2016年8月28日日曜日

エアコンの電気代についてを、真面目に考察する!!



昨日くらいから、暑さはだいぶ落ち着いたどころか、むしろ寒いくらいですねぇ。台風がやっかいだなぁ。やれやれ。



さてさて、話は変わりまして。実は少し前に、僕はfacebookの個人アカウントの方に、エアコンの電気代についての情報を書いたのですが、思ったよりリアクションが多くあったもので、今回はそれについてを書こうと思います。というか、facebookではアバウト過ぎたので、ここではもっと綿密に分析します。



昨年、夏の終わり頃にどこかのサイトでだったと思うのですが、「エアコンは、つけっぱなしにする方が電気を使わない!」と書いてあったんですよね。ちょうど、宿に請求が来た電気代のあまりの高さにガックリ来ていた頃合いだったもので、「マジかよ!?」「もっと先に言ってよ!」「来年、やってみよう!」と思ったわけです。


そして、今年。早めの夏休みを終えて運営を再開した7月13日の昼に電源を入れてから、本日8月28日まで、エアコンは完全につけっぱなし状態です。“人がいなくなったら自動的に電源オフ”的なセンサーの付いている、そこそこハイクオリティなやつなんですけどね。せっかくの機能がもったいないのですが、そのセンサーも当然、解除しまして。



その結果、7〜8月分の電気代はというと、

昨年:41,789円(7月17日〜8月18日、休日二日:31日間)
今年:23,010円(7月20日〜8月18日、休日なし:30日間)


だったのでした。



ここまではfacebookでの記述と同じなのですが、考えてみたら電気代の相場(燃料費とかが変動するため)って常に動いているわけで、値段よりも使用電気量の方が重要かなと。というわけで電気量も見てみると、そちらは

昨年:1292kwh
今年: 753kwh

でした。


一方、ハイシーズンだけれどエアコンを使わない時期はというと、

今年4〜5月(28日間):13,152円、378kwh

でして。



すべてを30日間ということにして、概算で表すと、

 昨年7〜8月 電気代:40,000円、電気量:1250kwh
 今年7〜8月     23,000円、     750kwh
(今年4〜5月     14,000円、     400kwh)

基本料金と1〜2段料金(300kwh)までの分はほとんど変わらない(11,000円)ため、そこを差し引くと、


 昨年7〜8月 電気代:29,000円、電気量:950kwh
 今年7〜8月     12,000円、    450kwh
(今年4〜5月      3,000円、    100kwh)

になります。



これを計算すると、月の電気使用が300kwhを越える場所での、1kwhあたりの電気代は、おおよそ

 昨年7〜8月:31円
 今年7〜8月:27円
(今年4〜5月:30円)

です。最近、電気代はちょっと下がっているんですね〜。



ウチがベッドルームで使っているエアコンの性能は、MAXの消費電力が冷房時:2200wなので、これを計算すると、起動後(1時間)にかかる電気代は、昨年は
2200÷1000(kw)×31(円)×1(h)≒68
となり、68円。同じく今年は、60円。


一方で、今年7〜8月と今年4〜5月を比較すると、+9000円、+350kwh。

今年は、エアコンを7月20日より前につけ、以降は今日までつけっぱなしなので、この7月20日〜8月18日の期間は、起動の回数はゼロ。よってこの9000円は、丸ごとエアコン運転を持続するのに費やした分、として扱います。少し電気代が下がっているという点は、他にも夏にしか使わない電気機器(サーキュレータとか)があることで、相殺とします。

それを30(日)で割ってさらに24(時間)で割ると、12.5。というわけで、今年にウチのエアコンが持続運転に使用した電気代は、一時間あたり平均して12.5円です。これは昨年ならば、電気代の比率的に14円くらいとなります。


なので、それらをまとめると、ウチの宿のエアコンにおける1時間あたりの電気代は、

起動時  :60〜68円
持続運転時:12〜14円

その差は、およそ5倍。5時間つけっぱなしにするのと、一度電源を入れるのとが、同じくらいの電気使用量だということです。

ということは、一日に五度の電源onよりも、24時間ずっとつけっぱなしの方が得!

ということなのです!なんじゃそりゃ!!
 ってか、普通の一般家庭では一日に五度もつけたり消したりしないですよね(笑)。なのでもっと簡単に言うと、

5時間以上の間隔をあけずに電源を入れ直すのなら、実はそのままつけっぱなしの方がいいんだぜ!

ということです!



ちなみに、ウチは昨年に比べてkwhが+500。一度の起動で使うkwhは2.2ですから、500÷2.2で、227。これを30(日)で割ると、7を越えます・・・。

なんと一日7回以上、エアコンを起動していたとは! 去年の僕は、どんだけアホだったんだよコンチクショー!って話です!!


というか起動だけではなく、
温度設定を変えるという行為も、かなりの電力を使っているはずです。去年の夏の前半は、僕は温度をちょくちょく変えていました。ゲストが設定を勝手に変えていることも、しょっちゅうありました。僕はさすがに一日7回ものon-offはしていないと記憶していますので、その辺りの事情も絡んでいるのでしょう。



(以降、後付け記述)
ちょっと不安になったので、こんなんでいいのかなぁと、念のためいくつかのサイトをのぞき、分析をしてみました。しかしどこも基本的には、スペック表示の数字から、計算しているだけでした。例えば、

「スペック表示に、(100w〜2000w)と書いてある場合。これは、安定時(持続運転時)の消費量が100w、起動時の消費量が2000wということ。なので、使う電気は20倍となり、20時間分の持続運転と一度の起動の際の、消費電力量は同じである。だから、つけっぱなしの方が得なのだ。」

といった、極めてシンプルなロジックで。って、いやいや、エアコンって安定時もブォ〜ってなったりシ〜ン・・ってなったり、なにやら忙しいじゃんか!! 100wとはあくまで、シ〜ン・・になってる時、なわけで。それが20時間もずっと続くエアコンなんて、どこにあるのさ!

なので、さすがに一度の起動と20時間の運転は同じ、はありえない。平常運転時は一時間3円?・・・んなわけない。


というわけで、他のいろいろなサイトの結論とはかなりズレましたが、とにかく、

①温度設定は変えない。
②5時間以上の間隔を空けるのならばoff、
 空けないのならばonのまま。

これが、エアコンの電気使用量を最も節約するポイントだと、僕は結論づけます!

「ずっとつけっぱなしの方がいい!」というのは、あくまでケースバイケースなので、これくらいの心構えくらいの方がいいはずです!!


今回は計算だらけで、読む方によってはわけがわからない内容だったかもなぁ。

正直、書いてて疲れました(笑)! ではでは!!!




