2018年12月15日土曜日

40代に突入・・。 “経営者”は、もうやめる!!





どうもです。寒ぅ〜い! おNEWのエアコンが、絶賛活躍中です!!


YAWPは九日間の冬休みを終え、12日より運営を再開しております。もちろん年内は、もう休みません! 今年の休日数は、全部で85日でした。予定の100日よりも、15日間も多く働いてしまったッッ(笑)!!


僕は休みをそれなりに満喫しましたが、出来事としてこのブログ的に一番キャッチーなのは、“都内の小ゲストハウス・オーナーたちで集まって、飲み会をした”でしょうかね。


普段から仲良くさせていただいている、328HOSTEL&LOUNGEさんに初めて泊まりに行こうと思い、連絡したところ、ちょうどその日は328さんもお休みでして。「なら、飲みましょうよ!」と、やや強引に展開させたところ、僕以外のオーナーもたくさん集めていただき(僕は言い出しっぺのくせに、何もせず笑)。328HOSTEL&LOUNGEのオーナーであり、僕らのお姉さん的な存在でもある、ユカさんを慕う面々が集まった感じの飲み会になりました。初めて会う方も何人かいましたが、みなさん個性的(笑)で、とても楽しかったです。

そのメンバーの内の多くは、「来来 Samll Guesthouse」いう活動もされており、彼らは今頃、台湾でイベントの真っ最中です。日本のゲストハウス文化の普及のために、こうしてがんばってくれている彼らのことは、僕は全力で応援しておりますよ! 参加はしていませんし、する予定も今のところはありませんが、一番のサポーターのつもりではいます(笑)!!




さてさて。

別にわざわざ書くような話ではないのですが、まぁ去年もそれに関連させた記事を書いたしで、今回もわざわざ書きますが。

実はワタクシ、この休みの期間中に誕生日がありまして、ついに40の大台に乗ってしまいました!!

30代に突入した際には、僕は「オトナになったなぁ〜」としみじみと思いましたが、40歳は・・・「ヤベェ、俺ってもう、完全にオジさんじゃん!!」というピリッとした気持ちです。「やっちまった!」の感覚に近い・・・。

そういえば、僕の30歳の誕生日は、ヨルダンのマンスールホテル(ゲストハウスですよ)で出会った日本人バックパッカーたちと死海に行き、みんなでプカプカ浮かびながら&強酸性の湖に身体中をヒリヒリさせながら、バースディケーキを食べたのでした。ケーキは途中で波を浴び、超しょっぱくてビッチャビチャの激マズな、得体の知れない物体になってしまい、パーティは失敗に終わりましたが・・・。あれから10年。う〜ん、いい思い出です!!



休みの間、オーナー飲み会の日を除けば誕生日も含め、僕は外出することはほとんどなく、宣言通りにひたすらにダラダラしていました。計八日間を、思いっきり無意味に過ごす! 基本は寝転がって本を読み、一日1〜2本くらいのペースで映画ばかり観ていました。というわけで、観た映画(DVDを含む)13本の採点を。


★★★★★
孤狼の血

★★★★
アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル
ワンダー 君は太陽
RAW

★★★
(館)ボヘミアン・ラプソディ
インクレディブル・ファミリー
ラッキー
ローズの秘密の頁
グッバイ・ゴダール!

★★
カメラを止めるな!
ジュラシック・ワールド/炎の王国
ファントム・スレッド


(館)ヘレディタリー/継承


巷で大ヒットしている“ボヘミアン・ラプソディ”は、クィーン(本物)の楽曲やライブパフォーマンス自体が素晴らしいのであり、映画としてはいたって凡庸だと感じました。ストーリーがありきたり過ぎる上に、事実と異なる点ばかりだそうですし。完全にフィクションにしてエンタメに徹するか、脚色ゼロで史実を丁寧になぞるか、どちらかにしてほしかったので、この評価です。

同じく今年巷で話題になった“カメラを止めるな!”も、DVDがリリースされたので観ましたが、僕としては全然ダメでした。映画館で観ていたら、「金と時間の無駄だった・・」と後悔するレベルですね。

まぁ、ヒット作を腐してばかりではますます嫌われそうですし(笑)、映画に関しては年始にまた一年間の総括をする予定ですので、このくらいで。



話は変わり、いきなりですが、僕には最近ハマっていたことがありまして。休みの間はネットをほとんど開かなかったので、休みの前、基本は仕事中のヒマな時間にやっていたことなのですが。それは「You tubeに落ちている“マネーの虎”を観る」ことです。

