2022年9月29日木曜日

久しぶりに、宿業界に関する記事を書く!






だ~いぶ秋らしくなってきましたねぇ。昼はまだ暑めですが、夜は涼しくて過ごしやすい♡


僕は今週の火曜に、プロ野球の試合を観に神宮球場に行ってまいりました。ヤクルトの優勝マジックの減少ペースから、「優勝決定はこの日だ!」と予測した上でのチケット購入だったのですが。その1試合前に、優勝が決まっちゃいまして・・ガックリ。そして観戦した試合では、ヤクルトはレギュラーではない選手を多く起用。村上選手は出場しましたが、彼はホームランどころかヒットも無し。

あ、僕は別にヤクルトファンではないですけどね。観戦した席も、阪神サイドでしたし(笑)。まぁ、試合自体は充分に楽しめたので、よかったのですが。イチローの引退試合も1試合ズレましたし、僕の野球観戦は“特別な日”への遭遇運が低めですね。



さてさて。

今回はタイトルの通りに、ゲストハウス業界に関する話です。このブログはそもそも、閲覧者の大多数は“同業者”、もしくは“将来、宿の開業を夢見る者”なわけですが、17年頃のピーク時(一日200人超)から比べると、今はその四分の一(一日50人ほど)に落ち込んでおります。よって全国の宿主、宿スタッフの方々の多くがすでにこのブログには飽き、呆れ、失望し、“もう開くのや〜めた”となっているのだと思いますが(笑)。いまだに開き読んでくださっていて感謝です!・・な方々に向けて、書こうと思います。


日本におけるゲストハウス業界の老舗企業、といえばカオサングループやジェイホッパーズを思い浮かべる方が多いと思いますが、カオサングループが、なんと、先の8月末をもってゲストハウス(ホステル)事業から完全撤退!・・ということになりました。カオサングループは、全盛期には東京だけでも7軒の宿を経営し、そのほとんどがキャパ50を越える大箱で、まさに東京(だけでなく全国の)のゲストハウス市場レースの先頭を常に走っていらっしゃった企業さまです。長らく、この業界の繁栄のために我々、後追い開業勢を引っ張って行ってくれていた存在です。

そんな彼らの完全撤退のニュースを僕が目にした時は、、、ビックリしたのはもちろんですが、すぐになんだか呆然としました。ブッチャケ、同業の宿主達の間では、「カオサンさんが、このコロナ禍でも宿を一つも閉めずにやって行けているの、すごいよな。どういうスキームなんだろう?」という話題がよく出ていたんですよ。それが、いきなりの全宿閉業! 完全撤退!! 分散を集約し、利益率の高い宿だけ残す、というような選択ではなかったのが不思議です。なにか、事情があるのでしょうかね・・・?


実は僕は、カオサングループさんとはそれなりに縁深い関係でして。数人のゲストからは、「YAWPさんはカオサンの子会社なんでしょ?」と言われたことがあるくらいでして(もちろん違いますが!)。

YAWP! backpackersが開業したのは2015年の3月23日ですが、その前日に、僕は開業記念パーティーを開催しました。そこに、カオサンワールド浅草ホステルのスタッフである、ミズキさんという方が来てくれたのです。あの夜は40人ほどが参加した賑やかな宴で、皆でアホみたいに飲みまくりましたから、5人ほどのゲストが終電を逃しYAWPに泊まることになりまして。ミズキさんは、その内の一人。で、彼女はありがたいことに、えらくウチを気に入ってくれましてね。

僕はYAWPを、開業当初はどこのOTAにも登録せず、要するにネットでは簡単に発見することが出来ない、シークレット?な宿にしておりまして。これは、「いきなり混んでパニくりたくない」という理由による“試運転期間”という位置付け。とはいえ、そんな状況ではゲストの予約が入るわけがなく。本来であれば、OTAへの登録を済ませるまでは、“ゲストは毎日ゼロ”でもおかしくなかったわけです。


