2020年1月21日火曜日

2019年、映画総括!!




1月も、もう下旬! しかし暖かい日が続き、気持ちがいいですねぇ〜。

年始に「今月は、マジでヤバい」と書きましたが、予約はじんわりと増え、実質135泊&47%くらいには到達できそうです。名目だと、165泊57%前後ですかね。一日平均、およそ7人の滞在ということです。それでも赤字なのは間違いないのですが・・・(涙)。



さてさて、話は変わり。今回は年始の定番記事である、前一年間に公開された映画の、総括です。

2019年の僕は、劇場:28本、DVD:91本、テレビ:14本、ネット:31本、合計164本の映画を鑑賞しました。16年125本、17年136本、18年149本、19年164本。去年の同記事に書いた「“100+平方数”が気持ちいい並びなので、今年は164本を目指そうかな」を、実際に完遂いたしましたよ!

実は、去年の前半、1〜6月には60本位しか観ておりませんでして。7月中頃に、なんとなくアマゾン・プライム(とっくに会員だった)の映画のラインナップを見てみたところ、“DVD化されず、観たかったのに諦めていた”作品が散見され、驚きまして。そこからネット視聴にハマり、けっこうな頻度で、ゲストが全員寝静まった深夜に観ておりました。その影響が大で、7〜12月は100本以上の鑑賞になりましたね。


この“年間164本”は旧作も含めた数字ですが、僕は基本的に、DVDは新作のみを借ります(というか旧作で興味のある作品のほとんどは、すでに観終わっている)。よってこの164本の内の半分程度は、昨年公開された作品です。なので、“日本での劇場公開日が2019年内の映画”という括りで、私的ベスト10をここに発表します。


ちなみに、一昨年に公開された映画も、僕はもちろん昨年中にDVDのレンタル解禁に合わせてたくさん観ておりまして。それを含めての2018年のトップ10ランキングは、このように修正します。

  ⑩ ビューティフル・デイ
  ⑨ しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
NEW⑧ ブリグズビー・ベア
  ⑦ ラブレス
NEW⑥ 判決、ふたつの希望
  ⑤ 孤狼の血
  ④ レディ・プレイヤー1
  ③ フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
  ② ブラックパンサー
  ① スリー・ビルボード

⑥位に食い込んだ「判決、ふたつの希望」は、まさに平和への第一歩といいますか、民族間対立が激化する今の時代へのアンチテーゼとして、とても素晴らしい作品でした!



というわけで、ここからは2019年のランキングの発表!


まずは、惜しくも選外となった映画を5本(公開日が早かった順)です。

ファースト・マン(2.8/米)
12か月の未来図(4.6/仏)
シャザム!(4.19/米)
ザ・レセプショニスト(10.25/英・台湾)
スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(12.20/米)

中でも特に「12か月の未来図」や「ザ・レセプショニスト」がよかったです。「スターウォーズ」にも大満足で、本当だとベスト10入りなのですが、この場でわざわざ語りたい感じでもないので、11位ということで(笑)。



それでは、ベスト10の発表!! タイトルの後の(〜/〜)は、日本での劇場公開日と製作国です。



【10位】

アマンダと僕(6.22/フランス)

ラストが秀逸な映画・その①。母子家庭の姉を持つ青年ダヴィッドが、姉がテロ事件に巻き込まれ亡くなったことで、独りになった姪っ子アマンダと共同生活することになる、喪失と再生の物語。

事件に巻き込まれたのは彼の姉だけでなく、恋人もでして。恋人は生き残るものの、心に抱えた傷は深く、別人のようになってしまう。幼い姪を気丈に支えながらも、何もかもを失ったダヴィッドの、ふいに泣き腫らす姿に切なくなります。

主演の子役、イゾール・ミュルトリエはもちろん、出演者全員の演技がうまい。特にラストシーンのアマンダの表情の変化は、本当に感動的でした!!




【9位】

誰もがそれを知っている(6.1/スペイン・フランス・イタリア)

ラストが秀逸な映画・その②。リスペクト監督、アスガー・ファルハディの新作。「彼女が消えた浜辺」「別離」と、最初の2作で僕はこの監督の才能に惚れ込みましたが、以後の2作はいまいちパッとせず、マスト鑑賞のリストからは除外しておりました。しかし今作で、僕の中では完全復活(世間の評価はまたしてもイマイチのようですが・・)!

