2020年6月13日土曜日

キラキラ宿は、己を“パクチーのようなもの”と知れ!!





まず始めに、前回の記事について。


いつもの僕の毒文と同様に、「共感します」「言ってくれてスッキリした」といったご意見を多数いただいた一方で、何人かの方からは苦言といいますか、「さすがに個人名を上げてのピンポイント攻撃は・・」というご指摘を受けました。


実は僕自身でも、UPした直後から「今回は調子に乗りすぎたかもな」と、自覚しておりました。「反省」というと自分に突っ込みたくなると言いますか、正直に、そこまでの想いはありません(よって、削除もいたしません)が、少なくとも今後はもう少し気をつけようと思います。毒舌の方が評判がいいからとはいえ、一線を越えないバランス感覚は大事ですよね。失礼いたしました。


毒吐きを自重するわけではありませんが、今後は基本的には、その対象は概念やポリシー、考え方に対してのみ、行うことにします。僕と仲の良い、館山ウィールズゲストハウスのヤシロさんのブログ(更新のタイミングや内容が被ることがたまにありますが、裏での共謀?等は一切ないですよ)でも、概念へのディスはかなり皮肉たっぷりで痛快なものの(笑)、個人攻撃は全くしていませんよね。それでもその辛辣さで恨みを買っていたようで、何者か(熊本の方?)による強烈な呪いにかけられ、ついには“全て消える”というホラーな展開となりましたが・・・。無事に復旧してほしいです。くわばら・くわばら。




さてさて。

この流れで早速かよ!? と突っ込まれるかもしれませんが、一人の友人から「俺もアンチ・キラキラだけど、お前はなんでそこまで嫌うの?」と聞かれましたので、今回はそれに応える内容にしようと思います。毒吐きというよりも、ファクトベースで話します。

あえてすごく激しい表現で言うと、僕はそもそも、この業界内に一定数存在するキラキラ・ワールドの住民の皆さんのことを、「業界にとっての、癌である」と捉えています。この考えは、オープン直後から起業相談をたくさん受けるようになり、彼らの「ゲストハウスやりたい!」の話を散々聞いたことで、気付かされたことです。「日本での、ゲストハウスのイメージが、おかしい・・・」と、鮮明になるほどにすごくガッカリしました。


昨年、一人の大学生が、卒論のためにゲストハウスについてを研究しているとのことで、ウチにも取材に来ました。彼には特に先入観はなく、俯瞰の目線での研究という感じでして、彼が集めたアンケート結果を僕は見させてもらいました。紙を刷ってもらったわけではなく、エクセル画面で僕が読んだ記憶を元にする話ですが、その結果の一部を、以下に羅列します。


質問
①「ゲストハウスに泊まったことがありますか?」
回答
Yes:10%、No:90%

②「①でNoの方、あなたはいつか泊まってみたい、と思いますか?」
Yes:20%、No:80%

・・・この時点で、「泊まったことがある」もしくは「泊まってみたい」の割合の計は、全体の28%しかいないことになります。アンケート対象は、彼の大学の生徒300人でしたので、全年齢層ではなく、若者層のみでのこの結果ですよ。


そして

③「②でNoの方、あなたが泊まりたくないと思う理由は何ですか?(記述式)」

への回答は、まぁ〜見事に、僕が言うところのキラキラ界への、アレルギー的なものだらけだったのです。

「歌とか唄わせられそう」
「ルールが多くて面倒くさそう」
「別に交流したいとか思わない」
「旅行の滞在先では静かに過ごしたい」
「夢とか語り合ってそう」
「地域とのつながり、とか興味ない」
「全員集合して自己紹介させられそう」

こんな感じで、72%の若者の“ゲストハウスを嫌う理由”は、総じてキラキラ☆なイメージが元での、おかしな先入観によるものでして。それは僕がこのデータを見る前の予想、5年以上に渡る僕なりの認識、その通りだったのです。

つまりは、僕が以前に何度か書いた、キラキラ宿主たちへの「ゲストハウスって、そういうもんじゃないから!」という訴えは、「マジョリティに誤解される発信をしてくれるなよ。イビツな壁がますますイビツになり、世間からの拒否反応が増すばかりだろうが」という想いが元です。