2016年8月16日火曜日

ジレンマの最中!


お盆が終わりました! YAWP!はおかげ様で、今年も多くの方にご宿泊いただきました。しかし、考えてみたら去年も今年も、お盆にウチに泊まった日本人ゲストはゼロ。日本人旅行客が多いであろう時期でも、ウチは相変わらず外国人しかいない宿だったのでした。


夏の暑さはどうやらピークを越え、これからは少しずつ涼しくなることでしょう。YAWPでは、2階のリビングにエアコンがないまま、これで二回目の夏を乗り越えることになるわけですが、もうコレ、いい加減に解決しようかな・・。


実は僕がリビングにエアコンを買わない理由

①部屋に合いそうな、イケてるデザインのものがない
②あの人工的な、モアッ〜とした冷気が嫌い
③海外では当たり前な、安宿の「蒸すわ〜」感が、旅っぽくて好き

の三本軸の内、①がもう解決済みでして。ウチのリビングにアジャストしそうな、カッコいいエアコン、もう見つけています。


う〜ん、どうしましょうか。これ、実はゲストによっても意見が分かれるところなんですよね。「え〜、リビングにエアコンないの!?」「そりゃないわ〜」的な反応の人もいれば、「3階は涼しいので、ギャップが気持ちいい」や「日本ってどこも温度下げすぎで寒いけど、ここはちょうどいい」などと言われることもあります。

エアコンを買ったら、なんだかんだでそれに頼ってしまう夏になるんだろうなぁ。そしてむしろ、取り付けた後の方が、設定温度がどうだので、トラブルが増えそうな気がする。

まぁ、寒くなるまでに考えます。それまでに結論が出なかったら、来年の夏に暑くなるまでにまた考えます。


というわけでタイトルにある“ジレンマ”とは、まずはエアコン問題のことなわけなのですが、まぁそれはたいした話ではないですよね。



今の僕の、最も大きなジレンマは、YAWP!backpackersが人を雇うべきかどうか、です。


このブログを読んでいる僕の友人は、それなりにいるようでして、最近その何人かから聞かれたんですよ。「スタッフ見つかった?」と。そしてその答えは、「見ぃつかりませぇ〜ん!(涙)」です。



僕は6月と7月に、facebookやこのブログで、二度に渡りスタッフの募集をかけました。そしてこの二ヵ月の間に、6人の方からのコンタクトをいただきました。しかしその内の4人は、外国人の方でして。僕は募集を日本人のみとしていましたので、外国籍の方はその時点でお断りさせていただいております。


僕がお願いしたい仕事は、掃除ではなく、主にお留守番です。それも、もちろんただ黙って座っていて欲しいわけではなく、ゲストとたくさんコミュニケーションをとって欲しい。スタッフには日本人として、外国人ゲストに対して、日本の魅力を伝えたり、日本の現実を知らせたり、そういう関係を築いてほしいと考えているのです。

日本が大好きで日本に詳しくて日本語がペラペラ、そんな外国人でも、僕はお断りします。外側からではなく、内側の目線、とでも言いましょうか。日本で育ち、いい面も悪い面も含めて日本の本質をよく理解し、それを発信してくれる人がいいのです。それに、トラブル対応は基本は僕がやりますが、状況によっては任せることもある。そういう要素をすべてひっくるめて、日本人のスタッフを求めているのです。



しかし、日本人の方からのコンタクトは、ほとんどなく・・・(涙)。これはまぁ、仕方ないですね。今は他にも、スタッフを募集している宿がたくさんあります。しっかりとした給与体系のところも、少なくありません。ウチは現状、日本人にはほとんど知られていない宿です。そんな状況で、「ゲストハウスで働きたい!」と志す方がわざわざウチを選ぶ可能性は、そりゃあ低いですよね。


「ちゃんと給料出せばいいんじゃない?」と、友人から言われたこともあります。まぁ、たしかにその通りです。実は、募集要項に書いた“謝礼を払います”、僕の予定していたコレは、それなりの額なのです。深夜〜午前中の留守番を依頼する、夜は寝てもいい。しかし正式な雇用契約では、寝ている時間にまで賃金が発生する(拘束している以上は、労働扱いになる)ため、“謝礼”という形にしただけでして。ケチりたいわけではないのですが、ウチはゲストキャパ15の、小さな宿。スタッフが寝ている時間にまでお給料を出すと、経営が破綻しちゃいます!


ならばこの際、夜番を僕がやって、昼は誰かを雇い、掃除とか全部任せちゃおうか?とも考えました。もちろん、きっちり給料を支払って。しかし、僕は別に、掃除がおっくうだとかそういうのはないんですよ。ただ、夜はそんなに遅くない時間に家に帰り、それなりにプライベートを楽しむ余裕があり、のんびり起きて、のんびり出勤したいだけなのです。


実は僕には、今年の3月頃までは手伝ってくれる人がそれなりにいたのですが、4月以降は、完全に一人労働状態。毎日深夜2時頃まで宿にいて、家に帰って9時頃まで寝て、遅くとも10時には宿に戻る。一日16時間労働のこの生活が、ほぼ休日無しでずっと続いています。宿ではテキトウにサボりながらマイペースに働いていますので、体力的にはキツくないんですけどね。ただ、メンタル面がキツい! プライベートタイムがなさすぎる!! 英語しか話さない日が多すぎる!! そりゃあ、6月に長期の夏休みをとって、完全オフで発散したくもなりますよ!!


なんだか、グチっぽくなっちゃいました!! というか実はブッチェケもう、人を雇うのは諦めようかと考えておりまして。一人で限界まで働いて、限界に達したらまとめて一気に長期で休む、今後もそんなバランスでいいような気がしています。宿を閉めて利益が出ない期間の分のロスと、スタッフを雇った場合の人件費のロスは、マネージメント面ではどちらもたいして変わりませんし。僕の収入源は他にもあるので、宿を閉めても無収入ではないですし。完全ワンオペ運営、しかしちょくちょく長期休暇、そんな経営スタイルの宿なんて、他に聞いたことがないですけどね。


僕は7月に夏休みを終え、今日までで三十五日間を一人で休み無しで運営していますが、やはりキツいです・・。特に7月27日〜8月15日の二十日間は、フルの日ばかりで稼働平均も90越えでして。次の長期休暇は、2月中頃〜3月中頃の一ヵ月間の予定ですが、それだと今から半年後。ちょっと遠過ぎて、それに向けてがんばろう感には繋がらない・・・。


というわけで僕は、3ヵ月働いて1ヵ月休む、カスタネットのようなリズムの経営がいいんじゃないかとか、最近は考えていたりします。もちろん貯金のペースは落ちますが、それでもメシは、充分に食べて行けます。具体的には、

③ ④ ⑤  勤
⑥       休
⑦ ⑧ ⑨  勤
⑩       休
⑪ ⑫ ①  勤
②       休

こんな感じで、どうでしょう? 僕は先の6月に休み、次の2月の休みも決めているので、あとは10月に休めばこの通りになります。世の中の多くの人も、週の七分の二は休んでいるわけですし、僕も一年の四分の一くらいは、休んだっていいじゃないか〜。


今のところはまだ、10月中の予約は入っていないので、決めるとしたら今のうちなんですけどね。要は10月も休む=スタッフを雇うのを諦める、というのが僕の中にある大きなジレンマでして、これがなかなか熟慮を要します・・・。



最近はこのブログで、“この業界で生き残るのは大変だ〜!”的な内容ばかり書いていたくせに、今回は一転して“もっと休もうかな〜”。わかりやすい矛盾っぷりで、どうもすみませんです(笑)!!


