2019年2月16日土曜日

ビジネスは、何よりも、誠実であれ!!





前回の記事の最後に追記で書きましたが、一連の“助成金、不正受給疑惑”については東京都が公式に発表したことで、事実と確定いたしました。


それに重ねて、不正を行ったゲストハウス企業:株式会社CARAVAN JAPANは、彼らのホームページにて、コメントを発表しました。



この文章を読むと、「事実調査を行った結果」や「現在の組織管理体制では国外での再発防止の徹底は困難と判断し〜」といった記述が、「明るみに出てから初めて知った、みたいな言い草だな」「やんわりと“現地スタッフが勝手にやった”・・っぽくボカしているな」と、誰しもが感じることでしょう。

最近で言えば、レオパレス21の手抜き工事の問題において、経営陣の弁解が「施工業者との、行き違いによる」というような内容だったことと、どこか似ています。彼らは、僕ら一般大衆がそれを聞いて納得すると、本気で思っているのでしょうか? こんなコメントは、はっきり言ってしまえば、恥の上塗りですよ・・・。

これはどう考えても、組織ぐるみの不正行為でしょう。「カンボジアの宿のスタッフが、なぜに自己判断で、伊豆大島にある宿の金儲けを仕組むんだ?」という、簡単な話です。この、トカゲの尻尾切りのようなコメントに対しては正直、カンボジアのスタッフのことを気の毒に思います。


彼らは、カンボジアからの事業の撤退を決定しました。期間はたったの三週間でしたが、開業〜運営には当然それなりの資金を費やしたことでしょう。今回の不正で得る予定だった300万円を丸ごと失い、それだけでも損失は210万(しまぽ購入費)。さらに、今後は都から何かしらのペナルティも科されることでしょう。そして何より、彼らは信頼を完全に失いました。彼らのビジネスは、地に堕ちました。

よってこれ以上、僕は彼らを責めるつもりはないです。また、代表取締役の近藤氏がゲストハウスサミットに登壇する予定だった件では、名前がシレっと削除され、しかしそれを公式に発表しないサミット運営陣に対して、不満を覚える者もそれなりにいるようですが。

僕はゲストハウスサミットに対してはアンチの立場ですが、この件に関しては、彼らもある意味では被害者だという認識ですので、そこは詰めなくてもいいのでは? と思います。

それよりも僕は、登壇を中止にしないで欲しかったですね。まぁ、これはサミット運営陣の判断ではなく、近藤氏からの申し出なのでしょうが。僕だったらば潔く頭を丸め(元々坊主ですが)、堂々と出て来て「全ては僕の責任です」と言い切り、たっぷりと恥をかきますけどね。サミットでの登壇は、業界内での信頼関係をギリギリ繋ぎ止める、チャンスだったと思うんですけどねぇ〜。パニック状態&事後処理に忙殺で、そんなヒマはないか・・・。



今回の件で一番の大きな問題は、悪質な不正を働いた彼らのビジネスマインドなのは、もちろん間違いありません。しかしちょっと怖いのは、被害者からの告発の多くが「何をされたか」の詳細を、かなりしっかりと把握していることです。もしかしたら宿スタッフは、「宿泊は無料ですが、これこれこういうカラクリでウチに利益が出る仕組みです」と、ある程度はゲストに告げていた可能性があるのです。すると、それを知った上で“しまぽ”に登録した宿泊者たちは、不正を幇助したような形になってしまいます。


これは完全に想像の話ですが、

宿  :「こうするとウチはお金がもらえるんですよ〜w」
ゲスト:「へぇ、だから宿泊費無料なんですか」
宿  :「双方にとって、お得な話でしょ?」
ゲスト:「そうですね〜、では登録します!」

みたいなやりとりが、あったのかもしれないわけです。間接的な共犯関係、と言いますか。そこには「このお金の財源は、一般市民が必死に働いて収めた税金である」という、根本の理解が全くない。なので彼らはおそらく、そもそもの罪悪感が薄い。

この想像が事実だったとしたら。宿とゲストの双方の“軽さ”が、この構図を生んでいたとしたら。僕からすれば、こんなのは「不誠実極まりない」「人としてやってはいけない」行為なわけですが、もしかしたら彼らには、そこに「不誠実」のスイッチがない。これは正直、かなり深い闇です。


あえて、当たり前すぎることを大声で言います(笑)が、ビジネスとは、顧客が支払う代金の対価として、それに見合う価値のある商品やサービスを、提供することです。それだけをシンプルに追求することが、すなわち、誠実であるということです。顧客からであれ、自治体からであれ、「スキあらばより多くの利益を得てやろう」という考えは、絶対に捨てるべきものです。

「この街で商売を始めると、自治体がお金をくれる制度があるみたいだぞ」「ならば、そのお金で、経営を安定させよう。その制度の有効活用のために、お客に協力してもらおう」・・・そんな計画は、発想をしている時点で、なんならば制度を探している時点で、誠実ではありません。