別に、そういう宿が日本中に存在すること自体は、僕は全く否定していません。そのままのスタンスで、好きなように運営すればいいと思います。しかし、キラキラ系宿主による「ゲストハウスってこういうもの」という発信には、今後も僕は全力で「否!」を表明させていただきます。僕が彼らに対して特に不満を覚えるのは、「自分たちのこの素晴らしい世界に、皆もどんどん巻き込みたぁ〜い」と、ウットリしている者が散見されることです。

上記のアンケートでも、“ゲストハウスが好き”の理由の内の半分以上は、“自由で気楽に過ごせるから”といった、本質をご理解いただいた上でのものでした。一方でそうではない、“交流”“夢”“絆”といったキーワード上での「好き」は、せいぜいで全体の10%くらいです。要は、キラキラ連中のその運営スタンスでは、10人の内の1人を幸せにできるかもしれませんが、同時にその他9人の嫌悪感も生んでいるということです。僕はそのファクトに、とにかく気付いてほしいのです。そして、「自分たちは好きでこのスタイルにしているけど、=ゲストハウスではありません」も、合わせて発信してくれ!・・と思うわけです。パクチー好きの者々が同好会を結成し、内輪で盛り上がることはあっても、パクチーが一般食材になることはない。パクチー農家さんも、それは充分に理解しているはずです。



僕は、世界一周を経験している、現役のバックパッカーです。その自認は、僕のアイデンティティーの大きな部分を占める要素です。旅の経験談を話すと、「マウントをとって来やがった」と捉える者もいるようですが。真の旅好き者は、経験豊富な人と出会えば旅話を聞きたいと純粋に思いますし、羨ましいとか負けたとか、そんな感覚にはなりません。最近はTwitterで、横浜のFUTARENOさんや神戸のガロさんなどが旅の写真をUPしまくってくれていて、僕はそれを見るのが毎日の楽しみです。

僕には旅人同士での、マウントをとった・とられたの感覚はありませんが、「ゲストハウスは旅人のためのものだ!」という矜持は、人一倍あります。「いろんな考えがあるさ、柔軟に行こうよ」と言われることもたまにありますが、僕は“美しい宝物を汚されている感覚”に近いので、これだけは頑として譲れない。ロクに旅をしたことのない者が、「ゲストハウスの役割は、地域の集会所である」「人と人とを繋げる、場作りの基地」とかいったズレた発信をしているのを見つけると、腹が立ってしかたがない。自身がゴリゴリのバックパッカーであることへは、スゴいでしょとか、カッコいいでしょとか、そんな自意識は全くなく、むしろ「俺って変態だな・・」に近い感じなのですが、ゲストハウスという聖域だけは、バックパッカーマインドの結界で、意地でも守り抜きたいわけです!! なので、キラキラ・ドヤな者々へは「お前らは旅人でもないくせに、旅宿文化に変な色づけをするんじゃないよ!」というマウント丸出しの想いが、ときたま沸騰します。


とはいえ、僕は海外放浪の旅先での、100軒以上のゲストハウス滞在経験を元にする、「こりゃ素晴らしい」「こんな人生を送ろう」なのに対し、キラキラ系の宿主は国内のキラキラ先輩宿に泊まり、そこでの☆皆で夢を語り合おうよ☆な経験をブリリアント!と思い、追いかけ起業に至ったわけでしょう。そのような変な傾向は日本にしかありませんし、そもそも海外が発祥の輸入文化なので、僕の方が原理主義的なのは間違いないのですが(笑)。「根本のスタート地点が違うんだよなぁ」というのは、すごく感じます。

そんな、地点が違う者々のことは別に“被害者”とまでは思いませんが、このズレを生みまくりやがった詐欺師のような元凶はいるので、「キラキラは癌」ではなく「ピカピカが癌」(©のむらしんぼ)と言い換えた方がいいのかもしれません。業界人にしかわからない暗喩で、すみませんが(笑)。




次回もこれに連ねて、「俺ってバックパッカーなんだぜぇーー!! うおぉぉーーー!!!」という話をします〜。






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