2016年2月6日土曜日

日本に民泊は向いていない!!


月初めなので、まずはいつものバカ正直データ公表をします(笑)!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 ベスト10(4〜1月:計611名)】

 ①アメリカ      86名(+12)
 ②オーストラリア   73 (+8)
 ③日本        63 (+5)
 ④イギリス      59 (+4)
 ⑤カナダ       53 (+9)
↑⑥台湾        30 (+7) 
↓⑦ドイツ       26 (+2)
↓⑧ニュージーランド  24 (±0)
 ⑨フランス      18 (±0)
 ⑩スペイン      14 (+1)


【新規ゲスト数(泊数:滞在日数平均:稼働率)の月別まとめ】

4月:22(81 :3.68:22%)
5月:28(132:4.71:35%)
6月:11(60 :5.45:17%)
7月:65(205:3.15:59%)
8月:98(312:3.18:93%)
9月:79(278:3.52:93%)
10月:91(253:2.78:94%)
11月:74(227:3.07:84%)
12月:84(229:2.73:82%)
1月:59(198:3.36:73%)
計:611(1975:3.23:65%)


ぐぁっっ、ついに合計滞在泊数、1月は200を下回っちゃいましたよ・・・。個人的には、ローシーズン(12〜2月)は目標値を「新規60名」「泊数200」「稼働70%」に設定していますので、微妙に届かずの「新規59」「泊数198」は、なんだかモヤモヤしますね。年始に休みを、とり過ぎたかなぁ・・・。

しかしまぁ、今月(2月)は今のところ連日のフルですし、3月以降の予約もすでにたくさんいただいていますしで、僕は全然ヘコたれていません。そもそもウチは、稼働50%で利益が生まれるオペレーションですので、70%でも経営的にはOKです。とりあえずこの1月は、ローシーズンはローシーズンらしく、そこそこの利益になっちまうんだなぁ〜、という確認が出来てよかったです。今年はあえて何も対策を講じませんでしたが、来年以降の、シーズン戦略は充分に考察できましたし。





さて、話は大きく変わりまして、前回・前々回と同様に、民泊についての僕の見解をこれから書こうと思います。



前回、僕は「民泊というシステムが日本の環境には合わない」理由の一つとして、「日本人には、民泊を受け入れられるだけの“異文化に対する許容力”がない」と書きました。今回は、もう一つの“合わない理由”を記します。日本では、今のところ民泊とAirbnbはニアリーイコールだと思いますので、これから僕が言う「民泊」とは「Airbnb」のことだと捉えていただいてもかまいません。


以前、たしか昨年の9月頃でしたが、とあるフランス人ゲストがウチにチェックインした際に、とても印象深い一言がありました。そのゲストは、ウチに宿泊する一日前まで、都内で民泊を利用していたのですが、彼は

「日本の民泊のレベルの低さには、本当にガッカリした」
「日本人は、カウチサーフィンを知らないのか? 僕が昨日までいた民泊宿は、カウチサーフィンに登録するべきだ。あれは間違いなくAirbnbのレベルではない」

と言ったのです。


以前の更新で、僕はカウチサーフィンについて「気になる方は検索してみて下さい」と書いたくせにここでは説明しちゃいますが、カウチサーフィンというのは、一言で言えば“無料の民泊”のことです。しかしもはや宿という括りではなく、ホストは「なんならウチに泊まってもいいよ」程度の感覚ですので、ゲスト用の部屋がない、さらにはベッドがない、なんてことはザラです。そもそも“カウチ”って、ソファーのことですしね。「you、寝るとこないの? じゃあウチに来てソファにでも寝たらいいよ」的なノリです。


というわけで、要はこの前述のフランス人ゲストは、日本のAirbnb宿を、このレベルでしかないと評したわけです。金を払うほどの質じゃない、と言ったのです。



そして実は、この彼ほど明確に否定した者は他にはいませんが、ウチに来る、日本で民泊利用経験のあるゲストに「どうだった?」と聞くと、「よかった」や「また利用したい」と応える者は全くいません。ほとんどのゲストが、「つまらなかった」「ホステルの方がいい」と答えるのです(そういうゲストだからウチに来ているのだ、というパラドックスは成立しますが)。

