2019年11月15日金曜日

宿業は、実体経済。マネーゲーム会社は入って来るな!!





今回は、経済についてを語ります。僕は経済の専門家でもなんでもないですし、中学生に伝えるような分かり易さ重視で書きますので、軽い感じで読んでおくれやす(笑)。



いきなりですが、芸人チュートリアル徳井氏の税金が無申告だったという問題。発覚から時が経ち、最近はだいぶ沈静化しましたが。ニュースを見た時は僕も彼に失望し、憤怒100%・・・なわけない! 怒りは0%!! なんならばむしろ、彼のことが好きになりましたよ。

この件には僕は、怒る人がいることの方が、疑問なレベルです。なんで謹慎するまでに叩かれなきゃならんの? 「全く悪くない!」とまでは言いませんが、他人が不快感を覚えるほどの悪行ではない。だって、追徴課税をちゃんと払ったんでしょ? ペナルティも込みで、きっちり払ったんでしょ? すると結果的に、国にはより多くの税金を納めたわけで、僕はむしろ褒めてあげたいくらいです(笑)。

払わずにバックれる気だったのなら問題ですし、そう決めつけて怒っている人も多いようですが、そんなのは邪推でしかない。彼の言い分である「どうしようもなくルーズだった」は、僕は本当にその通りだったのだと思いますけどねぇ。まぁとにかく、誰が何を疑おうが、結果的には払っているのですから、特に問題はない。


実は僕のこのスタンスの元は、僕自身にも似たような一面があるから、というのは否定できません。僕も、電気代とか、都税とか、ついギリギリまで払わずにいてしまうタイプです。催促状が来ると「ヤベッ!」となり、期日までに必ず払っていますけどね。催促状を受けるに至る率は、実はけっこう高いです。

また、徳井氏のこの件は、脱税の問題だと勘違いしている人も多いようですが。僕らのような個人事業主を始めとする“自分で確定申告している”者々の、「これは経費で落しちゃおう!」の線引きなんて、そもそも極めて曖昧なものですよ! 例えば僕は、以前にも言いましたが、旅に出る際には“飛行機代”と“宿泊代”はすべて〈研修費〉として、経費で落しています。実際に旅人宿の主として、泊まる宿に対しては学びの目線がありますからね。しかし、旅行先での食費や、観光にかかった費用などは、僕は一切、経費扱いにはしません。

他にも、僕の着る服なんかでも、完全に仕事用にと買った物は経費で落しますが、プライベートでも着るであろうオシャレ重視な物は、経費ではないです。僕は税理士さんと相談した上でそうしておりますので、このスタンスで全く問題ありません(・・の、はずです)。徳井氏は、高級時計を経費で落そうとしたそうですから、それには正直「オイオイ」と思いますが。しかしはっきり言いまして、似たように“なんでも経費にしちゃえ!”で確定申告している人って、大量にいますよね? 税務署から指摘を受けたら(バレたら)修正申告すればいいや〜・・・という、そんな人は日本中で何万どころか、何百万といるでしょう?

というわけで徳井氏の件は、僕からすれば「これくらい、誰でもやってるじゃんか」なのです。禁煙のエリアでタバコを吸った等と、悪行のランクは、似たようなもんです。逆に、この程度のことで謹慎させられ、これまでに積み上げて来た実績が崩れ落ち、お先真っ暗になってしまう社会の方が、極めて異常だわ! 怖過ぎる!!



・・・そろそろ、「あんた経済の話なんて全然しないじゃん」とか言われてしまいそうなので(笑)、この辺で話題を転換させますが。

僕は、すごく不思議なのです。徳井氏のような、米粒みたいな小ぃぃぃぃぃぃ・・・っさな悪行には日本中で大バッシングが起きるというのに、「大企業が法人税を全く払っていない」といった件には、世論は全く、怒りのボルテージが上がらない。何年か前にニュースになったタックスヘイブンの問題(存じない方は、ご自身で調べて下さい)なんかも、僕は怒り狂いましたが、世間ではなんともあっさりと収束しちまってさぁ・・・