スペインの田舎にある小さな村で、結婚式の最中に誘拐事件が発生。事件と、主役の男女の過去にまつわる秘密が絡み合い、村全体が振り回されるという話なのですが。

秘密が“バレる”様を見せて観客を楽しませるのではなく、人間同士が疑念を持ち合いすれ違う様子を、丁寧かつリアルに描きます。そして何より素晴らしいのは、ラストシーン。この監督は、本当に“終わらせ方”が上手いです。




【8位】

バジュランギおじさんと、小さな迷子(1.18/インド)

ザ・インド映画で、見事なまでにド直球の感動モノ。隣国パキスタンからインドに迷い込んだ少女を自国に帰すために、一人のバカ正直おじさんが立ち上がる!

観客は物語の背景、インドとパキスタンの政治的な関係性(事実上の戦争状態)を事前に知らないと、いまいち理解不能になる可能性がありますが。バジュランギおじさんはパキスタンでの道中を「国境なんて、ないのさ。人類、みんな家族だ」的な価値観、一本のみで豪快に突き進みます! ズルやごまかしは、一切しない!!

まるでお伽話のようで、もちろんご都合主義だらけ、現実感は無いに等しいストーリーなのですが。こういう映画を作った製作陣の気概、そしてそれを絶賛したというインド国民の想いに、「これこそが、平和への道標だオヨ!」と素直に感涙いたしました。




【7位】

ジョーカー(10.4/アメリカ)

日本中で大絶賛&大ヒット、観た方はけっこう多いと思いますが。僕も気に入りましたが、絶賛というほどではないです。

「ダークナイト」を生涯ベスト10に入れている僕としては、これはジョーカーの物語ではないなぁと。彼は、根拠や過去の全く見えない、正体不明の“純粋悪”なのが魅力だと思うんですよ。対してこの映画のジョーカーは、僕らと同じ、普通の人間で。さらには映画「キング・オブ・コメディ」に似過ぎており(それと「タクシードライバー」の2本に、大いに影響を受けていると、監督自身が語っています)、まるでリブートのようで、オリジナルとは言えない。その2本の方が、面白いですし。

物語への評価ではなく、ホアキン・フェニックスの演技と、映像や演出のセンスが飛び抜けて良かったので、この順位です。画角・人物配置・カット割り・・、全てが僕が過去に観た映画の内でもトップクラスの、素晴らしくカッコいいものでした!!




【6位】

工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(7.19/韓国)

ラストが秀逸な映画・その③。これまた、韓国と北朝鮮の歴史や関係性を充分に知っていないと、理解不能になるであろう1本。僕は、某国によくありがちな“Aは正義←→Bは悪”との線引きを押し付けて来る映画が大嫌いなのですが。この作品は、そういう内容では全くない(韓国人監督による、北朝鮮メインの話なのに)!

むしろ、この両国が裏ではいかにズブズブの関係か、両国の政治家やそのブレーンどもがいかに腐り切っているか、そちらの闇の方にガツンと深く切り込んでくれています。実話ベースだそうなので、“戦争を利用する連中”の腹黒さ、命の扱いの軽さが、マジで怖い。「敵がいる方が、都合がいいのだよ」って・・・。

話の軸が、国の関係を超えた、男同士の友情物語だというのもすごくいい。特に、北朝鮮側のリ所長の葛藤っぷりと男気に、惚れまくりました!!「浩然の気」、、いい言葉!!!




【5位】

フリーソロ(9.6/アメリカ)

僕はドキュメンタリー映画もけっこうな頻度で観ますが、映画館で観ることは稀でして。評論家衆が高評価をつけがちなのに、ハズレのケースが多過ぎる&たいていは映画館で観たいほどのスケール感がない、のでね。しかしこの映画は、当たりの予感が強め&観るべきスケールだと判断し、劇場へ。

結果は、大正解でしたよ! ヨセミテ渓谷の大自然と、それに挑む一人の男。プロのフリーソロ(命綱無し)クライマーであるアレックス・オノルドが、“最恐の絶壁”エル・キャピタンを4時間で登り切る、準備から実際の挑戦までの様子を、切り取っただけの内容なのですが。

映画のラスト20分は、観客も完全にクライミング・疑似体験状態になります。“落ちたら100%死ぬ”わけで、映画内の撮影陣も映画館の客も、ド緊張しっぱなし。成功したからこそ公開できているのだと、わかってはいるものの、こんなにドキドキ・ハラハラした映画は過去になかったかもしれません。