今年も花火で盛り上がりました!



 

2016年8月8日月曜日

この際、お金の話をしてしまおう!





いきなりですがこのブログは、以前に何度も書いている通り、昨年8月8日の記事
ホステル(ゲストハウス)経営って、儲かるの?
が相変わらず断トツの閲覧数なのですが、書いてからちょうど一年の今日、確認してみたところ、ちょうど1万ビュー数を越えた頃合いでして。

というわけで、YAWP!ブログ断トツ人気記事の入稿一周年記念&閲覧1万ビュー記念に、第二弾のような気持ちで、今回は書こうと思います。




先日、とある方(面識はありません)が書いているブログを発見いたしまして。その方は、ゲストハウス開設にかかる費用についてまとめていたのですが、そこでの例としてYAWP! が取り上げられておりまして。そこには、

・ビル全体のリフォーム代 1000万以上
・リネン、家具、電化製品   100万円
・登録関係、その他諸費用   100万円

と書いてありました。


・・・ん? だいぶ違うぞ...。さらには、ウチを「賃貸でリフォームできる物件を探して〜」と紹介していますね・・・。う〜ん。少し前のブログにもチョロっと書きましたが、ウチは賃貸ではないです。持ちビルです。ゲストハウスをオープンするために、およそ2年前に、ビルを買っちゃっています。

コレ、僕は別に隠していませんし、このブログでも初期に、「ビルを購入しました!」とバッチリ書いているんですけどね。なんで、賃貸だと思い込んでいる方が多いのでしょうか? 僕は、物件は最初から購入ベースで探していまして、賃貸でビジネスを始めようとは、そもそも全く考えておりません。


不動産は、消費ではないです。投資です。不動産投資の知識と自信があり、戦略的な購入をすれば、価値が下がらないこともあれば、なんなら増すことすらあるのです。対して賃貸とは、ただの穴の空いたバケツ。注ぐだけで何も残らない。購入では、物件が売れない可能性のリスクは確かに背負いますが、その場合でも賃貸と同等。賃貸だと事業に失敗した際に撤退しやすい、という一面はありますが、優位点はそれくらいです。なんで皆さん、賃貸でビジネスを始めようとするのかなぁ。



まぁ、それはさておき、オープンから1年4ヵ月も経った今さらなのですが、今回は僕がオープンまでの初期投資にどれだけ費やしたのかを、ここに書いてしまおうと思います。ただし、ビルの購入価格は、特に理由はありませんが、伏せておきます(ウン千万とだけお伝えしておきます)。あと、ホームページ制作の費用も、依頼相手がウェブデザイナーの友人なので、伏せておきます。



【YAWP! 初期投資費用】

①リフォーム代金(工務店):         1300万
②リフォーム代金(ペンキ等、セルフでやった分): 10万
③寝具・リネン関係(マット、布団等):15床計  80万
④家電類(エアコン、冷蔵庫、PC等):     計   50万
⑤家具類(ソファ、イス、テーブル等):   計 110万
⑥その他備品(食器、調理器具等):      計   10万
⑦登録関係(不動産登記等):        計  10万
⑧運転資金:                   30万
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
                     計 1600万


だいたいこんな感じです!
思いっきりブッチャケましたよ(笑)!!



というかコレ、ウチに開業の相談に来ていただいた方には、これまでも普通に伝えていました。ウチは、平米は100以下ですが、ほぼジャストの100。ベッドはオリジナルでかなりしっかりした物を作り、受付カウンターも作り、しかし外装や屋上には手をつけず。それで、このリフォーム価格(①)です。デザイナーさんとは別途で契約していますが、工務店さん経由で支払いましたので、これは設計料も含めた価格です。

工務店さんには、僕が希望した期日にきっちりと間に合わせていただき、さらに仕上がりも文句無しで素晴らしく、この価格は妥当か、むしろかなりリーズナブルだったと思っております。逆に、工務店さんの儲けがほとんどないのではないかと、心配になったくらいです。


なので今後、例えば平米が200の宿をやりたい、というような方は、リフォーム工事を工務店に頼めば単純計算(×2)で2600万。普通は大きくなるほど割安になるはずですから、実際には2400〜2500万でできるのではないか、と推測します。外装等を含めても、3000万はかからないのでは、と思います。


あとは以前もこのブログに書きましたが、③のベッド関係、これはけっこうな出費になります。ウチは、ベッド1床あたりで、マットレス等を一式合わせて、5万円強かけています。仮にウチと同レベルのものを揃えるとしたら、ベッド数が100だとすると、なんとそれだけで500万です。

だからといって、ここは絶対にケチるべきではないです。ニ◯リで、最安の物を買いそろえれば、計2万円くらいで済むかもしれませんが。僕は、ベッド関係、特にマットレスはどれにすべきか、とことん悩みました。いろいろな家具屋、寝具屋、ましてや家電量販店(ヨドバシとかに置いてありますよね)にまで行き、試寝しまくりました。そして、開業資金から出せるギリギリの範囲で、最上級のベッドを用意したつもりです。その結果、多くのゲストから好評をいただいております。


それだけではなく、上記の④家電類も⑤家具類も、僕はケチるべきではないと思います。もちろん資金には限界があるのですから、値段を気にせず集めまくる、なんていうのは無理な話でしょうが。資金のやりくりの中で、出来る限りの最上級の物を揃えるべきです。

中でも特にケチるべきでないのは、“ゲストが直接使うもの”です。スタッフのみが使う、PCやイスなんかは、なんならどうだっていい。しかし例えばゲストが髪を乾かすドライヤーは、安いものであれば千円台で買えますが、僕が購入したものは一万円を越えます。もちろん、とても好評です。そんな些細な「上質のものを用意していますよ」が、想像以上に、宿への好感度、好評価を生みます。費用対効果として、金額面のロス以上に、印象面のプラスが、必ず発生します。



