕が“日本に民泊は合わない”と考える、もう一つの根拠です。ウサギ小屋のように、とにかく狭く、個性の全くない普通の家だらけの日本では、外国人が満足できるクオリティレベルに応えられる民泊宿は、ほとんど作れません。よって、これからこのビジネスが日本で爆発的に発展するようなことも、ないと言っていいと僕は考えるわけです。


まぁ、これはウチに来るゲスト(ほとんどが欧米人)に限っての話ですので、民泊のメイン顧客である中国人観光客は、全然違うのかもしれませんね。民泊で儲けまくっている方々は、そんな中国人観光客をきっと、うまく魅了しているのでしょう。



次回は、もっとビジネス的な視点で、ホステルと民泊のどちらが得をするのか等の話を書こうと思います。


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