【4位】

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(5.31/アメリカ)

実は、僕はそもそも、ゴジラ・オタクなんですよ。平成シリーズ(vsデストロイア)までは、22作、全てを観ております。中学生時代にはゴジラマガジンという雑誌を定期購読し、読者投稿コーナーでは常連のハガキ職人だったんですよ(笑)。

2000年代に入ってからは、僕も大人になったのか、すっかり疎遠になりましたけどね。しかし2014年のハリウッド版を観て、ゴジラ愛が再熱しまして(「シン・ゴジラ」は嫌いですが)。

今回の新作は、人気怪獣が勢揃いの、大サービス・大迫力・大バトルのお祭り状態で。シンプルに大興奮しましたよ。ハチャメチャなストーリーですが、デスマッチ・プロレスを観ているようなもんなので、粗とかはどうでもいいのです(笑)! 今回もありがとう、レジェンダリー・ピクチャーズ!!




【3位】

家族を想うとき (12.13/イギリス・フランス・ベルギー

ラストが秀逸な映画・その④。二年前の「わたしは、ダニエル・ブレイク」も素晴らしかった、名匠ケン・ローチ(御年83歳!)の新作。今回も老体に鞭打ち、理不尽&不平等&不寛容すぎる社会に対し、でっかいハンマーで殴りつけてくれております!

イギリスが舞台ですが、ここ日本にも共通するいわゆるワーキング・プア、“必死に働いているのに、余裕のある暮らしが全くできない”人々のお話です。やっと見つけた仕事先で、上司から規則やらノルマやらを押し付けられ、ミスをすると自己責任。貧困ではなく、“メシは食べられている”生活ですが、気力も体力も限界の苦しい日々。そのせいで、息子・娘との関係も崩壊し。

大きな出来事はなく、明確な答え(解決策)も示されずに唐突に終わってビックリしますが、それで良かったと思います。リアルで、ヒリヒリします。

どうしてこうなったんだ! こんな社会、クソ食らえだよ!!




【2位】

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(9.20/アメリカ)

単純な「好き」度で言えば、後述の一位よりも上かも。「今年のベスト!」と絶賛する者が多い一方で、世間一般で見ると評価は低めなことが示す通りの、独特の不思議な魅力がある作品。

中学3年生のケイラは、別に虐められているわけでもないが、クラスでは全く目立たず空気のような存在。YouTubeには饒舌に「イケてるワタシ♡」的な動画をせっせとUPしているが、閲覧はたったの数人・・。この、痛々しいまでのモラトリアム描写が、観客自身の過去の黒歴史の記憶をくすぐり、泣けて来ます。

彼女なりにいろいろと挑戦をして、自分を知り、愛を知り・・といった感じの成長物語なのですが、登場人物が皆チャーミングで、全く説教臭くないのがすごくいいです。

何より好きなのが、彼女のクラスメイトの男どもが軒並み、気持ちよくアホなこと。思春期女子は大人への歩みに悩み、男子はいつまでもノーテンキにガキのまま。これは、世界共通なんですねぇ。





【1位】


グリーンブック(3.1/アメリカ)

ラストが秀逸な映画・その⑤。アカデミー賞作品賞受賞作と僕は、普段は相性があまり良くないのですが、この映画は本当に素晴らしかった!!

8位「バジュランギおじさん」、6位「工作」、あとはある意味3位「家族を想うとき」にも共通する、“相互理解”、“寛容”の大切さを、素晴らしく高いレベルで訴えている大傑作です。1位になったのは、この映画だけがさらに“相互リスペクト”の強い念も加わっているからですかね。

著名な黒人音楽家シャーリーに用心棒ドライバーとして雇われ、彼のツアーに帯同することになった白人男トニーの話ですが、最初は彼も典型的なレイシストなんですね。しかし、二人で旅を続けながら、シャーリーの人としての魅力と、世の中がいかに差別まみれかを知ることで、少しずつ変わってゆく。“友”になってゆく。

こう書くとお固い内容のようですが、ユーモアに溢れ、流れる空気はポップで明るい。ラストシーンの幸福感、そして観客への(?)ちょっとしたサプライズが、たまらない!

単純に娯楽作としてだけでも素晴らしい上に、世の中を変えうるメッセージ力までをも供える。文句なしの1位です!!






