2020年3月25日水曜日

散るときは、美しく!!





いきなりですが、当日まで全く発信しておりませんでしたが、実は一昨日の3月23日は、YAWP! backpackersの5周年記念日でした。


「今日は5周年。例年、この時期はフルなんだけど、今年はスカスカ。ウィルス問題がいつ終息するかわからんが、なんとか生き残ります」的なことをfacebookに英語で書いたところ、驚くほどに多くの方々、そのほとんどはこの5年間にウチに来てくれた世界中のゲストたちから、コメントや“いいね!”をいただきました。

懐かしい名前ばかりで、走馬灯?のように過去の記憶が蘇り、僕はガラにもなく感動し、正直ウルっと来ました。いやぁ〜この5年間、僕なりにゲストハウス業をがんばってきた甲斐があった・・・。皆さん、どうもありがとうございます!!!



さて、その23日はというと。滞在ゲストがほぼゼロなので、僕にはYAWP!でパーティ的なことをする計画はなく。おかえりびとメンバーのユリさんから誘われ、ゲストハウス墨田長屋で飲んでいました。これも別にウチの5周年は関係なく(祝いのお言葉をいただきましたが)、コロナ問題でなんだかストレスフルな毎日の、邪気払い的な意味合いで。

今回はおかえりびとメンバーが全員、勢揃いとはなりませんでしたが、その代わりにサトウサンズレストのナナさんファミリーが一年ぶりに参加。総勢8名+赤ちゃん1名での、まったりとした飲み会でした。


もちろん話題は、コロナ問題、「業界がヤバいね!」というのが軸になりましたが。類は友を呼ぶ、と言いますか、ネガティブのスイッチが入っている者が一人もいない。みんな同様に大ピンチの状態なのは間違いないのですが、「まぁ、いざとなったらバイトでもしよう!」「なんとかなるさ〜」的な、ケロリとしたものでした(笑)。

この苦境を乗り越えるために、たとえばユリさんはラザニアの注文販売を開始したり(彼女の料理は、本当に美味しいですよ〜)、トシゾー@ゲストハウス扇子さんはYouTube等でのメディア展開を準備していたり。

それぞれが、自分の力でポジティブに、出来る限りのことをしようとしているのがすごく嬉しかったです。



この話と連動して、、、

先日、館山ウィールズゲストハウスのヤシロ☆ポセイドンさんが、Twitterでいつもの通りにたっぷりの皮肉を込めて、昨今のゲストハウス業界を痛打しておりまして。


いやぁほんと、ヤシロさんって気持ちがいいわ。多くの人が思っている(けれども自粛している)であろうことを、サクッとズバリと言ってのける(笑)!! 僕も毒吐きキャラですが、攻めの姿勢は彼の方が数段上ですね〜。

実は、僕もこれに近いことをブログに書こうとしていたのです。このツイートを読んだからというわけではなく、毒吐きの欲も今はないのですが。題して、

“コロナ問題に対する、宿主によるスタンスの違いについて”
(卒論風にしてみました)



まず大前提として、僕はこの記事で誰かを否定しようとかディスろうとか、そういう気持ちは全くありません。個人的な好き嫌いは表明しますが、業界全体が苦しいこの状況で、誰かの行動に対して「それはよくない」「こうするべきだ」を押し付けるような狙いは、一切ありません。なので、個々の宿名をここで出すこともないです。

僕は最近まで旅に出ていたせいか、なんとなくこの問題に“乗り遅れている感?”(悲しいことなのに、変な表現ですが)といいますか、業界全体を俯瞰で見ているような感覚があるのです。僕も完全に当事者なので、おかしな話なのですが。


僕はこのコロナ・ウィルスの問題で、それぞれの宿主の対応の傾向は、次の四つに分けられると思います。

①「やばいです!」助けてウチに来て【ネガティブ系】
②「やばいです!」アイデアしぼるぜ【ポジティブ系】
③「助け合おう!」苦しいときはみんな仲間だ【絆系】
④「耐え忍ぶ!」バイトも融資もかまわない【達観系】


①の【ネガティブ系】は、「昨年比90%減です! 皆さん来て下さい!」とか「またキャンセルが! どうしよう・・・」とか、そんなことばかりを発信する人ですね。先日、「手数料を取られるOTAではなく、直接の予約をして」的なことを訴えて炎上した、某宿主あたりが、ここに入ると思います。彼女は「騒動の前から、いろいろやっておけばよかった」的なことも言っておりますし。ド直球に、ネガティブ。

②の【ポジティブ系】は、「新しく◯◯プラン始めました!」的な前向きな仕掛けを、積極的にやるところですね。「ヤバいです!」の発信をしていながらも、決して「助けて!」のポーズをとらず、「絶対に自力で乗り越えてやるぞ!」感があります。提案するプランも魅力的なものが多く(薄利だろうなぁとは思いますが)、意志と熱量の強さを感じられます。

