2016年7月29日金曜日

流行るゲストハウスって、どんなの?


前回、冒頭に「梅雨が明けましたね」と書きましたが、まだ明けていなかったようですね・・・(どうもすみません)。東海地方が18日に明けて、それから10日も経って関東が明けるって、どういうこっちゃねん。



さてさて、その前回の投稿、内容がエゲツなかったせいか、それなりに反響がありました。その後のウチの予約状況はというと、12〜29日(本日)の18日間のトータルで、およそ75件。昨年と比較して、やはり15%ほどのダウンが続いています。


特に先週、19〜25日の一週間は毎日ゲストが3〜7人ほどと、ハイシーズンの7月にはあるまじき状況で、ちょっとヘコミました。まぁ、予約を受け付けたのが12日からですからねぇ。来日の直前に、あわてて宿を探すようなゲストは、そんなにいなかったということなのでしょう。今週に入ってからはフルが続いているので、経営的に問題はないのですが。



さてさて、今回は、前回の続きというわけではないのですが、“ついにサバイバルレースが始まった!”という話から付随する、“では、どんな宿が生き残るのだろうか?”の話を書こうと思います。



ウチに開業の相談に来る方に、僕がよく出す例え話なのですが、この業界は、シャンパンタワーのような構造になっています。一番テッペンに、超人気宿がある(5軒ほど)。そこは、基本的に一年中、常にフル。その下に、人気宿がある(10軒ほど)。こちらはハイシーズンは常にフル、ローシーズンでも7〜80%をキープ。その下に、経営的にはギリでやっていけているくらいの普通の宿があり(20軒ほど)、その下に、ゲストがあまり入らず苦しんでいる宿がある(40軒ほど)。都内に今ある80軒弱の宿を、イメージ先行&ムリヤリにタワーっぽくまとめてみると、そんな4段階なイメージです。


ゲストは、タワーの上段の宿が空いていれば、ほぼ間違いなくそこを選びます。超人気宿がフル→人気宿がフル→普通宿がフル→で、ここまで来て、やっと4段目の宿が選択肢に入ります。下段にいればいるほど、シャンパン(ゲスト)はなかなか降りてきません。ハイシーズンにはシャンパンの量も多いため、ある程度は行き渡りますが、ローシーズンにはへたしたら、3段目すら空になってしまいます。ウチがどこの段にいるのかは、何とも言えないところですけどね。いちおうそれなりに利益は出ているので、2段目〜3段目の間くらいでしょうか。



根拠となるデータの開示が無い上での話で申しわけないのですが、経営的に余裕があり、きっちりと安定した利益を出せているところは、おそらく80軒中、15軒くらいしかないんですよ。ほとんどは、ギリギリor経営難です。ヤバいです。そしてその15軒の内の、大半は業界大手。カオサングループ系列、K'sハウス系列、バックパッカーズジャパン系列、のどれかです。それら以外で、「あそこはすごく流行っているなぁ〜」と言えそうな宿は、僕の思いつく限りでは、都内には5軒くらいしかありません(あえて名前は書きませんが)


その15軒、特に大手系列のところ以外の5軒の、一軒一軒で何が優れ、何がゲストを惹き付けているのかの分析を、僕はするつもりはないです。そんなの、おこがましいですしね。ただ、ある程度共通していることはあると思います。以下に、それを列挙します。



①立地

人気の宿は、やはり立地がいいです。しかし駅名の浸透度、有名さは、あまり重要ではないような気がします。そもそも、多くの外国人に名が知られている新宿や渋谷などに居を構えているところは、ほぼ皆無ですしね。

さすがに新宿まで1時間以上かかるような駅ではどうかと思いますが、それよりも重要なのは、最寄り駅からいかに近いか、です。人気の宿で、駅から5分以上かかるようなところは、ほとんどありません。


②価格

はっきり言いまして、人気の宿は、価格を安くは設定していません。かといって、極端に高くもないです。2500〜3500円くらいの間が多いです。それよりも、以前から僕が提言し続けている、“価格をコロコロと変えているかどうか”。これは人気宿ほど、“変えていない”という印象が強いです。まぁ、安定していて余裕があるわけですから、変える必要がないですしね。ドッシリと地に足が着いた、横綱相撲だということです。



③ベッドの質、スペース的余裕

ホステルのメインの役割は“旅人たちが寝る場所”ですから、ゲストが使う施設で最も重要なものはベッドである、というのに意義を唱える者はまずいないと思いますが、人気宿で“部屋にゲストを詰め込みまくり”のところは、全くありません。どこも、スペース的に余裕のあるベッド数で、質の高い、それなりに大きなベッドを用意しています。空間的な考えと、こだわりがあります。

極力小さいベッドを、ひたすら部屋中にギュウギュウに詰め込んだだけの、まるで難民キャンプのような状態になっている宿は、その時点で不人気になることが確定です。さらにそれがギシギシうるさいパイプベッドだったりした時には、残念すぎて目も当てられません。また、人気宿ではキッチンやリビング等のスペースも、広さに充分に余裕があります。キッチンがない、リビングが狭い、なんて宿ではかなり厳しいです。



上記の三点が、人気宿の共通項。宿の評価に直撃する、大きな分岐点です。この三つを高いレベルで備えている宿は、ほぼ間違いなく人気になると言えます。

そしてさらに、僕が個人的に重要だと考えることは、他にも二点あります。それは何かというと、



④マーケット分析力

僕に開業の相談に来る方々の多くは、失礼ながらもはっきり言いますが、ビジネスのことを全くわかっていません。完全にイメージ先行で、「ゲストハウスのオーナーになって、たくさんの旅人と交流して、世界の人々が交わるプラットホームのような・・・」と、何やら瞳をキラキラさせながら語ります。ほとんどの方が、ファンタジーのレベルでの、開業を夢見ています。

そういった方々には、僕は「それで、開業資金はいくらなんですか?」とあっさり聞きます。さらに、「都内に何軒のホステルがあるかご存知ですか?」や、「今後の業界の展望はどう考えますか?」等のシビアな質問を、たたみかけます。

この業界のこと、マーケットのことを全く研究せずに、勝ち残れるわけがないんですよ。中には、「自己資金はゼロだが、銀行から1千万借りるつもり」「稼働率の予想は、90%。私なら月の半分以上は、フルにできる」等といった、ファンタジーどころかもはや、呆れてしまうレベルのケースも少なからずあります。

この業界は、“ビジネスとしての計画が綿密でない者が参入したがる”という、その傾向が特に強いと感じます。素人でも簡単に儲かりそうなイメージなんですかねぇ?「オリンピックがやって来ますし!」との言葉を、これまでに何度聞いたことか・・・。