ところが、時は2015年。日本のインバウンド需要が飛躍的に伸び、その一方で供給は全く追いついておらず、都内のどこの宿も“常にフル”。まだ、飛び込み(予約なし)のゲストもそれなりにいた時代で、業界のトップランナーだったカオサングループの宿々には、“フルの日に飛び込みのゲストが来てしまう”事態が多く発生しておりまして。

ミズキさんが働いていたカオサンワールドだけでなく、ミズキさんが薦めてくれたおかげで他のカオサングループの宿々のスタッフさんからも、「ゲスト◯人、そちらに行きます〜」な連絡を、僕は毎日のようにいただいていたのです。YAWP! backpackersは、オープン当初〜Hostelworldへの掲載を決めた6月末までの三ヵ月間は、完全に、“他人(カオサンさん)のフンドシで相撲を取っていた!”のですよ!! その期間に僕がウェルカムしたゲスト61人、計273泊のほとんどは、カオサンさんからの“ほどこし”によるものだったのです!!

・・というわけで、カオサングループがこの業界からいなくなってしまった、というのは、過去に受けた恩への想いもあり、僕は本当にショックなのです。結局、恩返しはロクにできなかったなぁ・・・。ミズキさんだけでなく、カオサングループの宿々のスタッフさんとは僕は何度か飲みましたし、彼らはウチに泊まりに来てくれたりもしました。カオサン東京オリジナルのマネージャーだった大ちゃんとは特に気が合い、定期的に会い、しょっちゅう連絡を取り合う仲でした。ミズキさんも大ちゃんも、カオサンを退職し地方に移住してからは、やや疎遠になりましたが・・・(涙)。皆さん、元気にしているのかなぁ?


業界の斜陽はとっくにわかり切っていたことですが、カオサングループの撤退でそれが改めて浮き彫りになり、なんだかションボリ。バックパッカーズジャパン社経営の都内3宿(toco、nui、CITAN)はいずれも健在ですが、そちらもダメになってしまったら業界全体がさらにションボリすること請け合いなので、藤城くんには頑張って欲しいぜ(余計なお世話ですがッ)!!

・・・そんなことを考えていたら僕は、そろそろ「都内のゲストハウス&ホステルで、コロナ禍を乗り越え(?)て、今でも営業中の宿はどこなんだ!?」というのをちゃんと知りたい、という熱が湧いて来ました。この二年半、業界分析的なことは全くやらずにいたのですが。なんだか、変なスイッチが入りました。



検索したOTAは、Booking.comと、Hostelworldと、expedia。検索条件は、日が10/9(日)、11/5(土)、12/2(金)、12/29(木)。宿泊人数は1名で、期間は1泊、3泊、7泊(連泊縛りがある宿も多いと予測したため)。つまりは、OTA×3、日付け×4、期間×3で、合計で36周もしております。全てを抽出してやろう、と意気込んだこの作業に、4時間も費やしましたよ(笑)。


というわけで、以下にまとめます。宿名アタマの“ホステル”“ゲストハウス”表記をスルーした上での、あいうえお順です。



【2019年末の時点から、存在している宿】
(名称変更したが、OTAでのデータを引き継いだ宿を含む)