ウチは前述のように、初期投資にビル購入:ウン千万、その他:1600万をかけています。我ながら、けっこうな額です。しかしこれは、さらなる儲けを生むためではなく、自分の将来、のんびりマイペースでジョイフルな人生の実現への投資です。だから僕は、時にはがっつり一ヵ月間休みますし、普段もストレスのないレベルまでしか働きません。

しかし前回の記事に書いた通り、今はこの業界、かなり雲行きが怪しいです。これから始まる(いや、もう始まっている)サバイバル競争、賃貸ではないウチが他の宿よりもしぶといのは間違いないのですが、このまま余裕ブッコいてるわけにもいかなそうでして。なんせ、初期投資に全財産をつぎ込んでしまいましたからね〜。


今後は僕ももっと、経営努力をしなきゃあ、どんどん苦しくなるのかなぁ...。


珍しく、日本人だらけの飲み会!



2016年8月5日金曜日

日本人は、親切ではない!


暑いっ! 暑っつ〜い!!
なんなんですか、今年のこの暑さは!!
もう、嫌になっちゃいます! 夏休みは、梅雨の時期ではなくこの時期にするべきだったかも!!



暑くて何もやる気になりませんが、まぁとりあえず、まずは月初めのいつものやつです!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計992名)】

 ①アメリカ     164名(+5)
 オーストラリア  115 (+2)
 ③イギリス     109 (+8)
 ④日本        99 (+5)
 ⑤カナダ       91 (+1)
 ⑥ドイツ       47 (+6)
 ⑦台湾        38 
 ⑧ニュージーランド  30 (+2)
インドネシア    25 (+3)
⑩フランス      24 (+1)
 

【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

【2015】
4月:22(81 :3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11(60 :5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)
6月:26(72 :2.77:60%(10)
7月:45(139:3.09:61%(12)

計:992(3175:3.20:81%)
※稼働率のみ、直前一年間の平均



ぐはっ! この7月、ハイシーズンだというのに稼働は61%でしたよ!! 特に夏休みから再開した後の、13〜26日の二週間は、なんと45%! ラスト五日間がフル続きだったのでなんとか60%を超えましたが、いやはや、参りました〜。

前回にも書きましたが、12日に予約の受付を再開したところで、その直後から一気に埋まるわけがないですよね・・。いただく予約のほとんどが、7月最終週〜8月のお盆前でしたので、7月最終週以前の観光客は、すでに滞在先を決定済みだったのでしょう。予約再開の際に、システム的にいろいろな面倒が起きましたし、夏休みだからといって、予約の受付まで止める必要はなかったです。今後は、長期の休みの間も予約の受付だけは継続しようと思います。反省・反省。

ちなみに8月の予約状況は、今のところはそれなりに順調ですが、去年より少なくなるのは間違いなさそうです・・・。う〜ん、まぁいいか。暑いし。マイペースにがんばろう。




さてさて、話は変わりまして。


前述の通り、夏休みを終えてからのYAWPは、7月中に45人のゲストをwelcomeしました。そして僕はもちろん相変わらず、多くのゲストと毎晩のように飲んでいます。日本人の話題になると、多くのゲストからは「フレンドリーだし、すごく親切!」と言われるのですが、真逆のことを言われることもたまにあります。特に最近、この45人の内3人ものゲストから、なぜかたたみかけるように言われたことがあります。この意見に後乗りで同調した者の分を含めず、言い出しっぺの者だけを数えての3人なので、同調を入れるとけっこうな数になります。


彼らは、概ねこのようなことを言いました。

「いやいや、日本人って、全然親切じゃないよ。電車の中で、お年寄りの方々や、妊婦さんが立っていても、誰一人として席を譲ろうとしない。みんな気付いているはずなのに、スマホを見ているか、寝ているか。これには本当にガッカリした。」


・・・はい。まさに彼らの言う通りです! 実は僕も、多くのゲストから「日本人って親切だね!」と言われることの方に、むしろ違和感を覚えるのです。「親切だね!」に対しては基本的には否定をしませんが、あまりに絶賛された時には、「いや、もっと観察してみてよ」と言いたくなるのです(実際に、たまに言ってしまいます)。よって、前述の彼らの否定的な意見には、僕はおおいに賛同します。


「日本人は、パッシブ・カインドネスなんだよ」と、僕はよく説明します。アクティブ(能動的)ではなく、パッシブ(受動的)な、カインドネス(親切心)。日本では、誰かがわかりやすく助けを求めている時には、周りはちゃんと助けてくれます。しかしそのスイッチは、助けて欲しい側が押す必要があります。道で転んで、地面にバタッとなった際には、“倒れた”というスイッチがわかりやすく入っているので、多くの人が助けに行きます。しかし例えば、道端にずっと座っていて、見るからに具合が悪そうな人なんかに対しては、誰も声をかけません。


その理由として、“日本人はシャイ”だからとか言う人がよくいますが、はっきり言って、シャイと親切心は関係ないです。なぜなら、人を助けること=恥ずかしいこと、ではないからです。僕なんかは、電車でお年寄りに席を譲った際には、むしろ誇らしげな気分になりますけどねぇ。立って窓の方を向きながら、たぶん無意識に、ドヤ顔をしています(笑)。シャイなのが問題なのではなく、恥ずかしいと思わせてしまうような環境、社会性が問題なのです。


あとは、特に電車の席のケースで言われる、“譲らない人たち”の典型的な根拠ロジック。例の、「あら、私を年寄り扱いするなんて失礼ね!」な反応もあるよね的なやつ。僕はこれ、ホント、アホかと言いたい。“やらない”を選ぶ根拠として、レベルが低すぎる。僕は、これまでの人生でおそらく100回以上、お年寄りや妊婦さん、松葉杖の人等に席を譲ってきましたが、そのようなリアクションをされたことなど、一度としてありませんよ。「次で降りますので、結構ですよ〜」的な断りを除いて、皆、気持ちよく譲られてくれますよ!