覚えている方も多いと思いますが、この番組は20年近く前に、日本テレビで深夜に放送されていたものです。新しいビジネスを始めたいという志願者が、融資の希望額を提示し、事業成功者の虎(有名企業の社長)たちに新規ビジネスのプレゼンをする、という内容です。

当時は僕は大学生でしたが、この番組は大のお気に入りで、毎週欠かさずに見ていました。そしてしばらく時が経ち、この秋にたまたまYou tubeで転がっているものを発見し、改めてスイッチが入ってしまいまして。TV放送の当時は、僕はあくまで傍観者的な視点といいますか、ただ“見ていて面白い”だったのですが。今では、僕もいっぱしの経営者でして。番組はすべて、過去に一度は見たことがあるのですが、なんだか新鮮なのです。経営者目線で見ると、感覚が全然違うのです。超・面白い!!


ただし、この“面白い”の内情は、正直に言いますと、出演者(志願者)をバカにするような思いが伴っています。「この人、頭悪すぎ!」「こんなくだらないアイデアに、融資してもらえるわけないだろ」「1億を希望? 詳細の説明、根拠なしで? なんちゅうテキトウさだ・・・」といったものです。僕が調子に乗りすぎ・・・な面はあるのかもしれませんが、この番組を実際に見ていただければ、皆さんにもおそらくわかっていただけます。パン屋を開きたい・・の融資希望額3000万の内訳に、毎月のアパート(住居用)の家賃五年分600万が含まれているようなレベルですよ。「私らはあなたのビジネスアイデアへ投資しようか判断するのであって、なんであなたの生活の面倒まで見なきゃならんの?」と、社長たちがなるのは当然で、実際にそれで叱りつけてくれるから気持ちがいい(笑)。


似たような話として。僕はヤフオクを中心に、オークションサイトもそれなりに利用しますが、例えばコンバースの新品スニーカーが2000円前後で大量に出品&落札されている中に、いきなり5000円のものがあったりします。別にレアでも特別でもなく、普通の量販店もので。さらにはそれが、中古だったりする。

すると「同商品の、新品:2000円が相場の市場で、中古を5000円で出品する人って、なんなの? バカ過ぎるだろ!!」・・と、僕は笑ってしまうわけです。おそらく、購入価格が6000円程度で、何度か使ったから5000円、とかいう根拠なのでしょうが(笑)。「相場、という概念ないの・・?」と呆れます。しかし、そんなケースは珍しくない。むしろ、しょっちゅう出くわします。

オークションの落札価格の相場なんて、調べればすぐにわかりますよ。そういうサイト、たくさんあります。それを開かなくたって、ヤフオクで出品しようとしている商品をまずは検索してみて、そこにズラッと並んだリストを見て、「あ、このスニーカーは新品でも2000円程度のオークション市場価値なのね」と気付けるでしょうに。そんなの、たったの10秒でできる作業ですよ。


しかし世の中には、実際に、大量にいるわけです。「何も考えず、何も調べもせずに、商売を始めたがる人たち」が。ゲームが始まり、真っすぐにダッシュして、そのまま最初のクリボーにぶつかって死ぬ者たちが! 僕は過去に、ゲストハウス業界へ新規参入した者や、これから開業したいと夢見る者々の中に、「アタマ、空っぽの奴が多すぎる!」となんとなくディスって来ましたが(笑)。これって、この業界に限ったことではないですよね。

アタマ、空っぽの奴!



・・・と、ここまで読んで「わかる・わかる」と共感してくれた方もいれば、「おいおい、ずいぶん上から目線だな」と不快感を覚えた方もいるでしょう。たしかにそうです、僕は別に、成功者じゃない。YAWPの開業からもうすぐ4年、生活には全く困らず、順調に続いているという意味では“うまくいっている”といえますが、別に大きく儲かっているわけでも、誰しもが認めざるを得ないような実績を残したわけでもない。

この不快感は、実は“僕自身に向けて”も存在するのです。僕はマネーの虎を見て、「こいつバカだなぁ〜」と毎回のように思うのですが、番組が終わると、「おっと、いけねぇ・・」となります。それは、「調子に乗っちゃアカン」という意味の自戒の念ではなく、「俺のこれは、経営者目線すぎてる」と思うのです。