要はこのサバイバルレース、ビジネスセンスと分析力無しで、勢いだけで戦いを挑んでも、勝ち目は全くないということです。



⑤柔軟性

これは正直、僕もまだまだ足りていない要素だと思います。「ウチはこんな宿です!」という、個性やポリシーを持つことは大切ですが、それにアジャストしないゲストも、もちろんたくさん来ます。そんな彼らに対して、「ウチを選んだのが悪い」となっていいわけがない。どんなゲストでも、一定のレベル以上は楽しめ、心地よく過ごせる、そんな宿をオーナー&スタッフは作る必要があります。

「ホステルとは、こういうもの」というはっきりした定義は、実はないのです。皆が穏やかに過ごし、静かに慎ましく眠るところもあれば、皆でパーティーざんまい、朝まで飲んで毎日超エンジョイ、なところもあります。宿側は、その時その時の、ゲストの傾向に合わせればいいのです。穏やかなゲストが多い時には、穏やかな宿に。パーティータイプのゲストが多い時には、にぎやかに楽しめばいい。

「ウチはこんな宿です!」を宿側が押しつけるのは、ゲストたちからすれば、うっとおしいだけです。YAWP!は基本的にはにぎやかな宿なのは間違いないですが、穏やかな日も多分にあります。そして実は、ウチのリピーターさんのほとんどは、静かに過ごすタイプの方々です。




以上が、僕が重要だと考える、二点の要素です。そして今度は逆に「人気の差にはほとんど関係ない」要素を一点。これはホステルのオープンを夢見る方々が、勘違いしているケースが多いことなので、あえて書きます。



⑥スタッフの質、熱意

以前、僕がYAWP! の強みを研究した際にも書きましたが、日本の宿、東京都内の宿で、スタッフの質が悪いところなんて、はっきり言って皆無です。スタッフがフレンドリーでヘルプフル。これは、もはやマスト条件で、必ず備えなければいけない要素です。人気の宿も、そうでない宿も、すべての宿のスタッフが、ちゃんとしています。ちゃんとしなければ、あっという間に経営難に落ち入ります。

ましてや、熱意なんぞ。ホステル開業志望の方々は、「ホステル愛だけは誰にも負けない!」的なアピールをしてしまうタイプがとても多いのですが、そんなもの、武器になるわけがないんですよ。「私(私たち)は、最高に魅力的で素晴らしい宿を作る!」と、宿のオーナーならば誰しもが思っているに決まっているじゃないですか。それぞれが、「私だったらこんな宿に泊まりたい!」という理想のホステル像を持ち、それを目指してがんばっているに決まっているじゃないですか。

スタッフがフレンドリーでヘルプフル、そして熱意がある。それは当然のことだから、それを売りにしたって差別化にはならず、利益には全く繋がらないですよ、ということです。




以上!!


・・・というわけで、これらをまとめると、人気の宿というのは

最寄り駅から5分以内の好立地で、
価格を日によってコロコロ変えるようなこともなく、
ベッドルームのスペースに余裕がありベッドが広くて快適。
ちゃんとマーケット分析をしていて、
どんなゲストでも心地よく過ごせる柔軟性がある。

そんな宿だということです。



ウチはこれを全て揃えている!なんていう話では、もちろんないです(笑)。


綿密な分析をせず、熱意だけを武器にする方々は、“宿を経営してもOK!”な賃貸物件がめったに見つからないせいもあり、完全に不利な立地や条件でも、ついつい勢いで契約してしまいます。オペレーションの設計が厳しくても、ベッドを詰め込みまくったり、価格を高くしたり、高い稼働率を予想してみたりで、“どうにかビジネスが成立するように”、自分にとって都合の良いだけの、現実的でない数字をムリヤリ並べます。そして、それを補う理論武装が、「私には誰にも負けない熱意があるから、きっとうまく行く!」。

そんなんでうまく行くのなら、この業界、誰も苦しんでなんかいませんよ!



今回は、人気宿のオーナーの皆さんに対する、リスペクトの意も込めて書きました。YAWP! backpackersも、いつかは皆さんのような、人気宿の仲間入りをしたいものです。


柴又の花火大会!!




2016年7月18日月曜日

この業界は、今まさに下り坂!


梅雨が明けましたね。今年は暑くなるそうですねぇ。YAWP! backpackersでは、相変わらず2階のリビングルームにはエアコンがありません(サーキュレータが山ほどあります)が、3階のベッドルームはもう、「エアコン使いまくりでいいや」と開き直りましたので、ここのところはずっと、電源つけっぱなし状態です。


さてさてこのブログ、先月に全然更新しなかった分、今月はそれなりに書こうと思っているのですが、今回は久しぶりに、ホステル・ゲウトハウス業界、全体の近況、展望分析をしようと思います。



ここ最近のゲストハウス業界は、一言でいうと「下り坂」です。いっそのこと「氷河期」と書いてしまおうかと思いましたが、まだ底には達しておらず、今はその途中という感じなので、ここでは「下り坂」と表現させていただきます。


はっきり言いまして、昨年より稼働率が上がった、という宿は、都内には皆無だと思われます。たとえ上がったところがあったとしても、それは値段を下げまくった結果、というケースが多いでしょうし、少なくとも、昨年より利益が増した、というところはまずないはずです。

昨年11月の記事で僕は、2015年の都内新規オープン簡易宿数は20軒ほど、既存と合わせれば計70軒ほど、と書きました。そして今年の上半期は、僕の知る限りでは8軒の、新しい簡易宿がオープンしました。

というわけで、今年は最終的には15軒ほどがオープンすると予想します。それも含めての、ここ数年の都内にある簡易宿数の増加動向をまとめると、

〜2013年末まで   35軒
 2014年     +15軒
 2015年     +20軒
 2016年     +15軒
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2016年末予想  計85軒

となります(正確な数字ではなく、僕の調査歴を元にした、だいたいの数字です)。


つまり、2013年までは35軒しかなかったこのマーケットが、たった三年の間に、50軒も増えた(増えるであろう)状態だということです。しかも、この三年の間にできた宿の多くは、大企業がスポンサーにつき、ベッド数が100を越えるような、巨大なものばかり。カオサングループさんやケイズハウスさんのようなゲストハウスカンパニーが、過去に展開して来たような、小〜中規模ホステルは、実はそんなに増えていないのです。

要は、宿の軒数だけを見るとこの三年で2.5倍程度なのですが、ベッド数で言うと、おそらく4倍くらいには増えているのです。たったの三年で、マーケットの供給量が4倍に膨れ上がっているということなのです。


その一方で、需要の方はというと、

【訪日観光客数】 
2012年: 836万
2015年:1974万

と、たしかに、この三年で2倍以上に増えました(といっても、実は2014年に政府が統計方法を変えたことによる水増し分が含まれているため、2〜300万はフェイクなんですけどね)。しかし、ホステル・ゲストハウス業界のベッド数は、前述のように4倍に増えています。

2012年〜2013年の時点では、都内の簡易宿はまだまだ足らず、世界中のバックパッカーが「どこもフルで泊まれない!」と嘆いていました。僕も海外の友人たちから、「なんで東京ってあんなに泊まるところが少ないの?」と何度か言われました。

2014年〜2015年前半は、需要と供給のバランスは、それなりに合っていたと思います。海外から来るバックパッカーが、泊まる宿がなくて困るようなこともなく、宿としても、高い稼働率を維持できていた。双方にとって、とてもいい時代だった。


・・・しかし、昨年の後半頃からのこの業界は、もはや

明らかな供給過多状態です!!