さらに僕は、民泊経験のあるゲストに「いつからAirbnbを利用してる?」という質問もよくするのですが、たいていは「最近知った」と答えます。昨年くらいから、Airbnbは日本で大きく知られる存在になりましたが、実はこれって、日本だけの話ではないのです。ほとんどの国で、ここ1〜2年の間に一気に認知度が増しているのです。ゲストの多くは、年がら年中、海外旅行をしているわけではないですし、この1〜2年の民泊利用者の多くが、「民泊は今回が初めて」だというのが現実なのです。



というわけで、何を言いたいのかといいますと、民泊というのは今、世界的な“ブーム”なんだということです。ヨーロッパなんかでは、バカンス中に留守中の家を人に貸す、という文化は遥か前からありますけどね。Airbnbのように、はっきりと民泊をビジネスとして世界規模で大々的に展開する企業があらわれたのは、ここ最近の話です。


よって、この“民泊ブーム”に乗っかって、「おっ、面白そうじゃん。ためしに使ってみよう」となった多くの観光客が、使った結果「なんだ、あんまりよくないなぁ(日本では)」を知り、「今後はもういいかな」になっている、というのが僕が捉える現状です。これがどこまで続くのかは未知数ですが、彼らは国に帰ってから友人たちに「民泊はイマイチだったよ」を発信するでしょうし、このブームはやんわりと去るのではないでしょうか? そもそも宿泊業には、リピーターの存在が重要ですし、もちろん宿業に限らずですが、「ためしにやってみよう」が「またやりたいな」に繋がらないビジネスが、長続きするわけがないのです。民泊は、今のところはそんな印象です。



では、なぜ外国人にとって日本の民泊の評価が、こんなにも低いのでしょうか。

これは僕の意見というよりも、ゲストから聞いた話が軸なのですが、そもそもAirbnbの宿というのは、“ここに泊まってみたい!という、特別な価値”が必要なのです。単に寝ることだけを求めるのならば、カウチサーフィンで充分です。ゲストは「部屋とベッドを用意していますよ」以上の価値に、お金を払うのです。


しかし日本の多くの民泊宿は、普通の一軒家や、普通のマンションの一室。普通に僕らが暮らすような、思いっきり生活感のある、普通の部屋。特別な経験を得られる感が、全くない。「こんな素晴らしい部屋に泊まれた!」感が、全くない。

しいて言えば、古民家をいい感じに活用していたり、高層マンションの最上階だったりな所であれば、特別な価値があると言えるのかもしれません。そういった民泊宿ならば、外国人ゲストが想像するAirbnbのクオリティの期待レベルに、充分に応えられているのではと思います。しかし、そんなのはごく一部ですし、そういったところは間違いなく、価格を非常に高く設定しています。


要は、日本人にとっての民泊とは、「ウチの使っていない一部屋に、外国人を泊めちゃおう」程度の認識なのに対し、外国人は「付加価値のある、素晴らしい場所に泊まれる機会」という認識なわけでして。求めるクオリティのイメージに、大きなギャップがあるのです。そこから、「なんだ、いたって普通の家じゃん。なんでこんなのに泊まるのにお金が発生すんのさ」という不満が起きるのです。



ということが、僕が“日本に民泊は合わない”と考える、もう一つの根拠です。ウサギ小屋のように、とにかく狭く、個性の全くない普通の家だらけの日本では、外国人が満足できるクオリティレベルに応えられる民泊宿は、ほとんど作れません。よって、これからこのビジネスが日本で爆発的に発展するようなことも、ないと言っていいと僕は考えるわけです。


まぁ、これはウチに来るゲスト(ほとんどが欧米人)に限っての話ですので、民泊のメイン顧客である中国人観光客は、全然違うのかもしれませんね。民泊で儲けまくっている方々は、そんな中国人観光客をきっと、うまく魅了しているのでしょう。



次回は、もっとビジネス的な視点で、ホステルと民泊のどちらが得をするのか等の話を書こうと思います。


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