僕が、“地域おこし”系の宿々に対してはっきりとアンチを表明しているのは、彼らの多くが自治体からの助成金を当てにしているからでもあります。むしろ僕は「助成金なんかを出すからこそ、地方は活性化しないのだ!」という考えです。以前ネットで読んだこちらの記事
【The Gizmosquito ギズモスキート:地方創生 地方はどうやっても変わることはない】
の意見に、僕は100%賛同です。



今回の問題は、カンボジアの宿の行為があまりにも杜撰だったため、比較的あっさりと表に出て来ましたが、もしかしたらやりようによっては、彼らは3月末(しまぽ終了)までバレずに逃げ切った可能性もあるのです。こんな不正が簡単にできてしまう、政府が設計したシステムそのものも、大きな問題だったことは間違いありません。


前回の最後に僕は、「これ以上、彼らを追いつめるつもりはない」と追記しました。しかしその後に彼らの公式コメントを読み、すごく残念に思ったので、そこからまたこのような記事になりました。

とはいえ、僕よりも一回り以上も若い彼らの将来が、この事件で潰れてしまうようなことを、僕は全く望んでおりません。むしろ彼らが今後、イチからの再スタートを切るのであれば、応援したいと思います。

なので僕は、前回の記事も全削除を検討しましたが、「ゲストハウス業界全体が、誠実であってほしい」という願いを込め、さらにはもちろん、僕自身に対する指標「真面目には働かないが、誠実には働く!」を、改めて心に刻むためにも、残すことにいたしました。




25 件のコメント:

  1. うーん、ゲストハウスサミットの対応にはどうしても不満を覚えてしまいます。確かにゲストハウスサミット側も被害者と言えるでしょう。しかし、近藤氏を登壇者とし決して安くない前売り券を捌いていたわけですよね。自動車で欠陥があって「いやそれは下請けがやったことだから見解を出さなくても良い、修理もしなくて良い」にはならないと思います。それこそ不誠実ですよ。公式見解を出す必要はあるんじゃないですかね。
    それとイチから始めるなら応援したいとの事ですが、カンボジア店だけ潰してなんとか生き残ろうとする彼らが反省してるとはとても思えません。全店を閉鎖し、文字通り裸一貫から始めるというのであればまだ応援できますが。あんな嘘がバレバレなコメントを平気で出す人達が心を入れ替えて頑張るなんてあり得ないですよ。ちょっと甘いような感じがします。
    ごめんなさい。上記二点についてはどうしても納得できず、コメントをさせていただきました。

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    1. そうですね。サミットは謝る必要はないかと思いますが、見解すらないのは不誠実ですね。

      僕は正直、彼らが「カンボジアから撤退する」と決定した時点で、思ったよりもマトモな反応をしたなぁ・・という感想です。心を入れ替えるというよりも、罪と罰のバランス、といいますか。損失は会社が潰れるほどの凄まじい額になるでしょうから、今回の不正に関する彼らの責任の賠償は、それでいいのじゃないでしょうか?

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  2. ホントですね〜。

    バラマキ助成金は悪ですよ〜!

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    1. 問題の根元は、確実にそこですよね。

      そんな制度があるから、その血を吸いにハイエナが群がるわけですよね。

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  3. 施工業者との、行き違いによる
    界壁付けるの常識です。どんな建物にもあります〜。
    40年前の建物のうちでもしっかり入ってます(笑)。
    検査側は常識的に絶対ついてるものと認識し、レオ側は絶対に気が付かれないから施工しないで安くあげる。
    あの建物を施工する業者が建築基準法を知らないわけないですよ〜。

    たくろうさんの1からというのは、全部まっさらにして頑張れよ!ってことでしょう。

    悪足搔きは、東京都とジモティーでほっといても制裁を請けて潰れると思いますよ〜。
    捜査が進めば逮捕もありえますよ。

    そこから頑張れって事ですよ。

    サミットはどうなんでしょうねえ〜(笑)

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    1. その通りでして、今回の記事での僕の思いは

      何かいけないことをして、バレてどうせダメになるなら、デッカい声で気持ちよく「ごめんなさい!」を言い、そしてイチから改めて頑張れよ! という主意です。イチをゼロにしなかったのは、僕なりの愛ですね(笑)

      ご理解を、どうもありがとうございます、マサさん!

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  4. キャラバンもゲストハウスサミットの参加者ももうちょっと宿の運営に力を注げないもんですかね〜。不正受給だの地域貢献どうのこうのと手を広げたがるというか。宿がやりたいんじゃ無くて起業したくてそれがたまたま宿業だったという感じがもう何とも・・・。

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    1. そうですね。不正受給は、さすがに今回のみの特殊なケースだと思いますが。

      キラキラ系のゲストハウス開業志望者の中には、ブログ等には当たり前のように助成金ありきでの計画が書かれていたりします。

      caravanの彼らは「若者を応援したい」とキラキラした裏でのこの愚行でしたし、キラキラ系の「自分の貢献ばかりに意識が高い」「他人の貢献には意識が低い(気付かない)」キャラクターが、やっと浮き彫りになったという印象です。他人の血(税金)を吸うという意味では、クラファンなんかも、似たような構図ですね。

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    2. まあ、行政が煽りすぎ!
      地方を元気にって、地方、疲弊してますよ。
      あんたらの票集めに、地方はますます疲弊してます。