需要の増加ペースをはるかに上回る勢いで、供給が増え過ぎているのです! 今や、よほどの人気宿でない限りは、ハイシーズンでもベッドが埋まらない日がたくさんあります。 とある、この業界に精通している方は、「この一年で、稼働率の平均は全体的に10〜20%落ちている」と分析しています。全くもって、その通りだと思います。


ズバリ言います! ヤバいです!! 今はこの業界のオーナーさん、マネージャーさんたちはみんなカツカツで、ギリギリの状態で宿を経営しています。


こんなことを書くと、「あぁ、アンタんとこも経営難か」と思われるかもしれません。実は僕は、昨年と単純比較で分析するために、ある実験を試みています。いろいろあって、予定が少々狂いましたが(笑)。

YAWP! は昨年の7月9日に、ブッキングサイト“Hostelworld”で、予約の受付が始まりました。そして今年は、6月半ばから一ヵ月の夏休みをいただいたのですが、実はその間はあらゆる予約をストップしていまして、昨年と同じ日、7月9日に予約受付を再スタートをしようと試みました(システム上の問題が発生し、結局7月12日に遅れちゃいました)。


その結果・・・

正確な数字ではなく、記憶を元に、なのですが、昨年は予約受付を開始した7月9日から15日までの一週間で、50件ほどの予約をいただきました。一方で今年は、予約受付を再開した12日から本日までの一週間で、およそ40件です。

50件から、40件へ。人数で言うと、およそー20人。泊数ならば、ー60泊。というわけで、昨年よりも、明らかに予約のペースが落ちました。というか、それは当たり前です。この一年で、僕にとっては競合宿が一気に増え、ゲストにとっては選択肢が一気に増えているのです。需要よりも供給が増えまくったのに、ウチの予約や利益が増える、そんな夢のような状況を生み出せるほど、僕は経営努力をしておりません(笑)。昨年からは、ウチは改善も改悪も特になく、広報・周知活動も全くしないままで、基本的には何も変わっておりません。


というわけで、「稼働率が業界全体で落ちている」を、実際にヒリヒリと感じている、今の僕はそんな状況なのです。



昨年11月頃のある日、僕がHostelworldでの他宿のレビュー&価格の調査をした(たまにやります)ところ、2000円以下に設定しているところが、いきなりたくさんあって驚きました。その一方で、年末年始には、5000円以上に設定しているところがたくさんあり、その極端な振れ幅に僕はなんだか、残念な気持ちになりました。


そして、この夏。もちろんハイシーズンなわけですが、改めて調べてみると、業界全体で価格は例年よりも抑え気味です。昨年までは、“ハイシーズンならばどこも売り切れなので、高く設定しても売れる”、売り手市場だったのが、この夏は“ハイシーズンでもベッドは余っているので、宿を選べる”、買い手市場になっている印象です。要は昨年までは、宿は

ローシーズンに儲からない分、ハイシーズンに高値で売って儲けを確保

できていたのが、今年は

ハイシーズンでも高値にすると売れない、

そんな八方ふさがりな状態だと思われるわけです。



今後もこの先2〜3年はおそらく、都内にホステル・ゲストハウスは増え続けます。すでに供給過多だというのに、さらに拍車がかかります。その結果、多くの宿がハイシーズンでも全く儲からず、経営破綻状態に陥り、ヘタしたら一年で黒字の月が一つもない、なんてこともありえます。もちろんそんな宿は、とにかくギリギリまでねばろうと、値下げをしまくります。日本は資本主義、市場経済なので、こういった競争と淘汰は、当然のことだとも言えますが。しかしこのままでは、業界全体が疲弊し、ほとんどが沈む可能性すらあります。


さらにはイギリスのEUからの独立が決定し、円が多く買われ、一気に円高傾向になりました。にもかかわらず物価は変わっていないので、これは訪日観光客にとっては大ダメージ。よって今後はこの業界、需要は増加どころか、減少する可能性すら大いにある。ヤバいですよ。本当にヤバい状況です。


大企業がスポンサーにつく会社経営の宿は、地力があるわけで、赤字でもしばらくはやり続けるでしょう。しかし地力のない、小さな宿、個人経営の宿は、今後はどんどん淘汰されて行くでしょう。ウチは持ちビルで、オペレーション設定には余裕がある(稼働が50%でもOK)ので、しばらくは大丈夫です。だから、一ヵ月の夏休みをとったりもできます。しかし、賃貸でやっていて、稼働が60〜70%ないと利益にならないようなところなんかは、今後はかなり厳しいのでは、と思われます。


「ゲストハウスを開きたい!」という夢を持っている人は、まずはこの現状を知るべきです。そして、事業計画を作る際には、稼働率予測はせいぜい60%にして、価格は2500円程度にして、それで利益が生まれるオペレーションを組めないようなら、諦めるべきです。たしかに2013年の時点では、都内の宿の稼働率は80%を越えるのが普通でした。2015年には、70%に予測設定しても実現の可能性が大いにありました(実際に、それぐらいの平均値でした)。しかし2017年は、うまく行っても、せいぜい60%です。利益の面で、このビジネスが上昇していたのは、すでに過去の話です。今は明らかに、下降中なのです。



「今、宿が不足している」なんてのは、もはや、ただの都市伝説。その行き過ぎた誤解により、業界全体が、今はとんでもないことになっています。苦しんでいる人が、たくさんいます。

おそらく、ここ数年の間にこの業界に参入した者の多くは、「こんなはずじゃなかった!」と、頭を抱えています。



「今は、宿不足」を全く疑わない、素直すぎる日本の大多数の方々。
「このビジネスは儲かるはずだ!」と勘違いし、流れを全く読めずに参入してしまう、愚かな大企業の方々。

この業界の、この現実を、はやく知って下さい!!


ざっくりとしたまとめ
需要<供給のペースがこのまま続くと、今後は最悪、こうなる




2016年7月15日金曜日

再開しています!!


お久しぶりです!


このブログ、なんと43日間も間隔を空けてしまいました! にもかかわらず、その間も相変わらずたくさんの方に覗いていただいていたことに、先ほど気付きました。どうもすみませんでした!!

間隔が空いたのは、もちろんサボっていたわけではなく、夏休みをとっていたからです(ある意味サボっていた、と言えなくもないですが)。6月13日〜7月12日まで、丸々一ヵ月、バッチリ充電させていただきました!