日本人は他者に対して、マインド的な距離を置きすぎです。他者に対しての、興味が無さすぎです。誰か困っている人が周りにいるかも、というアンテナが、全く立っていません。というかむしろ、“面倒ごとは極力お断り!”な人が多く、そんな人間は故意にアンテナを立てようとすらしません。


「自己満足」や「偽善」等の、そういうヒネくれた批判がよく上がるのも、日本人ならではの特徴です。席を譲って気持ちいい←→譲られて気持ちいい。双方にとってハッピーで、マイナスの要素は一つもないというのに、当人以外の日本のシャイな人達(笑)は、それをやらないどころか、時には足を引っ張ろうとします。いい加減に、そういうくだらないのはもう、やめましょうよ。



2020年に向けて、今後もたくさんの外国人が日本にやって来ます。彼らへの、おもてなしの心を持つのは当然のことですが、それが外国人に対してだけの態度なのであれば、その薄っぺらさはすぐにバレます。ガッカリされます。


パッシブ・カインドネスから、アクティブ・カインドネスへ。対象を外国人に限らず、困っている人がいれば、誰しもが助けに入れる社会。困っている人が、それを発信しなくても、周りが敏感に察知できる社会。


訪日外国人が増えている今は、その社会を目指す、いい機会です。日本人の皆さん、外国人観光客は、僕らをちゃんと見ています。今の僕らが、本当の意味ではそんなに親切じゃないことは、実はけっこうバレているんですよ!!




2016年7月29日金曜日

流行るゲストハウスって、どんなの?


前回、冒頭に「梅雨が明けましたね」と書きましたが、まだ明けていなかったようですね・・・(どうもすみません)。東海地方が18日に明けて、それから10日も経って関東が明けるって、どういうこっちゃねん。



さてさて、その前回の投稿、内容がエゲツなかったせいか、それなりに反響がありました。その後のウチの予約状況はというと、12〜29日(本日)の18日間のトータルで、およそ75件。昨年と比較して、やはり15%ほどのダウンが続いています。


特に先週、19〜25日の一週間は毎日ゲストが3〜7人ほどと、ハイシーズンの7月にはあるまじき状況で、ちょっとヘコミました。まぁ、予約を受け付けたのが12日からですからねぇ。来日の直前に、あわてて宿を探すようなゲストは、そんなにいなかったということなのでしょう。今週に入ってからはフルが続いているので、経営的に問題はないのですが。



さてさて、今回は、前回の続きというわけではないのですが、“ついにサバイバルレースが始まった!”という話から付随する、“では、どんな宿が生き残るのだろうか?”の話を書こうと思います。



ウチに開業の相談に来る方に、僕がよく出す例え話なのですが、この業界は、シャンパンタワーのような構造になっています。一番テッペンに、超人気宿がある(5軒ほど)。そこは、基本的に一年中、常にフル。その下に、人気宿がある(10軒ほど)。こちらはハイシーズンは常にフル、ローシーズンでも7〜80%をキープ。その下に、経営的にはギリでやっていけているくらいの普通の宿があり(20軒ほど)、その下に、ゲストがあまり入らず苦しんでいる宿がある(40軒ほど)。都内に今ある80軒弱の宿を、イメージ先行&ムリヤリにタワーっぽくまとめてみると、そんな4段階なイメージです。


ゲストは、タワーの上段の宿が空いていれば、ほぼ間違いなくそこを選びます。超人気宿がフル→人気宿がフル→普通宿がフル→で、ここまで来て、やっと4段目の宿が選択肢に入ります。下段にいればいるほど、シャンパン(ゲスト)はなかなか降りてきません。ハイシーズンにはシャンパンの量も多いため、ある程度は行き渡りますが、ローシーズンにはへたしたら、3段目すら空になってしまいます。ウチがどこの段にいるのかは、何とも言えないところですけどね。いちおうそれなりに利益は出ているので、2段目〜3段目の間くらいでしょうか。



根拠となるデータの開示が無い上での話で申しわけないのですが、経営的に余裕があり、きっちりと安定した利益を出せているところは、おそらく80軒中、15軒くらいしかないんですよ。ほとんどは、ギリギリor経営難です。ヤバいです。そしてその15軒の内の、大半は業界大手。カオサングループ系列、K'sハウス系列、バックパッカーズジャパン系列、のどれかです。それら以外で、「あそこはすごく流行っているなぁ〜」と言えそうな宿は、僕の思いつく限りでは、都内には5軒くらいしかありません(あえて名前は書きませんが)


その15軒、特に大手系列のところ以外の5軒の、一軒一軒で何が優れ、何がゲストを惹き付けているのかの分析を、僕はするつもりはないです。そんなの、おこがましいですしね。ただ、ある程度共通していることはあると思います。以下に、それを列挙します。



①立地

人気の宿は、やはり立地がいいです。しかし駅名の浸透度、有名さは、あまり重要ではないような気がします。そもそも、多くの外国人に名が知られている新宿や渋谷などに居を構えているところは、ほぼ皆無ですしね。

さすがに新宿まで1時間以上かかるような駅ではどうかと思いますが、それよりも重要なのは、最寄り駅からいかに近いか、です。人気の宿で、駅から5分以上かかるようなところは、ほとんどありません。


②価格

はっきり言いまして、人気の宿は、価格を安くは設定していません。かといって、極端に高くもないです。2500〜3500円くらいの間が多いです。それよりも、以前から僕が提言し続けている、“価格をコロコロと変えているかどうか”。これは人気宿ほど、“変えていない”という印象が強いです。まぁ、安定していて余裕があるわけですから、変える必要がないですしね。ドッシリと地に足が着いた、横綱相撲だということです。



③ベッドの質、スペース的余裕

ホステルのメインの役割は“旅人たちが寝る場所”ですから、ゲストが使う施設で最も重要なものはベッドである、というのに意義を唱える者はまずいないと思いますが、人気宿で“部屋にゲストを詰め込みまくり”のところは、全くありません。どこも、スペース的に余裕のあるベッド数で、質の高い、それなりに大きなベッドを用意しています。空間的な考えと、こだわりがあります。

極力小さいベッドを、ひたすら部屋中にギュウギュウに詰め込んだだけの、まるで難民キャンプのような状態になっている宿は、その時点で不人気になることが確定です。さらにそれがギシギシうるさいパイプベッドだったりした時には、残念すぎて目も当てられません。また、人気宿ではキッチンやリビング等のスペースも、広さに充分に余裕があります。キッチンがない、リビングが狭い、なんて宿ではかなり厳しいです。



上記の三点が、人気宿の共通項。宿の評価に直撃する、大きな分岐点です。この三つを高いレベルで備えている宿は、ほぼ間違いなく人気になると言えます。

そしてさらに、僕が個人的に重要だと考えることは、他にも二点あります。それは何かというと、



④マーケット分析力

僕に開業の相談に来る方々の多くは、失礼ながらもはっきり言いますが、ビジネスのことを全くわかっていません。完全にイメージ先行で、「ゲストハウスのオーナーになって、たくさんの旅人と交流して、世界の人々が交わるプラットホームのような・・・」と、何やら瞳をキラキラさせながら語ります。ほとんどの方が、ファンタジーのレベルでの、開業を夢見ています。