上記でおわかりのように僕は、差別や紛争や貧困の問題に、本気で戦いを挑んでいる作品が好きなんですよ。自由と平和と平等を何よりも希求する、超リベラルな人間なんでね。最近は誰しもが苦しい状況なのか、そんな映画が世界中で作られていて、嬉しく思います。映画には社会を変え、価値観を変え、人生を変える力がある!!


さあ、2020年! 毎年、年始に僕は「今年の注目映画」的なサイトを開いてワクワクするのが常なのですが・・あんまり、惹かれるのがない・・・。以前から観たいと思っていた「パラサイト 半地下の家族」と「ジョジョ・ラビット」の2本は、今日までの三週間内に公開があり、もう観ちゃいましたし(どちらも面白かったです)。

よって目標鑑賞本数は控えめに、116本でいいや。去年が大当り続きでゴリゴリに観まくりな一年だった反動で、今年の映画欲は抑え気味になるかもなぁ〜



【タクデミー賞】
作品賞   グリーンブック
脚本賞   ニック・ヴァレロンガ(グリーンブック)
監督賞   ボー・バーナム(エイス・グレード)
撮影賞   ローレンス・シャー(ジョーカー)
編集賞   ジェフ・グロス(ジョーカー)
主演男優賞 ホアキン・フェニックス(ジョーカー)
主演女優賞 エルシー・フィッシャー(エイス・グレード)
助演男優賞 イ・ソンミン(工作)
助演女優賞 ステイシー・マーティン(アマンダと僕) 



【2019年公開作品(鑑賞済み70本)全評価】

★★★★(14本)
1 ⑧バジュランギおじさんと、小さな迷子 
2劇⑭ファースト・マン
3劇①グリーンブック
4 ⑫12か月の未来図
5劇④ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
6 ⑨誰もがそれを知っている
6劇⑩アマンダと僕
7劇⑥工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
9劇⑤フリーソロ
9劇②エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
10劇⑦ジョーカー
10劇⑬ザ・レセプショニスト
12劇③家族を想うとき
12劇⑪スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

★★★★(22本)
1  クリード 炎の宿敵
1  蜘蛛の巣を払う女
1  サスペリア
1劇 ジュリアン 
2劇 バーニング 劇場版 
  アクアマン 
2 ⑱THE GUILTY/ギルティ
3劇 キャプテン・マーベル
3  記者たち 衝撃と畏怖の真実
4  バイス
4  マックイーン:モードの反逆児
4  ハンターキラー 潜航せよ
4劇 ザ・バニシング -消失-
4  幸福なラザロ
4 ⑮シャザム!
6劇 さよなら、退屈なレオニー
6劇⑰スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
6 ⑲ハッピー・デス・デイ
6  新聞記者
9劇⑯ホテル・ムンバイ
10劇 ボーダー 二つの世界
11劇⑳アイリッシュマン


★★★(22本)
1  バハールの涙
2  フロントランナー 
2  We Margiela マルジェラと私たち
2  ビール・ストリートの恋人たち
2  アリータ:バトル・エンジェル
3  ホテル・エルロワイヤル
3  スパイダーマン:スパイダーバース
3  ウトヤ島、7月22日
3  マイ・ブックショップ 
3  ビリーブ 未来への大逆転
4  希望の灯り
4  ビッチ・ホリデイ 
4  魂のゆくえ
4劇 アベンジャーズ/エンドゲーム
5劇 僕たちは希望という名の列車に乗った
5  アメリカン・アニマルズ
6  ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた
6劇 凪待ち
7  ハッピー・デス・デイ 2U
8  ロケットマン
8劇 ドッグマン
10劇 イエスタデイ


★★(10本)
1  ザ・ナンバー
2  NUMBER37 ナンバー37
2  ザ・カニバル・クラブ
2  半世界
3劇 ブラック・クランズマン
4  孤独なふりした世界で
6  ハウス・ジャック・ビルト
6  メン・イン・ブラック:インターナショナル
6  XーMEN:ダーク・フェニックス
8劇 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド


★(2本)
1  未来を乗り換えた男
1劇 ミスター・ガラス


〈観たかったけれどまだ観ていない、DVDが待ち遠しい映画〉
存在のない子供たち
風をつかまえた少年
ブラインドスポッティング
宮本から君へ
第三夫人と髪飾り
国家が破産する日
テルアビブ・オン・ファイア
ファイティング・ファミリー
だれもが愛しいチャンピオン



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