というわけで、休みの間に何をやっていたかの話を書こうと思いますが、その前にまずは、いつもの月初めのデータ公表です!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計947名)】

 ①アメリカ     159名(+5)
 オーストラリア  113 (+1)
 ③イギリス     101 (+6)
↑④日本        94 (+8)
↓⑤カナダ       90 
 ⑥ドイツ       41 (+1)
 ⑦台湾        38 
 ⑧ニュージーランド  28 
 ⑨フランス      23 
 ⑩インドネシア    22 


【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

【2015】
4月:22(81 :3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11(60 :5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)
6月:26(72 :2.77:60%(10)

計:947(3036:3.21:80%)
※稼働率のみ、直前一年間の平均


数字だけだと「売り上げガタ落ちでヤバいじゃん」に見えますが、これはもちろん夏休み前の、12日分のみの結果です。といっても、ウチが閉めずに一ヵ月間ずっとこの調子だったと仮定しても、×2.5で人数65、泊数180となり、これは今年の1月or2月よりも悪い数字です。

この6月は、他の宿も軒並み苦戦していると聞きましたし、ウチもまともに開いていたとしても、かなり厳しい月だったのではないかと思います。そういう意味では、「休んで正解だった!」とポジティブにも捉えられますが、「そろそろこの業界、本格的に厳しくなって来たなぁ」とも感じます。


なお、国籍ダービーでは久しぶりに日本人ゲストが一番多かったわけなのですが、これは6月5日に柴又でマラソンのイベントがあったことが要因ですね。その日以外は、外国人ゲストが多く滞在する、いつも通りの様子でした。



まぁ、上記は今回は深く分析したくなるようなことも特にないため、ここからは夏休みの話を書きます。



この一ヵ月、僕がやっていたことは主に、この三つ。

①ほぼ毎晩、サッカー(EURO2016)の試合を1〜3試合観戦
②ほぼ毎日、映画(DVD)を1本鑑賞
③週2〜3のペースで、歯医者

はいっ、モロにインドアです!! 上記の①と③を軸に予定を組んで、空いた日や時間に人と会うという、そんな生活リズムでした。

EURO2016は、ちょうど一ヵ月間、全部で51試合あるイベントでしたが、僕が観たのは40試合ほど。しかし、日本時間では深夜の4時に開始のものが多く、疲れているとついウトウトしちゃうので、好カードのある日はどこにも行かず、そのためにわざわざ体力を温存し。そんな「我ながらよぅやるわ」な毎日でした。

映画は、昨年末頃に公開されていた作品たちがちょうどレンタル開始されたタイミングだったのもあり、全部で25本くらい観ました。しかし、皆さんにオススメしたくなるほどにガツンと来るものは、一本もなかったです・・・。

歯医者は、当初は「いいかげんに親知らずを抜かなきゃ」という意向で突撃したのですが、検査の結果、他にもいろいろと問題があることが発覚し。なんせ、12年ぶりくらいでしたからねぇ。なので、夏休み中に治せるだけ治してしまおう、となり、週2〜3で通うことになったのです。

ちなみに僕が通う歯医者さんは、近所ではないです。ネットで「親知らず 名医」とかで探して見つけたところでして、自転車で30分以上かかります。要は往復で1時間の運動も兼ねていたわけですが、正直、ちょっぴり後悔しています。行くのが面倒だ・・・。


この三つの軸以外は、友人と飲んだり麻雀したりカラオケしたりしていました。特に意味もなく、有意義に過ごそうという気もなく、ただ、気の向くままにテキトウに遊んでいました。休み後半は、参議院選挙に燃えました。やはり、東京選挙区は面白いですねぇ。ヒトクセのある候補者ばかりで。残念ながら、僕が応援していた候補者は落選してしまいましたが、しかし僕がここまで能動的に本気で選挙に向き合ったことは初めてだった(投票には、必ず行っています)ので、すごく楽しかったです。


あとは、せっかくなのでこの機会にと、泊まってみたいと思っていた宿にいくつか伺う予定だったのですが、結局それは、一軒だけでやめてしまいました。そちら以外の、泊まろうと思っていた宿のオーナーさんとは、ウチで開催したゲストハウス業界人飲み会で、お会いすることができまして。まぁ、次の休み期間中にでもまた、オジャマしようと思います。業界人飲み会については、正直、内容的に書きづらいネタが多いので、すみませんがここでは割愛します・・。


というわけで、特におもしろエピソードのない、地味な“一ヵ月、こんなことやってましたよ!”報告になってしまいました。何か書くことがないかと、記憶を辿ったんですけどねぇ。う〜ん、特に無しっっ!! 


ただ、この期間中、以前ウチに泊まってくれた再来日中のゲストが計2名、わざわざ僕に会いに、高砂まで来てくれました。僕が宿を閉めていることも、ウチに泊まれないこともわかった上で、です。もちろん、一緒に飲みました。


一ヵ月間、特に抑揚のない、ノンビリとリラックスな毎日の中、一番嬉し&楽しかったのは、やはりコレですね。


あ、ちなみに、スタッフはまだまだ募集していますよ!
誰か、手伝ってオクレ〜!!



鬼太郎を100面までクリアしたりした!




2016年6月2日木曜日

ついに、スタッフを募集します!!


6月っ!! というわけで早速、いつものデータ公表です!!!


【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計921名)】

 ①アメリカ     154名(+28)
 オーストラリア  112 (+11)
 ③イギリス      95 (+7)
↑④カナダ       90 (+17)
↓⑤日本        86 (+9)
↑⑥ドイツ       40 (+3)
↓⑦台湾        38 (+1
 ⑧ニュージーランド  28 (+1
↑⑨フランス      23 (+3
↓⑩インドネシア    22 (±0


【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

【2015】
4月:22(81 :3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11(60 :5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)

計:921(2964:3.22:77%)
※稼働率のみ、直前一年間の平均



あらビックリ、5月は数えてみたら新規ゲスト数が初の100の大台に乗っていました。それも、ジャストの100。そしてご覧のように、アメリカ人新規ゲストが28人と、メチャメチャ多かったです。なんせ3人以上のアメリカ人グループが、5組もありましたからねぇ。

この一ヵ月は、1or2泊の、短期滞在のゲストがすごく多かったです。特に、“グループで1泊”というケースが多かった! そりゃあ、滞在日数平均も久しぶりに3を切りますわな。一日の内に、チェックイン人数が10を越えていた、ハチャメチャの日も二日ほどあり。

総じて、とにかく忙しかったです。「ラスト一週間の予約はサッパリです〜」と前回ここで書きましたが、結局それも、そこそこは埋まりましたしね。


しかし国籍ダービー、ついに日本がカナダに抜かれ、5位にまで落ちてしまいました。元々は、断トツのトップでスタートしたんですけどねぇ・・。6位のドイツまでは大きく離れているので、今後は日本はこのまま、先頭集団の一番後ろを走ることになりそうです。