ちょうど昨日今日、ソフトバンクがLINEを買収する方針・・というニュースでザワザワしており、その額は1.5兆とかいう話ですが。あのぉ〜、ソフトバンクってずぅっと、国に税金を全くと言っていいほど納めていないんですけど・・・。ソフトバンクは、通信事業の会社だと思っている人がそれなりにいるかもしれませんが、いえいえ、昨今のメインは完全に投資ファンド(株の売り買いで利益を出す)ですよ。

彼らがなぜ、法人税を払わなくても済んでいるのか、その理由は簡単に言うともちろん、“赤字”だからです。積み重ねた有利子負債(借金)は、なんと16兆円もあります。というか、税金を払わずに済ませるために、毎年必ず、最終の計上を赤字に持って行くのです。わざと赤字になるように、極めてズル賢く、投資計画を進めているのです。これは僕が今さら語るほどでもない、有名な話ですよ。


経済には、“実体経済”と“金融経済”という分け方があります。実体経済とはまさに、モノやサービスを作ることで価値を提供し、相手からそれに見合った金銭をいただくことです。僕らが何かを売ったり買ったりする、実際に毎日、直接かかわっている世界です。

対して金融経済とは、簡単に言うとマネーゲームです。幽霊のような、虚構の世界です。存在してさえいないお金を、億だ兆だという単位で転がし合うのです。個人レベルでそのステージに上がった人は、日本だと件のソフトバンク会長:孫氏や元ZOZO社長:前澤氏などでしょうか。自身の資産が毎日、億単位で増えたり減ったりする生活は、もはや感覚としては僕らとは全く違う、宇宙人みたいなもんでしょうね。


虚構の世界・・とはどういう意味かを説明するために、仮の話として、僕が銀行を起業したとします(法律的にムリなのですが、それは置いておいて)。資金は全くありませんでしたが、とりあえず預金金利を他の銀行よりも高くしてみたところ、Aさんから100万円を預かることに成功しました。するとほどなくしてBさんが、「100万円が必要なので貸してほしい」と言って来たので貸しました。もちろん、貸付金利は預金金利よりも高く設定してあるので、その差額分が僕の利益です。

その後、ある日、Aさんが「預けていた100万円がすぐに必要になったので、全額引き出したい」と言って来ました。しかし、Bさんに貸した100万円は、Bさんはすぐに引き出して使っていたので残っておらず、僕は困り果ててしまいました。つまり僕は、預かったのは100万円だったにもかかわらず、そのお金を人に貸して手放した上に、貸し主にはいつでも返す約束をしていたわけです。100万円を預かることからスタートしたはずが、実質的に僕は、200万円を動かしていた事になるわけで。このように同時に引き出される事態になると、存在しないはずの100万円が浮き彫りになります。

この例え話では僕は困ったことになりましたが、それではなぜ銀行という商売がこのように「100万預かって200万動かす」ことができるのかというと、それは“預金主が全員、同じタイミングで全財産を引き出すことは起こりえないから”です。僕は以前、とある国で金融危機の噂がとんでもなく広がり国民全員が引き出しにかかって、銀行が破綻した・・とかいう映画を見たことがありますが、それはあくまでもフィクションですし、少なくともここ日本では、絶対にありえませんよね。

ザックリと言ってしまえば、株も、似たようなもんです。株というのは、お金が余っている人たちが「この会社はお金儲けがうまそうだ。私のこの金を運用に使ってもらって、儲かったら増やして返してもらおう」というものです。誰かが100億をどこかの会社に投資したとして、会社はその100億で何かをすぐに買うというわけではありません(前述の銀行の例えのように)。モノの売り買いとは違う世界で、その100億分の証券は価値を上げ下げしながら、転がり続けるわけです。

株で一番重要なのは信用であり、業績がいかに悪化しようが、「この会社はこれから儲かるはず!」という印象さえ持続できていれば、株価は上がり続けます。目の前にあるモノやサービスを売るステージから、将来性を売るステージに変わるわけです。