      でも何で気が付かないのか? 地方の皆さん?
      地方に毒され過ぎ(笑)。

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    3. 忙しいんでチラッとですが、もう完全にパス販売を若者に煽ってる感満載。

      旅人無視ですね。

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    4. 凄まじいセールスをかけてるみたいですね。悲しいことにミニマリスト系が素晴らしい!的な反応してしまってますね。「月光荘に泊まって船岡温泉、と言わない辺りに今回のターゲット層が垣間見れるな」と冷静に見てるミニマリストもいますが。

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    5. あらま、以前僕がこのブログに書いた「サミットを売り込みの場にはしないでほしい」が、あっさりと吹き飛ばされましたね・・・。まぁ、そもそも柚木くんはそういう人間ですから、予想通りです。

      参加している時点でその者はビジネス・ターゲットではないので、僕は「どうぞご自由に〜」という冷めた目線ですが。

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  5. シティゲストハウスの和佐です。
    【最新情報】
    カンボジアのcaravan blankのマネージャーの土屋くんはcaravan blankがクローズしたら俺が買おうかな、とか反省をしていない発言を何人かの在住者が耳にしています。。

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    1. えっ・・それはヒドい・・・。
      絶句ですよ・・・・。

      彼ら、本当に“軽い”んですね。

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    2. あれだけのことをして、平気でゲストハウス業界に居座ろうとする土屋に根性が凄いというか恥知らずというか・・・

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    3. そもそも今後、刑事罰が下されればそんなノンキなことを言っていられないんじゃないですかね?

      それに、東京都が彼らのそういった“反省のない”言動を把握したら、より厳しい対処を警察に求めることになるでしょう。

      自業自得ですよ。

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  6. 和佐です。
    あとカンボジアのcaravan blankは3月末まで営業するようです。
    今すぐクローズではないんです。ため息しか出ません。

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    1. 凄い根性ですね。伊豆大島はまるで他人事なコメントを出してるし、土屋もスタッフとして紹介されたままだし、caravanグループ生き残るつもりですね。
      因みにリトルジャパンというところがホステルパスというのをしてるんですが、caravanjapanからも2店舗参加中なんですよ。脱会しないところを見るとこのまま続けるつもりでしょう。リトルジャパン(柚木)も倫理より金というわけです。どいつもこいつも最低です。

      タクロウさん、目を覚ましてください。世の中タクロウさんが思ってるほどまともじゃ無いんですよ。

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    2. 6時間ほどの睡眠で、長くも短くもなくでしたが、今朝は9時半に起きましたよ(笑)。

      いゃよしさん、この件、発覚から一週間も経っておらず、東京都の発表からもまだニ日ですよ。

      caravanも柚木君も、これからどうするのか知りませんが、とりあえずそんなに焦らなくても・・。よしさんの求めるレベルの対処がベストだというのは、もちろん同意しますけどね。まぁ、遅れれば遅れるほど、彼らが損するだけのことで。

      僕は正直、怒りの感情はもはやないです。幼稚すぎるというか、頭が悪すぎるというか、関わるべきではない連中の問題に首を突っ込んでしまったのかもしれんと、少し後悔している感じです。

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    3. よしさん落ち着いて下さい。大丈夫ですよ。
      マトモな宿はアレに興味持ちませんし、マトモな感覚なら今回のサミットに参加して「はて?これはゲストハウスと何の関係が?」って思うハズですから。
      そういったマトモな宿はますますあれとは距離を置きます。

      地域おこしだ多拠点だも、もし本当に日本に定着したとしても30年はかかりますよ。

      こっちの南房総なんて、まさにそういった地域おこし系の恰好のターゲットになってますが、ひとつも地域なんておきてませんし、地元民は一切そんなのに興味ありません。
      前の記事の大島の地元民のコメント見て笑いました。どこも同じかと。

      マトモな人の方が多いから大丈夫ですよ!

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    4. ヤシロさんのtwitter経由で、AI理論とかいう人の、サミットの実況中継ツイートを読んでみましたが、、、

      だめです。吐きそうになりました。マジで喉元まで来ました・・・

      ゲストハウス業界のキラキラ汚染は、ここまで深刻なのか・・・

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    5. すいませんでした、ちょっと落ち着きます。そうですよね、これからですね。

      恥ずかしい事を言うと、やっぱり自分の宿を持っていないと言うコンプレックスから気が荒立つんだと思います。

      ご迷惑おかけしました。

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  7. 和佐です。
    あとは東京都と警察の間でどうなるかでしょうね。
    刑事罰になればそもそも存続は無理な話なのでそれを願っています。

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    1. 刑事罰でも個人に適用される詐欺罪だけだと組織は生き残れるんじゃないですかね。此処までやったんですよ。組織的犯罪処罰法の適用を希望しています。

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    2. 彼らには、助成金の不正利用という履歴が刻まれましたから、刑事罰がどうであれ、今後は銀行からの融資を確実に受けられなくなります。

      その時点で、企業としては、もう死に体ですよ。彼ら、分かっていなそうですが(笑)。

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