ちなみに、わかりにくいと思うので書きますが、4月よりも5月の方が総泊数が多いのに稼働率が低くなっているのは、営業日数が異なるからです。4月は27日間(休3日)で、5月は29日間(休2日)。まぁ、利益はそのまま総泊数に比例しますので、稼働率は下がっても、ブッチャケ4月より5月の方が儲かっています。

さらにちなみに、先月のアタマの記事で書いた「ノーショウが多過ぎるよ!」の問題は、5月は一転して、ほとんどありませんでした。覚えている限りでは、2件だけです。先月の15件は、特別に多過ぎただけかもしれませんね。インドネシア人ゲストが今月はゼロでしたので、その辺りの影響もあるのかもです。ホント、先月の“いきなりインドネシアからの予約が殺到、しかし半分は来なかったぜ〜”、あれはいったい何だったんでしょうね・・・。



・・・と長くなりましたので、分析はこの位で。今回はズバリ言ってしまえば、業務連絡です(すみません)。




① 夏休みをとります。


YAWP! backpackers は以前から宣言していた通り、今月は長期の夏休みをとらせていただきます。期間は、

6月13日(月)〜6月30日(木)

は確定で、さらに7月は1日〜8日のどこかで、気の向くままテキトウな日に、再オープンいたします。


休むと宣言してから、「なんで休むの?」と聞かれることがけっこうあるのですが、一番の理由は、

“そんなにがんばって働く気がないから”

ですね(笑)。別に特別、体力的に疲れているわけではないのですが。ただ休みたいから休む、といった感じです。これまで、多くの外国人ゲストから「日本人って働きすぎ!」と言われ、僕も「おぅ、その通りや!」といつも返しておりましたので、その通りに僕は、働きすぎないことにしようと思います。

「どこかに旅に出るの?」ともよく聞かれますが、今回はどこにも行きません。基本は毎日、家でダラダラします。毎晩、サッカーのEURO2016を観ます。今まで観たかったけど観れずにいた、映画たちを観まくります。親知らずを抜きに、歯医者に行きます。三日に一度くらいは、友人と飲んだりカラオケしたり麻雀したりします。それだけです。

実は、来年2月にも冬休みをとることを、すでに決めておりまして。そこでは、しばらく海外へバックパッカー旅をする予定です。

今後も、2018年のサッカーワールドカップの期間は、お休みします。年に一度は、海外へ旅に出ます。2020年に至っては、EUROの期間中も東京オリンピックの期間中も、おそらく休みます(笑)。すべて“そのつもり”の話ですが、まぁ、それくらいにユルくのんびり、マイペースにやっていこうと考えているということです。1年の12ヵ月をみっちり働いて10年で辞めるのと、毎年2ヵ月は休んで10ヵ月だけ働いて12年続けるのとでは、結局一緒じゃないですか。ムチャクチャな理屈ですが(笑)




② 夏期限定ヘルパーを募集します。


これまで、YAWP! backpackersは固定のヘルパースタッフを持たず、基本はオーナーのタクロウ(僕)のみで運営してきましたが、ちょっと試しにスタイルを変えてみようかなと思いまして。“試しに”なので、ひとまずはこの夏限定です。

以下、昨日facebookに載せた募集の文を、そのままコピペ(↓↓↓)します。手抜きですみません。



【夏期限定 ヘルパーの募集】
この度、YAWP! backpackersでは、7月〜9月の繁忙期にお仕事を手伝っていただける、粋でいなせなヘルパーさんを大募集します。
期間:
2016年7月16日〜9月15日
その内、前期(7月16日〜8月15日)一ヵ月
または、後期(8月16日〜9月15日)一ヵ月
もしくは、その両方
採用人数:
前期・後期、共に各1名
もしくは、通しで1名
採用条件:
年齢は18歳(大学生以上)〜35歳くらいまで。日本人。
コミュニケーションレベルでの英語を話せる方。受け身ではなく能動的に、外国人バックパッカーたちと交流できる方。
決定時期:
6月末頃を予定しています。
労働環境:
フリーアコモデーション (ベッドを1床提供するかわりに、労働の対価は発生しない)システムです。お仕事は基本的には、“お留守番”です。それ以外の、ゲストのチェックイン対応や、掃除の手伝いを依頼する際には、その内容に沿った対価をお支払いします。また、予定期間を無事に完遂していただいた方には、期間に応じた心ばかりの謝礼を、お渡しいたします。
メッセージ:
英会話力を身につけたい方、将来ゲストハウスを開業したいと考えている方、もちろん大歓迎です。また、ベッドを1床無料提供いたしますので、東京都外の地方の方も歓迎しております。13時〜23時は全日、自由時間ですので、その間に街に出て遊び、宿に帰り、寝る前と起きた後に少し働く、そんなリズムでの東京滞在が可能になります。
応募の方法:
facebookのメッセージ機能か、当ホステルのメールアドレス(info@yawp.tokyo)宛に、「興味がある」旨をご連絡ください。その後、返信メッセージにて、より具体的な労働条件等をお伝えいたします。
YAWP! backpackersは、ベッド数は15と、東京では最も小さな部類に入る宿ですが、ゲストとスタッフ、ゲスト同士の距離の近さ、元気のよさは、どこにも負けていないと自負しております。
皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。


↑↑↑
以上、コピペでした!!


しかしこの時期は、いろんなホステル&ゲストハウスがスタッフを募集していますからねぇ〜。その中から、僕みたいなオッサンがオーナーの宿を選ぶ人は、なかなかいないかもなぁ。まぁ、誰からも応募がなければ、僕はこれまで通りの経営スタイルを継続するだけなので、それはそれで大丈夫です(笑)。


あと10日もすれば、夏休み。ガッツリ休んで、7月からは心機一転リフレッシュ。若く元気なヘルパースタッフと共に、宿をますます盛り上げて行こうと思います!!







2016年5月20日金曜日

僕なら、こんな宿には泊まらない!