そういった方々には、僕は「それで、開業資金はいくらなんですか?」とあっさり聞きます。さらに、「都内に何軒のホステルがあるかご存知ですか?」や、「今後の業界の展望はどう考えますか?」等のシビアな質問を、たたみかけます。

この業界のこと、マーケットのことを全く研究せずに、勝ち残れるわけがないんですよ。中には、「自己資金はゼロだが、銀行から1千万借りるつもり」「稼働率の予想は、90%。私なら月の半分以上は、フルにできる」等といった、ファンタジーどころかもはや、呆れてしまうレベルのケースも少なからずあります。

この業界は、“ビジネスとしての計画が綿密でない者が参入したがる”という、その傾向が特に強いと感じます。素人でも簡単に儲かりそうなイメージなんですかねぇ?「オリンピックがやって来ますし!」との言葉を、これまでに何度聞いたことか・・・。

要はこのサバイバルレース、ビジネスセンスと分析力無しで、勢いだけで戦いを挑んでも、勝ち目は全くないということです。



⑤柔軟性

これは正直、僕もまだまだ足りていない要素だと思います。「ウチはこんな宿です!」という、個性やポリシーを持つことは大切ですが、それにアジャストしないゲストも、もちろんたくさん来ます。そんな彼らに対して、「ウチを選んだのが悪い」となっていいわけがない。どんなゲストでも、一定のレベル以上は楽しめ、心地よく過ごせる、そんな宿をオーナー&スタッフは作る必要があります。

「ホステルとは、こういうもの」というはっきりした定義は、実はないのです。皆が穏やかに過ごし、静かに慎ましく眠るところもあれば、皆でパーティーざんまい、朝まで飲んで毎日超エンジョイ、なところもあります。宿側は、その時その時の、ゲストの傾向に合わせればいいのです。穏やかなゲストが多い時には、穏やかな宿に。パーティータイプのゲストが多い時には、にぎやかに楽しめばいい。

「ウチはこんな宿です!」を宿側が押しつけるのは、ゲストたちからすれば、うっとおしいだけです。YAWP!は基本的にはにぎやかな宿なのは間違いないですが、穏やかな日も多分にあります。そして実は、ウチのリピーターさんのほとんどは、静かに過ごすタイプの方々です。




以上が、僕が重要だと考える、二点の要素です。そして今度は逆に「人気の差にはほとんど関係ない」要素を一点。これはホステルのオープンを夢見る方々が、勘違いしているケースが多いことなので、あえて書きます。



⑥スタッフの質、熱意

以前、僕がYAWP! の強みを研究した際にも書きましたが、日本の宿、東京都内の宿で、スタッフの質が悪いところなんて、はっきり言って皆無です。スタッフがフレンドリーでヘルプフル。これは、もはやマスト条件で、必ず備えなければいけない要素です。人気の宿も、そうでない宿も、すべての宿のスタッフが、ちゃんとしています。ちゃんとしなければ、あっという間に経営難に落ち入ります。

ましてや、熱意なんぞ。ホステル開業志望の方々は、「ホステル愛だけは誰にも負けない!」的なアピールをしてしまうタイプがとても多いのですが、そんなもの、武器になるわけがないんですよ。「私(私たち)は、最高に魅力的で素晴らしい宿を作る!」と、宿のオーナーならば誰しもが思っているに決まっているじゃないですか。それぞれが、「私だったらこんな宿に泊まりたい!」という理想のホステル像を持ち、それを目指してがんばっているに決まっているじゃないですか。

スタッフがフレンドリーでヘルプフル、そして熱意がある。それは当然のことだから、それを売りにしたって差別化にはならず、利益には全く繋がらないですよ、ということです。




以上!!


・・・というわけで、これらをまとめると、人気の宿というのは

最寄り駅から5分以内の好立地で、
価格を日によってコロコロ変えるようなこともなく、
ベッドルームのスペースに余裕がありベッドが広くて快適。
ちゃんとマーケット分析をしていて、
どんなゲストでも心地よく過ごせる柔軟性がある。

そんな宿だということです。



ウチはこれを全て揃えている!なんていう話では、もちろんないです(笑)。


綿密な分析をせず、熱意だけを武器にする方々は、“宿を経営してもOK!”な賃貸物件がめったに見つからないせいもあり、完全に不利な立地や条件でも、ついつい勢いで契約してしまいます。オペレーションの設計が厳しくても、ベッドを詰め込みまくったり、価格を高くしたり、高い稼働率を予想してみたりで、“どうにかビジネスが成立するように”、自分にとって都合の良いだけの、現実的でない数字をムリヤリ並べます。そして、それを補う理論武装が、「私には誰にも負けない熱意があるから、きっとうまく行く!」。

そんなんでうまく行くのなら、この業界、誰も苦しんでなんかいませんよ!



今回は、人気宿のオーナーの皆さんに対する、リスペクトの意も込めて書きました。YAWP! backpackersも、いつかは皆さんのような、人気宿の仲間入りをしたいものです。


柴又の花火大会!!




2016年7月18日月曜日

この業界は、今まさに下り坂!


梅雨が明けましたね。今年は暑くなるそうですねぇ。YAWP! backpackersでは、相変わらず2階のリビングルームにはエアコンがありません(サーキュレータが山ほどあります)が、3階のベッドルームはもう、「エアコン使いまくりでいいや」と開き直りましたので、ここのところはずっと、電源つけっぱなし状態です。


さてさてこのブログ、先月に全然更新しなかった分、今月はそれなりに書こうと思っているのですが、今回は久しぶりに、ホステル・ゲウトハウス業界、全体の近況、展望分析をしようと思います。



ここ最近のゲストハウス業界は、一言でいうと「下り坂」です。いっそのこと「氷河期」と書いてしまおうかと思いましたが、まだ底には達しておらず、今はその途中という感じなので、ここでは「下り坂」と表現させていただきます。


はっきり言いまして、昨年より稼働率が上がった、という宿は、都内には皆無だと思われます。たとえ上がったところがあったとしても、それは値段を下げまくった結果、というケースが多いでしょうし、少なくとも、昨年より利益が増した、というところはまずないはずです。

昨年11月の記事で僕は、2015年の都内新規オープン簡易宿数は20軒ほど、既存と合わせれば計70軒ほど、と書きました。そして今年の上半期は、僕の知る限りでは8軒の、新しい簡易宿がオープンしました。

というわけで、今年は最終的には15軒ほどがオープンすると予想します。それも含めての、ここ数年の都内にある簡易宿数の増加動向をまとめると、

〜2013年末まで   35軒
 2014年     +15軒
 2015年     +20軒
 2016年     +15軒
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2016年末予想  計85軒