③の【絆系】。前回の記事にも書きましたが、主には“クラファンを始めちゃう人たち”ですね。単純な寄付ではなく、先々に使える券の販売with寄付、というスタイルで出しているところが多いようですが。Twitter上でも、「今こそみんなで支え合おう!」ということを言っている人をチラホラ見かけます。急にリプライ&リツイートしまくりを始め、情報のシェアで“繋がり貢献”しようとしている方もけっこういますが、彼らもこのタイプかと思います。

④の【達観系】。ピンチなのは他と同様ですが、根本的にはポジティブで、ジタバタしていません。特にコロナ絡みの発信もないです。「助けて!」でも「乗り越える!」でも「助け合おう!」でもなく、「まぁ、なるようになるさ」の境地で、これまでの運営と変わっていません。廃業の危機になれば、あくまでも自己責任のリスクヘッジとして、追加融資等の検討をするのでしょう。



・・・勝手にこう分けると、僕は完全に④のスタンスです。前回と今回のブログ記事で、コロナ問題についてをガッツリと語っておりますけどね。僕は、①③のように「助けて!」「助け合おう!」になる性格では全くありませんし、②の方々にはリスペクトの念があるだけで、今のところは僕がそのステージに上がるつもりもありません。

一昨日に会った、おかえりびとのメンバー&ナナさんファミリーも、全員がベースは④で、者によって②の要素も有り、という感じでした。一緒に活動しているグループだというのに、「助け合おう!」の提案は微塵も出ず、皆さん達観しまくりで明るいっ(笑)! これはなんだか、嬉しかったです。


また、最近は「無料泊を始めます!」という発信もよく見ます。「ゲストがゼロなので、ならば少しでも話題になれば・・」というヤブレカブレな策なのでしょうが。これは上記の分け方では、少し形の違う、①の部類ですね。

宿泊業に限らず日本中の人々が苦しんでいるこの状況で、「私は困っている!」「私を助けて!」となってしまう者のことは、僕、個人的にはすごく嫌いです。シンプルに「いや、皆も困ってるし。しかし皆、口に出さずに我慢しているんだわ」と言いたくなってしまう。無料泊プランなんて、「自分さえよければいい」の、最たるもんでしょ。今は「お客さん来て来て!」をアピールすべき時期じゃないでしょ。僕らにとっては“ゲストが安全に旅をして、安心して泊まっていただく”ことこそが最優先であり、守るべき責任であって、「潰れそうだから助けて!」は、矢印の矛先が逆だと思います。


くどいようですが、僕は上記の分け方では確実に④であり、簡単に言ってしまえばコロナ問題に対しては、“何もしません”。ウチのメインターゲットは、5年前の開業当初からずっと頑なに、“外国人バックパッカー”です。今回の騒動で諸外国が入国&出国制限に舵を切り、外国人が渡航できなくなった今でも、僕にはそれを変える気は全くありません。ゲストが来なくなり存亡の危機に瀕しても、急にポリシーを変えて「日本人、いっぱい来て!」「ビジネス目的でもなんでもいいから、とにかく来て!」とはなりません(日本人ビジネスマンも歓迎しておりますが、そういう集客アピールは絶対にしません)。

よってもちろん、この騒動に対処する目的での、値下げもしません。これまでにもレギュラーでやっていた、二泊したら三泊目が無料(OTAからだと一泊1667円で、ミニマム三泊縛り)のキャンペーンは今後もやったりやらなかったりしますが、それ以上のことはいたしません。

良いか悪いかではなく、これは言ってみれば矜持というか、美学の問題です。自分のビジネスが散り去るかもしれない今だからこそ、ジタバタせずにむしろ、己の美学を貫きたいのです。なんか、カッコつけているみたいだけど(笑)。



ついに、東京オリンピックの延期が正式決定し、我らがゲストハウス業界には今後もますます、苦難の道が立ちはだかることでしょう。多くの宿々が、継続か廃業か、の選択を迫られることでしょう。

今回は、そんな苦しい現状のみなさんを、僕が勝手に四つのタイプに分類したことで、不快に思った方もいるかもしれません。これはあくまで、美学の違いの話です。「クラウドファンディングで寄付を募るって? それに参加するって? すればいいじゃない。でも、僕とは美学が違いますね」・・ということです!!





2 件のコメント:

  1. あれまたご紹介いただきありがとうございます!
    いやだって、全国の宿で企画したとか文化が消えるとか言われちゃハァ?ってなるじゃないですか(笑)ゲストハウスって日本にあなた達だけじゃないよねぇ?って。
    私だけを助けて!なら目くじらも立てませんが、業界を勝手にレペゼンするな!と(笑)

    てかゲストの事を考えろ、ほんとです。クラファンもそうですが、客にたかるな!と思います。

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    1. 僕の総攬では、全国の小ゲストハウス宿主さんは、騒動で乱れることなく、マイペースに日々の発信をしている方が多いように感じます。上記事で言えば僕と同じ、④のタイプですね。

      ヤシロさんのおっしゃる通りで、クラファンでの「ゲストハウス業界を救ってほしい!」には、なんだか違和感を覚えます。

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