なので、前述のように、ソフトバンクが1.5兆円でLINEを買収といっても、実際にそんな大金が誰かの預金残高に入るわけではなく、もちろん現金を揃えてアタッシュケースに入れて用意するようなこともありません(当たり前ですが)。幽霊のような“数字”を、転がしているだけなんですよ。なので、会社を買うという行為にも、「1000億も使って貯金が一気に減っちまった! ヤベぇ!!」みたいな感覚は、孫氏や前澤氏には間違いなく皆無です。僕ら一般庶民が20万円の中古車を現金で買う時の方が、はるかに精神がヒリヒリしていることでしょう。



OYOという、インドのホテルチェーン会社が最近、日本に進出して来ています。このOYOは、自社でホテルをイチから設立して運営するわけではなく、既存の宿とフランチャイズ契約を交わし、“加盟”としてグループ展開する事業です。先日、ソフトバンクが15億ドル(1600億円)もの資金を融資し、日本では合弁会社として始動しました。このことからもわかるように、OYOとはもちろん金融経済、マネーゲームのステージにいる会社です。実体経済の住人じゃないんですよ。億や兆を転がす、虚構の世界の住人なんですよ。

そんな彼らは今現在、加盟ホテル数を増やそうと日本中で絶賛・営業活動中。よってもちろん、ウチにも来ましたよ(ウチはホテルじゃない! それくらい調べてから営業まわりしろ!!)。そして彼らはとにかく“稼働率”を良くしたいですから、加盟宿の値段をありえないほどに下げまくり(加盟すると、値付けの権利を失います)、他の宿から客を奪うことに必死になっています。市場バランスを著しく崩すこんな破壊行為は、僕ら業界人からすれば、厄災としか言いようがない。

個室1泊1000円なんて設定で、利益が出るわけがないんですよ。実体経済では、そんなビジネスは確実に成立しないです。しかし彼らは、虚構の世界の住人。“将来性有り”の印象付けのためにはなりふり構わずですから、加盟宿数という“数字”と、稼働率の“数字”が、どうしても欲しいのです。「ほらほら、数字が伸びてるでしょ」「ウチって成長企業でしょ」「だから株を買って投資してね」という、金儲けのスキームなんですよ。できるだけ上質に見える紙に、できるだけ多くの色を揃えて、餅を描きたいのです。しかしそれは絵。どのように飾って見せたところで、本物の餅にはなりえない。


宿業というのは〈ザ・サービス業〉〈ザ・実体経済〉でしょうが。マネーゲームの住人が浸食して来んなよな、バカヤロォォォーーー!! “加盟数”のために潰れそうな宿を勧誘しまくり、“稼働率”のために価格破壊しまくりやがって。僕らは実体を伴いながら、集客力やサービスの向上に、真摯に努めているんだ。あんたらのように、株価のために働いているんじゃないんだよ!! 目の前にいる旅人たちの、より良き滞在のために、毎日がんばっているんだよ!!!

OYOはクソだし、こんなインベーダー外資会社に大金を出資し、虚構ビジネスを成立させているソフトバンクもクソ。どうせ日本では伸びず、数年後には撤退するのだろうけど。それどころか、ソフトバンク自体が近い将来に崩壊しそうだけど(最近はその噂をよく耳にしますね)。こんなクソホテルチェーンに加盟する宿々は、よくわかっていない人が多そうだし、営業の口車に乗せられて、というケースもあるのでしょう。というよりも皆さん、経営難で藁をも掴む状態なのでしょうね。そんな、苦しんでいる宿のオーナーさんたちに対しては、僕としてもさすがに同情します。

しかしこんな会社に将来性があると、本気で信じてドヤ顔で加盟した者がいるのだとすれば、僕はそれには「アホ!」と言いたくなります。〈ザ・実体経済〉なこの宿業で、虚構のマネーゲームに支えられなければ経営が成り立たないという姿は、もはや恥です。

前年度の売上げを補償してくれるって?
そんな撒き餌に飛びつくなよ、みっともねぇな!!

オヨびでない!!




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