となります(正確な数字ではなく、僕の調査歴を元にした、だいたいの数字です)。


つまり、2013年までは35軒しかなかったこのマーケットが、たった三年の間に、50軒も増えた(増えるであろう)状態だということです。しかも、この三年の間にできた宿の多くは、大企業がスポンサーにつき、ベッド数が100を越えるような、巨大なものばかり。カオサングループさんやケイズハウスさんのようなゲストハウスカンパニーが、過去に展開して来たような、小〜中規模ホステルは、実はそんなに増えていないのです。

要は、宿の軒数だけを見るとこの三年で2.5倍程度なのですが、ベッド数で言うと、おそらく4倍くらいには増えているのです。たったの三年で、マーケットの供給量が4倍に膨れ上がっているということなのです。


その一方で、需要の方はというと、

【訪日観光客数】 
2012年: 836万
2015年:1974万

と、たしかに、この三年で2倍以上に増えました(といっても、実は2014年に政府が統計方法を変えたことによる水増し分が含まれているため、2〜300万はフェイクなんですけどね)。しかし、ホステル・ゲストハウス業界のベッド数は、前述のように4倍に増えています。

2012年〜2013年の時点では、都内の簡易宿はまだまだ足らず、世界中のバックパッカーが「どこもフルで泊まれない!」と嘆いていました。僕も海外の友人たちから、「なんで東京ってあんなに泊まるところが少ないの?」と何度か言われました。

2014年〜2015年前半は、需要と供給のバランスは、それなりに合っていたと思います。海外から来るバックパッカーが、泊まる宿がなくて困るようなこともなく、宿としても、高い稼働率を維持できていた。双方にとって、とてもいい時代だった。


・・・しかし、昨年の後半頃からのこの業界は、もはや

明らかな供給過多状態です!!


需要の増加ペースをはるかに上回る勢いで、供給が増え過ぎているのです! 今や、よほどの人気宿でない限りは、ハイシーズンでもベッドが埋まらない日がたくさんあります。 とある、この業界に精通している方は、「この一年で、稼働率の平均は全体的に10〜20%落ちている」と分析しています。全くもって、その通りだと思います。


ズバリ言います! ヤバいです!! 今はこの業界のオーナーさん、マネージャーさんたちはみんなカツカツで、ギリギリの状態で宿を経営しています。


こんなことを書くと、「あぁ、アンタんとこも経営難か」と思われるかもしれません。実は僕は、昨年と単純比較で分析するために、ある実験を試みています。いろいろあって、予定が少々狂いましたが(笑)。

YAWP! は昨年の7月9日に、ブッキングサイト“Hostelworld”で、予約の受付が始まりました。そして今年は、6月半ばから一ヵ月の夏休みをいただいたのですが、実はその間はあらゆる予約をストップしていまして、昨年と同じ日、7月9日に予約受付を再スタートをしようと試みました(システム上の問題が発生し、結局7月12日に遅れちゃいました)。


その結果・・・

正確な数字ではなく、記憶を元に、なのですが、昨年は予約受付を開始した7月9日から15日までの一週間で、50件ほどの予約をいただきました。一方で今年は、予約受付を再開した12日から本日までの一週間で、およそ40件です。

50件から、40件へ。人数で言うと、およそー20人。泊数ならば、ー60泊。というわけで、昨年よりも、明らかに予約のペースが落ちました。というか、それは当たり前です。この一年で、僕にとっては競合宿が一気に増え、ゲストにとっては選択肢が一気に増えているのです。需要よりも供給が増えまくったのに、ウチの予約や利益が増える、そんな夢のような状況を生み出せるほど、僕は経営努力をしておりません(笑)。昨年からは、ウチは改善も改悪も特になく、広報・周知活動も全くしないままで、基本的には何も変わっておりません。


というわけで、「稼働率が業界全体で落ちている」を、実際にヒリヒリと感じている、今の僕はそんな状況なのです。



昨年11月頃のある日、僕がHostelworldでの他宿のレビュー&価格の調査をした(たまにやります)ところ、2000円以下に設定しているところが、いきなりたくさんあって驚きました。その一方で、年末年始には、5000円以上に設定しているところがたくさんあり、その極端な振れ幅に僕はなんだか、残念な気持ちになりました。


そして、この夏。もちろんハイシーズンなわけですが、改めて調べてみると、業界全体で価格は例年よりも抑え気味です。昨年までは、“ハイシーズンならばどこも売り切れなので、高く設定しても売れる”、売り手市場だったのが、この夏は“ハイシーズンでもベッドは余っているので、宿を選べる”、買い手市場になっている印象です。要は昨年までは、宿は

ローシーズンに儲からない分、ハイシーズンに高値で売って儲けを確保

できていたのが、今年は

ハイシーズンでも高値にすると売れない、

そんな八方ふさがりな状態だと思われるわけです。



今後もこの先2〜3年はおそらく、都内にホステル・ゲストハウスは増え続けます。すでに供給過多だというのに、さらに拍車がかかります。その結果、多くの宿がハイシーズンでも全く儲からず、経営破綻状態に陥り、ヘタしたら一年で黒字の月が一つもない、なんてこともありえます。もちろんそんな宿は、とにかくギリギリまでねばろうと、値下げをしまくります。日本は資本主義、市場経済なので、こういった競争と淘汰は、当然のことだとも言えますが。しかしこのままでは、業界全体が疲弊し、ほとんどが沈む可能性すらあります。


さらにはイギリスのEUからの独立が決定し、円が多く買われ、一気に円高傾向になりました。にもかかわらず物価は変わっていないので、これは訪日観光客にとっては大ダメージ。よって今後はこの業界、需要は増加どころか、減少する可能性すら大いにある。ヤバいですよ。本当にヤバい状況です。


大企業がスポンサーにつく会社経営の宿は、地力があるわけで、赤字でもしばらくはやり続けるでしょう。しかし地力のない、小さな宿、個人経営の宿は、今後はどんどん淘汰されて行くでしょう。ウチは持ちビルで、オペレーション設定には余裕がある(稼働が50%でもOK)ので、しばらくは大丈夫です。だから、一ヵ月の夏休みをとったりもできます。しかし、賃貸でやっていて、稼働が60〜70%ないと利益にならないようなところなんかは、今後はかなり厳しいのでは、と思われます。


「ゲストハウスを開きたい!」という夢を持っている人は、まずはこの現状を知るべきです。そして、事業計画を作る際には、稼働率予測はせいぜい60%にして、価格は2500円程度にして、それで利益が生まれるオペレーションを組めないようなら、諦めるべきです。たしかに2013年の時点では、都内の宿の稼働率は80%を越えるのが普通でした。2015年には、70%に予測設定しても実現の可能性が大いにありました(実際に、それぐらいの平均値でした)。しかし2017年は、うまく行っても、せいぜい60%です。利益の面で、このビジネスが上昇していたのは、すでに過去の話です。今は明らかに、下降中なのです。



「今、宿が不足している」なんてのは、もはや、ただの都市伝説。その行き過ぎた誤解により、業界全体が、今はとんでもないことになっています。苦しんでいる人が、たくさんいます。

おそらく、ここ数年の間にこの業界に参入した者の多くは、「こんなはずじゃなかった!」と、頭を抱えています。



「今は、宿不足」を全く疑わない、素直すぎる日本の大多数の方々。
「このビジネスは儲かるはずだ!」と勘違いし、流れを全く読めずに参入してしまう、愚かな大企業の方々。

この業界の、この現実を、はやく知って下さい!!