アッパーホテル両国
Hotel Adonis Tokyo
almond hostel & cafe Shibuya
&AND HOSTEL AKIHABARA
&AND HOSTEL KURAMAE WEST
&AND HOSTEL MINAMISENJU
UNPLAN Kagurazaka
UNPLAN Shinjuku
1泊1980円ホテル
Imano Tokyo Ginza Hostel
IMANO TOKYO HOSTEL
With B ホステル
江戸東京ホステル
オークホテル江戸
ゲストハウス 大森倉庫
obi hostel
Good Diner Inn Copain
ホステル 蔵
グリッズ 東京 浅草橋 ホテル&ホステル
グリッズ 東京 上野駅前 ホテル&ホステル
グレープハウス 高円寺
コマツヤ
GUEST HOUSE SaKURa
サクラホステル浅草
サクラホテル池袋
サクラホテル神保町
サトウサンズレスト
THE WARDROBE Hotel 下北沢
328 Hostel & Lounge
ジェイズバックパッカーズ
ゲストハウス シエ シミ
CITANホステル
ゲストハウス品川宿
墨田長屋
ゲストハウス 扇子
ターンテーブル
ホステルチャプターツー東京
hostel DEN
ゲストハウス東京麻布
東京ゲストハウス 板橋宿
Tokyo Guest House Ouji Music Lounge
東京セントラルユースホステル
TOKYO-W-INN Asakusa
東京ひかりゲストハウス
ゲストハウスtoco
TOP EDGE HOSTEL Koenji
Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE
Nomad Hostel Classic
バックパッカーズミニハウス
bnb+ Akihabara
bnb+ Ueno Okachimachi
bnb+ Kanda Terrace Ogawamachi
bnb+ Secret Base Mejiro
bnb+ Shinbashi
bnb+ Toranomon
ヒサヨズ イン
フォーカス蔵前
BOOKANDBED TOKYO 新宿
FromScratch TOKYO
ベースイン鶯谷
ベースイン駒込東京
ベースイン田端
Hostel Bedgasm
MANGA ART HOTEL, TOKYO
YAWP! backpackers
リトルジャパン
LYURO 東京清澄 by THE SHARE HOTELS
Ryoma Ikebukuro


【2020年以後に、新規で開業した宿】
(名称変更して、OTAのデータをリセットした宿を含む)

AKARENGA House
Hostel 1010 KitaSenju
H2O STAY Ōtorii
Girls Only Share House Tama
Cocts Akihabara
Samurai Stay Sugamo
Time Sharing Stay 浅草
TOKYO E JOY INN West Shinjuku Branch
bnb plus Ueno Park
HOSTEL BEACON 吾妻橋
BEE-HIVE巣鴨
54Journey 東京赤坂ホステル
54Journey 東京大手町ホステル
plat hostel keikyu haneda home
Lodging Tokyo Tj03
Wise Owl Hostels River Tokyo
Wild Cherry Blossom-HOSTEL


以上、計85宿!!


こちらと当ブログの昔の記事〈都内100軒以上の宿の、屋号名をまとめる!〉とを見比べると、変化の度合いが分かりやすいかと思います。あちらは五年も前の情報で、墨田長屋さんやコマツヤさん等の記載がありませんが、すでに都内の有名どころの人気宿はだいたい、勢揃いしておりましたので。今回のリストは主にBooking.comからコピペしたせいで、英語表記が多く、ちょっと比べにくくなっていて申し訳ないのですが(笑)。

ちなみに、この二年半の間に、ドミトリーをやめて完全個室制に移行した宿もいくつかありまして、今回のリストではそういった宿々は除外しております。ケイズハウス東京オアシスさん、あたりがそうですね。それを含めてしまうと、ホテルや一棟貸し宿、民泊との線引きが難しくなりますので。そして僕はあくまで、「ドミトリーがある宿=ゲストハウス」というイデオロギーを貫いておりますので。個室のみの宿はもはや別業種で、ウチとは競合相手ではないイメージです。


世界中の国々でコロナ禍の収束宣言が出され、日本でも全国旅行支援が始まろうとしており、世間でもようやく「もう、旅してもいいんだね~」感が出て来ました。よってこれまで休業していたところも、さすがにもう再開を決定しているでしょうから、このリストに記載している宿々がまさに、〈今、東京にあるゲストハウス&ホステル〉です。もちろん完璧と言うつもりはなく、抜けはあると思いますが(当該宿の方がいましたら、どうもすみませんです)。


計、85宿。コロナ禍が始まる前、2019年末の時点では、東京都内には300軒強のゲストハウス&ホステルが存在していました。上記のリストからお判りのように、この二年半の間に新規で開業した宿が17軒ありますので、つまりは、コロナの前から存在し今も残っている宿は、68軒。おおよそ五分の四の240軒が、廃業、ないしは完全個室に移行した、ということです。


改めて数字で確認すると今回の、長期に渡るコロナショックの残酷さに、愕然とします。今度こそ真のウィズ・コロナを実現し、日本の観光需要が本格的に回復し、宿業ならびに関連業界の復興が叶うことを、僕は切に願います。






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