相変わらず連日の“ほぼフル”で、忙しいです。ただ、来週半ばくらいから今月末までの予約が、サッパリなんですよね。1〜3週目の稼働は90%くらいなのですが、ラスト1週が30%くらいの予約状況なので、5月全体の稼働率は75%とかになりそうでして。ほんと、この仕事って波があるなぁ・・。



さて今回は、ちょっと趣向を変えて、【僕が旅行客だったら、どんな基準で宿を選ぶか】の話をします。というか、僕は今も現役のバックパッカーなので、仮定の話というわけではなく、実際にそうやって選んでいるということです。かなり前に書いた記事【僕が嫌いなシステムは、採用しない!!】に少し似てしまうのですが、あれは「ほとんどの宿はこうだけど、ウチは違うぞ!」というメッセージが主意でしたので、やや、視点が違います。



僕の泊まる宿探し、ブッキングサイトは HOSTEL WORLD を利用すると仮定して(実際に、世界を回っていた頃には HOSTEL WORLD を使っていました)、僕はまず、その国(都市)のドミトリーの平均価格をチェックします。東京ならば、今ですと2800円くらいですね。そして、絞り込み検索をします。僕は基本、「平均より高いところには泊まりたくない」「しかし人気のところがいい」・・・というわけで、価格は最大で2800円、レビュー評価は最低で90、に設定します。

そんなワガママな条件で・・・、と思われる方がいるかもしれませんが、この条件でもけっこうヒットしますよ。


エンブレムホステル西新井
ホテル グラフィー根津
Space Hostel Tokyo
両国旅荘 庵
オークホステル ゼン
センチュリオン・レジデンシャル赤坂
Oakhostel Fuji
Grids Hostel Lounge Nihombashi East
レトロメトロバックパッカーズ
東京ゲストハウス・トコ


YAWP!を除いて、東京都内だけで10件も見つかりました。




ここでちょっと話がズレますが、ウチが一泊の料金を2400円(ホームページから)に設定しているのは、実はこの辺も絡んでいます。僕はまず、その街の平均価格よりは絶対に安くしたかった。しかし、最安の宿にはしたくなかった。僕は世界中で、“その街一番の安い宿”に泊まった経験がありますが、やっぱりそういう宿には、「ただ、とにかく安いから」という理由で泊まる宿泊客が多かったのです。ざっくり言えば、自分勝手でヤンチャな旅人です。値段は安いが、設備は悪くなくスタッフもがんばっている、という宿は世界中にたくさんありましたが、お客の方に残念な者が多い。僕はそれは嫌だったので、最安値は避けました。

YAWP!オープン当時の、都内の最安値は、2000円くらい。平均価格は2700円くらい。というわけで、だいたい中間をとって、2400円と設定したのです。まぁ、ウチは平均くらいはいただいてもいいクオリティだとは思っていますが、立地面のビハインドがありますからね。「平均より低い300円は、都心への交通費に使ってオクレヨ〜」と考えております。




話は戻って、先ほどのように絞り込んだ数軒の宿から、僕は一軒を選ぶわけですが、ここからは完全に僕の好み、というかポリシーで、消去法で削ります。その中でも、僕が真っ先に消す、「こんな宿は嫌だ」の要素は、3つあります。


僕が選ばない宿(嫌いな宿)の要素。それは、

①価格をコロコロと変えている
②パイプベッドを採用
③門限がある

の3点です。


この3点、僕は本当に嫌い。この3点のどれか一つでもある宿には、僕は確実に泊まりません。

特に①の、“価格をコロコロ変える”。例えば普段は2500円だけれど、ハイシーズンは全部を2800円にするとか、週末は常に2600円にするとか、そういうのはまだいいんです。僕は以前、民泊がらみの記事の中で、

「宿業というのは本当に、ゲストが多い時期と少ない時期の、差が凄まじく大きいのです。なので、250日分の赤字を埋めようと、繁盛する100日により大きな儲けを求めてしまうわけです。よって、繁盛期には値段を上げる宿が多いですし、そうやってなんとかがんばって生き残っているわけです」

と書いています。ほんと、これはいいんです。仕方ないと思っています。


僕は、日によってバラバラで、とにかくひっきりなしに値段を変えている宿が、何よりも嫌いなのです。ちょっと予約が多く入った日には、強気で高めな価格設定、逆にスッカスカの日には、バーゲン価格。同じ週に、同じ部屋で、価格が1900円・2800円・2400円・1900円・2200円・・・とか並んでいる。う〜ん・・・なんだかガックリきます。


こうやって、値段をコロコロ変える宿は、【同じ日に同じ部屋に泊まっているのに、人によって支払った額が違う】という事態が当然、発生します。何よりもこれが、最悪です。ゲストは最初は他人同士でも、同部屋で仲良くなり、値段の話題になることがしょっちゅうありますよ。「俺、2500円」「え!? 私は2000円だったけど」・・・的な会話が発生したら、それって宿にとってはけっこうなダメージ、イメージダウンになると、僕は思うのですが。実際に、ウチに来るゲストたちの話題にも、「あの宿はそういうシステムだったので、ムカついた」といった話がたまに出ています。



というわけで、YAWP! backpackersではオープン以来、価格をずっと2400円に据え置いたまま、一度もイジっていません。ハイシーズンとか、週末とか、一切関係無しの年中一律2400円です。HOSTEL WORLDでは+100円の一律2500円に設定していますが、これはサイトに支払う手数料があるためで、2400円のままだと計算が激しくややこしくなるため、申しわけないのですが、そうさせていただいております。


といってもコレ、ウチが特別なわけではなく、都内にある小さな宿ではほとんどが、価格を全く変えずに今もがんばっています。前述のレトロメトロさんや、トコさん。他にも、Zabuttonさん、328さん、(HOSTEL WORLDには載っていないけれど)東京ひかりさん。みんな価格は据え置きで、プライドを持って経営されています。カオサングループさん経営の宿でも、基本的には価格はガッチリ固定ですね。


大きな宿で、接客を全くしないマネージャーや経営者がいるようなところでは、それらいわゆる上司たちが、従業員に「売れている日はより高く、売れていない日は値下げしまくってでも売れ!」と命令した結果、このように値段がコロコロ変わるシステムになってしまっているのでしょう。これって間違いなく、確実に、従業員はやりたいと思っていないですからね。自分から自発的にやりたがるわけがない。同じ日に、同じ部屋に泊まるゲストに、違う値段を請求するなんて、気持ちがいいわけがないです。いちいちチェックする必要があり、すこぶる面倒くさいですしね。



ほとんどの小さな宿が、価格を変えずに地道にがんばっているのは、プライドの問題だけでなく、「変えるのは気持ちがよくないから」「ゲストに申しわけないから」だと僕は思うのです。

僕は、根本的な価値観、哲学として、ホステル(ゲストハウス)の役割とは、


ゲストたち(主にバックパッカー)に、できるだけ宿泊費を安く抑えてもらい、浮いた分のお金で、美味しい物を食べたり、おもしろい経験をしたり、できるだけ長くその国に滞在したりしてもらう



ことだと考えております(強く訴えたいので大文字にしました)。その哲学を持ち合わせていない宿が、コロコロと値段を変え、ハイシーズンにはなんと5000円を越える価格設定をしたりします。彼らにとってのホステル業とは、完全に、お金儲けの手段なのです。バックパッカー経験のある者ならば、そういうのには敏感だと思うんですけどね。しかし実際に、お金儲け目的でホステル業を営む方々は、バックパッカー経験のない方が多いです。彼らは経験がないから、世界中のバックパッカーたちが持つ、良宿を見抜く嗅覚を、理解できていないのです。