ざっくりとしたまとめ
需要<供給のペースがこのまま続くと、今後は最悪、こうなる




2016年7月15日金曜日

再開しています!!


お久しぶりです!


このブログ、なんと43日間も間隔を空けてしまいました! にもかかわらず、その間も相変わらずたくさんの方に覗いていただいていたことに、先ほど気付きました。どうもすみませんでした!!

間隔が空いたのは、もちろんサボっていたわけではなく、夏休みをとっていたからです(ある意味サボっていた、と言えなくもないですが)。6月13日〜7月12日まで、丸々一ヵ月、バッチリ充電させていただきました!


というわけで、休みの間に何をやっていたかの話を書こうと思いますが、その前にまずは、いつもの月初めのデータ公表です!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計947名)】

 ①アメリカ     159名(+5)
 オーストラリア  113 (+1)
 ③イギリス     101 (+6)
↑④日本        94 (+8)
↓⑤カナダ       90 
 ⑥ドイツ       41 (+1)
 ⑦台湾        38 
 ⑧ニュージーランド  28 
 ⑨フランス      23 
 ⑩インドネシア    22 


【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

【2015】
4月:22(81 :3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11(60 :5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)
6月:26(72 :2.77:60%(10)

計:947(3036:3.21:80%)
※稼働率のみ、直前一年間の平均


数字だけだと「売り上げガタ落ちでヤバいじゃん」に見えますが、これはもちろん夏休み前の、12日分のみの結果です。といっても、ウチが閉めずに一ヵ月間ずっとこの調子だったと仮定しても、×2.5で人数65、泊数180となり、これは今年の1月or2月よりも悪い数字です。

この6月は、他の宿も軒並み苦戦していると聞きましたし、ウチもまともに開いていたとしても、かなり厳しい月だったのではないかと思います。そういう意味では、「休んで正解だった!」とポジティブにも捉えられますが、「そろそろこの業界、本格的に厳しくなって来たなぁ」とも感じます。


なお、国籍ダービーでは久しぶりに日本人ゲストが一番多かったわけなのですが、これは6月5日に柴又でマラソンのイベントがあったことが要因ですね。その日以外は、外国人ゲストが多く滞在する、いつも通りの様子でした。



まぁ、上記は今回は深く分析したくなるようなことも特にないため、ここからは夏休みの話を書きます。



この一ヵ月、僕がやっていたことは主に、この三つ。

①ほぼ毎晩、サッカー(EURO2016)の試合を1〜3試合観戦
②ほぼ毎日、映画(DVD)を1本鑑賞
③週2〜3のペースで、歯医者

はいっ、モロにインドアです!! 上記の①と③を軸に予定を組んで、空いた日や時間に人と会うという、そんな生活リズムでした。

EURO2016は、ちょうど一ヵ月間、全部で51試合あるイベントでしたが、僕が観たのは40試合ほど。しかし、日本時間では深夜の4時に開始のものが多く、疲れているとついウトウトしちゃうので、好カードのある日はどこにも行かず、そのためにわざわざ体力を温存し。そんな「我ながらよぅやるわ」な毎日でした。

映画は、昨年末頃に公開されていた作品たちがちょうどレンタル開始されたタイミングだったのもあり、全部で25本くらい観ました。しかし、皆さんにオススメしたくなるほどにガツンと来るものは、一本もなかったです・・・。

歯医者は、当初は「いいかげんに親知らずを抜かなきゃ」という意向で突撃したのですが、検査の結果、他にもいろいろと問題があることが発覚し。なんせ、12年ぶりくらいでしたからねぇ。なので、夏休み中に治せるだけ治してしまおう、となり、週2〜3で通うことになったのです。

ちなみに僕が通う歯医者さんは、近所ではないです。ネットで「親知らず 名医」とかで探して見つけたところでして、自転車で30分以上かかります。要は往復で1時間の運動も兼ねていたわけですが、正直、ちょっぴり後悔しています。行くのが面倒だ・・・。


この三つの軸以外は、友人と飲んだり麻雀したりカラオケしたりしていました。特に意味もなく、有意義に過ごそうという気もなく、ただ、気の向くままにテキトウに遊んでいました。休み後半は、参議院選挙に燃えました。やはり、東京選挙区は面白いですねぇ。ヒトクセのある候補者ばかりで。残念ながら、僕が応援していた候補者は落選してしまいましたが、しかし僕がここまで能動的に本気で選挙に向き合ったことは初めてだった(投票には、必ず行っています)ので、すごく楽しかったです。


あとは、せっかくなのでこの機会にと、泊まってみたいと思っていた宿にいくつか伺う予定だったのですが、結局それは、一軒だけでやめてしまいました。そちら以外の、泊まろうと思っていた宿のオーナーさんとは、ウチで開催したゲストハウス業界人飲み会で、お会いすることができまして。まぁ、次の休み期間中にでもまた、オジャマしようと思います。業界人飲み会については、正直、内容的に書きづらいネタが多いので、すみませんがここでは割愛します・・。


というわけで、特におもしろエピソードのない、地味な“一ヵ月、こんなことやってましたよ!”報告になってしまいました。何か書くことがないかと、記憶を辿ったんですけどねぇ。う〜ん、特に無しっっ!! 


ただ、この期間中、以前ウチに泊まってくれた再来日中のゲストが計2名、わざわざ僕に会いに、高砂まで来てくれました。僕が宿を閉めていることも、ウチに泊まれないこともわかった上で、です。もちろん、一緒に飲みました。


一ヵ月間、特に抑揚のない、ノンビリとリラックスな毎日の中、一番嬉し&楽しかったのは、やはりコレですね。


あ、ちなみに、スタッフはまだまだ募集していますよ!
誰か、手伝ってオクレ〜!!



鬼太郎を100面までクリアしたりした!