2018年9月10日月曜日

作られた“無謀”を笑う、リアルの愚者!





前回がローテンション丸出しで、柄にもなく変な感じだったので、まずはポジティブな出だしです!


この夏、僕は体重が12キロ落ちました(笑)! 実は僕は、YAWP開業の時点では68キロくらいだったのです。しかしそれからの三年で、ピーク時には92キロまで膨れ上がり。要はこの仕事を始めてから、24キロもの増量に成功(笑)していたわけなのですが、先日試しに量ってみたところ、80キロになっていてビックリ。いきなり、太っていた分の半分痩せました!

ん? これは、ポジティブなことなのか・・? 別にダイエットなんか全くしていないのに。まぁ、いいか。



さてさて。脈略が全くないですが、あっさりと話は変わりまして。


友人から、「ボンビーガールのゲストハウスの企画については書かないの?」と言われましたので、今回はその話題です。能動的に「これについて語りたい!」というわけでもないのですが。せっかくリクエストをいただきましたのでね。

この番組を見ていない人には、何のことやら?だと思いますので、簡単に説明しますと。日本テレビで火曜日22時に放送されている「幸せ!ボンビーガール」という番組で、鹿児島の繁華街のとある古ビルの4階を借り、セルフリフォームし、ゲストハウスの開業を夢見る28歳の女性(森山祥子さん)が、ただ今絶賛、密着され中なのです。彼女の開業資金は、200万円とのことで。

この企画は、放送前から僕は知っていました。どうやらこの番組はゲストハウス業界にかなり注目しているようで、僕のところにも質問だったり依頼だったりの電話が、それなりの頻度でかかってきます。放送には載りませんでしたが、ウチに撮影取材が来たこともあります(この鹿児島の件とは別の企画で)。貧乏=ゲストハウスと連想されてしまうような展開は、残念に思うのでやめて欲しいのですけどね・・・。


・・・で、この鹿児島の件に関して(実を言うと、僕も生まれは鹿児島です)。

僕は、この28歳の彼女に対してはあくまで、「番組に踊らされているのだろう」という認識です。僕の友人は、批判を期待しての「書かないの?」だったのかもしれませんが。むしろ、彼女が「世の中をナメすぎ!」とかネットで叩かれまくっているのは、ちょっとかわいそうかな。一言だけ言うとしたら、「工務の時にまでオシャレ&セクシーめな格好をしているそのズレた感じが、世間の不評を買うのでは?」でしょうか(笑)。



これはあくまでテレビの企画ですので、出される情報に多分にフェイクが含まれているのは、確実です(僕のTV番組出演経験を踏まえて)。何事も過剰演出が当たり前でしょうから、予算の200万円というのも、僕は懐疑的に見ておりまして。どう考えたって、あの物件で200万で間に合うはずがない。100%、ない。例えば消防設備などは、完全に消防署の指示に従う形で揃えることになりますから、これは努力や工夫で削減できるようなものではないです(これだけで100万は越えます)。業界にいる者や、起業の経験者ならば、全員が確実にそう言い切りますよ。

そもそもこの女性、森山さんは、鹿児島では最も稼働が高いであろう“イルカゲストハウス”の、元スタッフです。番組がその点を一向に伝えず、「業界未経験で、DIYも未経験で、無謀な予算で、独りでコツコツとゲストハウスの開業を目指している!」ようなキャラで展開している時点で、完全にフェイクです。僕の予想では、彼女には予算はもっとあるし、工務を手伝ってくれる仲間もいるし、そして何より宿泊業界の経験もあるし、です。テレビでの彼女はあくまで、番組によって作られた、“誇張された”キャラクターですよ。


番組は“節約”にしか注目しておらず、“彼女がいかにがんばって節約し、厳しい予算をやりくりし、開業に至るか”を発信しておりますが、あのぉ・・「この施設は、ギリギリの最低限しかお金をかけていませんよ!」というのが、客商売において効果的な宣伝になるのでしょうか? 世間一般の人々は、そんなところには、絶対に泊まりたくないでしょうに・・。「テレビでやってたから」という理由での、冷やかし半分の者の来客はあるかもしれませんが、番組を見て、本気で「スゴい!ステキな宿!!アタシ鹿児島行ったら絶対にココ泊まるぅ〜!」となった人って、いるんでしょうか?

特にドン引きなのは、一部の布団を、友人からもらったお古で間に合わせたことですね。これを見て、僕も「うわぁ・・泊まりたくないわ〜」の念が固まりました。設備は中古品や貰い物で!・・というポリシー自体を全否定はしませんが、あまりに突き進み過ぎて「うわぁ」の一線まで越えてしまっては、ダメでしょうよ。

これらが番組主導の演出ではなく、森山さんのみによる判断なのだとしたら、正直「you、客商売をわかってないねぇ」と言いたくなってしまいます。一番ベスト&好印象ゲットのチャンスだったのは、経費をとことん削減し、DIYを必死にがんばる姿を見せ、その一方で「この、なけなしの開業資金は、ゲストの最高の寝心地のために、最高のベッドの購入に費やしたいんです!」といった感じで、“ゲストのためにがんばる”テイにすることだったと思うのですが・・・もったいない! ただの「100%全力で経費削減! 全てにおいて安物を用意してます!!」では、見ている大衆からは呆れられるだけですよ。


ちなみに彼女のゲストハウスは、テナントのビルが5年後に取り壊されることが決定しているそうなので、どんなに長く営業しても5年間です。僕は、5年という期間限定が前提ならば、できるだけ開業に資金をかけたくない、というのは理解ができます。エレベーターは100万円で直せるそうですし、これは直した方がいいのは間違いありません(重いスーツケースを4階まで・・は、苦情が殺到するでしょうね)が、5年限定ではそのモチベーションも上がらないことでしょう。

というかそもそも、彼女は「ゲストハウスの経営に人生をかけよう!」というわけでもなく、基本的には「このもうすぐ取り壊されるビルで、周りを巻き込みながら、おもしろいことを仕掛けたい!」という姿勢のような気がするんですよね。


つまりは、これは番組の“魅せ方”の、大きなミスです。彼女がいかに節約しているのか、ではなく、彼女がどんなおもしろいことをやろうとしているのか、にフォーカスするべきだったのです。なので、彼女は悪くない。番組が悪い。センスがない。

とはいえ「幸せ!ボンビーガール」って、そもそもからしてそういう番組ですからね。なので結局のところは、番組が悪いというよりも、そんな噛み合ない番組を選んだ、もしくは断らなかった彼女が悪い、ということになるのでしょうか(笑)。



ちなみに、この番組のこの企画を見て、いろいろ物申しているブログをいくつか発見いたしまして。その中の一つに、資金が全くないくせにただ頭デッカチに「俺はいつか、最高のゲストハウスを作る!」と意気込んでいるキラキラ・ドリーマーな青年が、彼女の無謀さや宿の稚拙さをネタに弄っていたのがあって、僕は笑っちゃいました。

森山さんは、あなた(上記ドリーマー)のように安易にクラウドファウンディングに頼るようなこともなく(ほぼ支援ゼロで終わり大恥をかくこともなく)、真実かマイナス誇張かはわかりませんが自分の力で少なくとも200万円を貯め、開業に向けてがんばっています。つまりは、その時点であなたよりは、はるかに優秀ですよ〜(笑)。




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