つまり、値段をコロコロ変える宿には、バックパッカー精神が全くない。それはそれでかまわないのですが、少なくとも僕は好きではない。よってそこには、僕は絶対に泊まりません。宿の経営者にバックパッカー経験がなくても、別にいいんですけどね。とにかく、値段を変えまくって欲しくない。



おっと・・、嫌いな宿の要素①②③のうち、①だけを細かく書き過ぎちゃいました。まぁブッチャケ、ちょっとした理由があり、今回この内容を書く必要がありまして。②の“パイプベッド”や、③の“門限がある”は、読んだままの通りですし、オマケみたいなもんです。パイプベッドに関して、というか「ゲストが直接使う設備には安物を用意しちゃアカン」という内容の記事は、近いうちにまた書こうと思います。



YAWP! の6月の長期休みは、13日からに決定いたしました。13日以降はとりあえず、6月末日までは閉めますので、最短でも18日間は休みます。7月の何日に再オープンするかは、まだ未定です。おそらく休むのに飽きたら、開くと思います(笑)。


6月13日までは、あとおよそ三週間。がんばりますっ!


浅草 三社祭!




2016年5月12日木曜日

HOSTELWORLDのレビューについて②!


ゴールデンウィークは終わったというのに、客足が途切れず、相変わらず忙しい毎日です!!


さてさて、今回はタイトルから一発でおわかりの通り、HOSTELWORLDのレビュー分析の、第二弾です。前回、第一弾の記事を書いたのは、12月上旬。レビュー件数がちょうど50に達した記念に、いろいろと分析をしてみました。そこでは、締めに


【比較的ハイシーズンの5ヵ月でレビューが50件だったわけなのですから、100件に達するまでには1年くらいはかかるかもしれません】

と書いたんですよね。で、今回。あれから5ヵ月が経ちまして、予想に反して順調にレビュー件数が増え、この度ついに100件に到達しました。ちょうど5ヵ月で50件、10ヵ月で100件。1ヵ月に10件のペースが、なぜだかきっちり守られていますねぇ。たくさんのゲストの方々に、泊まっていただいただけでなく、レビューまで書いていただき、本当にありがたく思います。




というわけで、ここからはいろいろなデータを載せちゃいます。



まずは・・

【現状のレビュー採点平均】

         〈0〜50〉〈50〜100〉 〈0〜100〉
①価格    : 93.6       96.8     95.2
②セキュリティ: 90.8       94.0     92.4
③立地    : 77.2       80.8     79.0
④スタッフ  : 95.6       96.8     96.2
⑤雰囲気   : 93.2       96.0     94.6
⑥清潔さ   : 93.2       92.4     92.8
⑦施設    : 92.8       93.6     93.2

7項目平均  : 90.9     92.9     91.9


たいへん嬉しいことに、前期5ヵ月(50件)より直近5ヵ月(50件)の方が、軒並み評価が上昇しています。僕の仕事っぷりは、な〜んにも変わっていませんけどね。唯一、“清潔さ”が下がっていますが、ブッチャケ、混む時期にこれが下がるのは、ある程度は仕方がないと思います。「いや12〜4月はむしろ、混まない方じゃん」と思われるかもしれませんが、実は先月、4月のたった一ヵ月の間に、たたみかけるように“清潔さ”の低い評価をいただいたのです。12〜3月までの分だけで計算すると、実は平均で97%。しかし4月だけ、いきなり平均86%という低評価だったのです(涙)。むしろ4月は、僕は普段よりも掃除をがんばっていたんですけどねぇ・・・。まぁ、ゲストが多くていつもゴチャゴチャしていたのは、事実ですが。

さらにブッチャケると(というか、もはや愚痴)、一泊のみで、夜に着いて朝に出るようなゲストさんから、清潔さの低評価をいただくのは、僕は特に残念に思います。僕は宿の掃除を、一日中しているわけではありません。掃除の直後はキレイで、それから一日かけてどんどんゴチャゴチャして行き、掃除の時間の直前はあまりキレイではない。そんなの当たり前です。開き直っているわけではないのですが、それを理解していただけないゲストが少なからずいるのは、なかなか悲しいです。



次は・・・

【月別の評価平均】

7月 95.5( 6 件)
8月 87.5(13件)
9月 92.3(14件)
10月  89.3(11件)
11月  91.4( 5 件)
12月  93.9(11件)
1月 93.8( 8 件)
2月 94.0( 3 件) 
3月 95.8(12件)
4月 89.1(16件)


前述の通り、4月は“清潔さ”項目が大きく足を引っ張り、半年ぶりに90%を下回る評価をいただきました。というか、ハッキリ言いまして、“ぶり返し”ってあると思うんですよね。7月(95.5)と8月(87.5)、3月(95.8)と4月(89.1)、どちらも驚くほどの高評価をいただいた月の後の、低評価です。たくさんの絶賛レビューコメントを読んで、大きな期待をして予約した方々が、「いや、それほどでもないじゃん」的な意で、低めに採点する。僕も、某映画サイトでの採点なんかでは、皆から絶賛されているけど僕の好みじゃなかった映画に対しては、普通だったら3点が無難なところを、あえて1点をつけたりしますからね。人間心理としては、よくあることだと思います。よって僕は、3月の流れから「4月は反発で低くなるだろうな」とは予想できており、やはりその通りだったということです。



【レビュー点数あたりの件数】

    〈0〜50〉〈50〜100〉〈0〜100〉
66点:  1      0       1  
69点:  3      1       4
71点:  1      0       1
74点:  3      0       3
77点:  1      2       3
80点:  0      1       1
83点:  1      3       4
86点:  4      2       6
89点:  1      2       3
91点:  3      8       11
94点:  11      8       19
97点:  9      13      22
100点:   12     10      22

10ヵ月(100件)
平均値:91.9
中央値:94
最頻値:97&100


これは、あまり語ることはないですね。最近、80点以下の低評価がずいぶん減ったことは、すごく嬉しく思います。ただし前述の通り、僕の仕事っぷりは何にも変わっていないですけどね。ずっ〜と変わらず、テキトウにサボりつつ、程よくやる気を出しながら、ひたすらゲストと飲んで遊ぶ毎日です。もちろん価格や、立地等も、全く変わっていないんですけどね。不思議だなぁ。



【国籍別 分析】

        〈件数〉〈評価平均〉     
アメリカ     19  94.2
オーストラリア   9  95.8
イギリス     13  90.2
日本        3  91.3
カナダ      13  90.8
台湾        5  88.6
ドイツ       6  84.2
ニュージーランド  3  93.3     

欧米系  全体  76  92.0
アジア系 全体  18  90.3


アメリカとオーストラリアからの評価、高っ!
ドイツ、低っ(笑)!!

日本人のゲストは、ほとんどがウチのホームページからの直接のご予約なので、件数も極端に少なめです。

実は、“欧米人ゲストは甘め、アジア人ゲストは厳しめにレビュー採点する” というのは、この業界の定説だったりするのですが、結果は92.0と90.3だったわけで、思ったほどは差がないですね。



【年齢別 分析】

        〈件数〉〈評価平均〉
18〜24歳   44  92.1 
25〜30歳   45  91.7 
31〜40歳    7  90.6
41歳以上     4  92.0 


これ、面倒くさいなぁと思いながら、がんばってまとめた割には、特に特色のない、語れない結果が出ました・・・。まぁ、ウチのゲストというか、世界中のバックパッカーはやはり、20代が多いというのはよくわかりました。しかし僕と同年代の31〜40歳が一番低評価だったというのは、ちと残念です・・・。




・・・レビュー100件記念の分析は、こんなもんですかね。そろそろ飽きたので、ここいらでやめます。けっこう疲れるので、150件ではやらないことにします。200件記念でやるかどうかも、未定です。


先日お伝えした通り、YAWP! は6月に大きなお休みをいただくことにいたしましたので、最近は激しく疲れ気味なのですが、それまでのあと一ヵ月、なんとかがんばります!!


100レビュー、ありがとうございます!



2016年5月6日金曜日

ノーショウは勘弁して欲しい!!


ゴールデンウィークですね! YAWP!は昨年の5月3日が、実は初めてフルになったメモリアルな日でして。嬉しい上にハチャメチャだったあの日は、なんとなくオープンの頃よりも僕の心に残っています。



そんな月初め、まずはいつものデータ公表です!!!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計821名)】

 ①アメリカ     126名(+17)
 オーストラリア  101 (+6)
 ③イギリス      88 (+11)
 ④日本        77 (+4)
 ⑤カナダ       73 (+6)
 ⑥台湾        37 (±0
↑⑥ドイツ       37 (+3) 
 ⑧ニュージーランド  27 (+1
⑨インドネシア    22 (+10
↓⑩フランス      20 (+2


【新規ゲスト数(泊数:滞在日数平均:稼働率)の月別まとめ】

【2015】
4月:22(81 :3.68:22%)
5月:28(132:4.71:35%)
6月:11(60 :5.45:17%)
7月:65(205:3.15:59%)
8月:98(312:3.18:93%)
9月:79(278:3.52:93%)
10月:91(253:2.78:94%)
11月:74(227:3.07:84%)
12月:84(229:2.73:82%)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%)
2月:55(194:3.53:78%)
3月:72(242:3.36:83%)
4月:83(275:3.31:85%)

計:821(2686:3.27:73%)
※稼働率のみ、直前一年間の平均


おおぅっ! いきなりのインドネシア!! そしてまた、トップ10から韓国が消えた!!



4月は以前にお伝えした通り、キャパシティー限界を12に戻しておりましたので、総泊数(275)の割には、稼働率(85%)はいまいち低めです。というか、“「4月は毎日フルです!」的なことを書いていたのに、実際には85%じゃんかよ、このホラ吹き野郎!”と思った方もいるかもしれない(いや、いないか)ので、ここで素直に実情を書いてしまいますが、この4月は、恐ろしいほどに、とにかく

ノーショウ(連絡なしで、来ない)が多かった!!

のです。いやぁ、参りましたよ。参った・・・というより、腹が立った!! 世界のモラル事情、どないなっとんねん!!!



YAWP! のチェックイン対応時間は、11〜23時に設定しておりますが、イン予定のゲストが来なかった場合、僕はいちおう終電がなくなるまで(深夜1時頃まで)は待ちます。しかし、これが何度、不毛になったことか(涙)!!! ブッチャケ、4月のたった一ヵ月間で、ゲスト数合計15人、泊数で言えば40泊分くらいが、ノーショウによって消えてなくなったのです。ちなみにその15人は、全てアジア人。その内10人は、インドネシアからのゲストです。

上記の国籍ダービーに記載の通り、4月は10人のインドネシア人ゲストにYAWP!に泊まっていただきました。しかし、ノーショウも同じく10人。つまりはこの4月、なんと20人ものインドネシアからの予約があった!・・・のに、なんと半分しか来なかった!! ということなのです!! なんでいきなり、インドネシアからの予約が飛躍的に増えたのかは、全くもって不明!! というかそもそも、ノーショウは毎月3〜4人くらいは普通にあるので、この10人を除けば、実はけっこういつも通り。というわけで、4月は

“なぜかいきなり、インドネシアからの予約が増えまくったぜイェイ”
“しかし彼らは、半分しか来なかったよガックリ”

だったのでした。もちろん、だからといって僕は、インドネシア人ゲストを悪く言うつもりもなければ、彼らに対しての悪いイメージが固まったわけでもないですよ。泊まっていただいた方々は、いい人ばかりでしたし。単純に、事実の報告です。


まぁ、このノーショウの問題は、この仕事には付き物でして。すべての宿が、悩まされている問題と言ってもいいくらいです。せめて、キャンセルしてくれればいいんですけどねぇ。もちろんキャンセルもガッカリしますが、ちゃんと把握でき、無駄に振り回されない分、まだマシです。


といっても、ウチはHOSTELWORLDにしか登録していないので、実はこれでもかなりマシな方なのです。HOSTELWORLDは、数あるブッキングサイトの中でも、ノーショウとキャンセルはかなり少ないと評価されているサイトです。他のサイト、おそらく最も有名な“例のところ”なんかでは、キャンセル&ノーショウ率は通常でも30〜40%、ヒドい時には50%にも達すると聞きます。今月のウチは、予約数が315泊で、ノーショウ40泊。率にすると、13%です。30〜40%に比べれば、全然たいしたことないです。


これから宿を始めたいという方々は、けっこうこのキャンセル&ノーショウの問題を、軽んじていると思うんですよね。というわけで、この記事もカテゴリ“宿を始めたい方へ”に含めます。しかもこの問題は、ウチは今月になってやっと本格的にダメージを感じましたが、実は他の宿のスタッフの皆さんからも「最近、ヒドくなってる」とよく聞きます。民泊の問題に振り回され、キャンセル&ノーショウにも振り回され、どんどん厳しくなって行くなぁ、この業界。。。


ウチはまぁ、経営オペレーション的に余裕があるのでまだいいのですが、ギリギリでやっているところは、一件のノーショウでもきっと、ダメージが大きいです。しかしこればっかりはモラルの問題ですから、どうにかしたくても、どうにもならないです。


何か、いい解決策はないのかなぁ・・・。う〜ん、全然思いつきません。まぁ、いちいちヘコんだり腹を立てたりしてもしかたないので、僕は今のところは、「気にしない」のスタンスをとることにしています。