最近はそこら中の起業家が、ブログやSNS等で過去の経歴や肩書きをビッシリと並べ(笑)、「PDCAを徹底」だの「シナジー効果が〜」だの「イノベーション」だの「ビジョン」だの「マンパワー」だの「リスケ」だの「マネタイズ」だの「コミット」だのと、カタカナ語だらけの発信を熱心にしています。それを見ると僕は「はいはい、要するにお前は、“経営者”としてカッコつけたいのな!」と突っ込みたくなってしまいます。

ラーメン屋を起業した人が、SNSでそんなことばかりを発していたら、「いゃあんた、ゴタクはいいから、とにかく美味いラーメンを作れよ!」と笑いたくなりませんか? 「お前、ラーメン屋だろう? ラーメン作りが好きで、その仕事をしているんだろう?」と。ラーメン屋なのに「あの人は、起業家だから(笑)」という皮肉たっぷりな目で周りから見られるのは、情けないことですよね。今の日本のゲストハウス&ホステル業界には、そういう者が多すぎます。


というわけで、40代に突入した今、僕は今後はもう、経営者“ぶる”のをやめようと思います。もっとシンプルな「ザ・ゲストハウス・オーナー」になります。オーナーというよりも、

「ただのゲストハウス・おじさん」になります。

僕はひたすらに、ゲストハウスが好きで、好きだからこそ、この仕事を始めましたので。“経営者”や、“起業家”になってはアカン。気取ってはアカン。ダサ過ぎる。イタ過ぎる。その目線で他者を評価することも、評価されることもアカン。大反省。今夜は強烈に熱いシャワーを浴びよう・・・。



実は、前々回【ゲストハウス原理主義を、ここに宣言する!!】と前回【三種ハイブリッドの者々に、辟易している!】、そして今回の記事は、僕の中では三部作という位置づけです。実は僕なりに、計画的に記事をUPしているのですよ(笑)。今回やAirbnb関連の記事など、意図して似たような内容を連発することもありますが、普段はできるだけ偏りすぎないように、話題の抑揚を心がけています。

そして、この三部作が、このブログにおける今年の〆です。これも、予定通りです(笑)。今年はまだ、半月も残っていますけどねぇ。年末は宿はもちろんフル続きで、超多忙になるのは確実ですので、本業に集中します。僕は個人的な目標軸として、ブログ記事は月に3本ペースと設定しておりまして、一昨年も去年も、そして今年も、きっちりと年間更新数が36本です! 真面目でしょ(笑)!!



それでは皆さま、2018年もYAWP! backpackers、ならびにこのブログへのご愛顧を、どうもありがとうございました!!

来たる2019年、僕は40代の“ゲストハウス・おじさん”として邁進しますので、どうぞよろしくお願いいたします!!!





2018年12月3日月曜日

三種ハイブリッドの者々に、辟易している!





宿は本日から、九日間のお休みをいただいております〜・・・が、大きな予定は特にありません。友人と飲んで、麻雀して、映画を観て、あとは毎日ダラダラします。ヒマに飽きまくったら、今年も“独り遊園地”を敢行するかもしれません(笑)。



まずは、月初めのいつものやつです!


【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計2575)】

 ①アメリカ     412
名(+14)
 ②日本       376 (+10) 
 ③イギリス     251 (+1)
 ④オーストラリア  221 (+5)
 カナダ      210 (+3)
 ドイツ      130 (+9)
 ⑦フランス      89 (+4)
 ⑧タイ        73
 ⑨台湾        67 (+1)
 ⑩韓国        60 (+2)


【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

2015】
4月:22( 81:3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11( 60:5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)
6月:26( 72:2.77:60%(10)
7月:45(139:3.09:61%(12)
8月:81(247:3.05:66%(12)
9月:64(215:3.36:90%(10))
10月:56(152:2.71:61%(10)) 
11月:42(112:2.67:45%(10)
12月:68(191:2.81:68%(10)
【2017
1月:50(190:3.80:79%(10)
2月:22( 81:3.68:58%(10)
3月:55(151:2.75:97%(12))
4月:75(238:3.17:79%(12)
5月:61(185:3.03:57%(12)
6月:19(126:6.63:84%(10)
7月:54(186:3.44:55%(12)
8月:66(234:3.55:75%(12)
9月:39(149:3.82:54%(12)
10月:67(230:3.43:74%(12)
11月:50(151:3.02:52%(12)
12月:52(167:3.21:57%(12)
【2018
1月:41(132:3.22:46%(12)
2月:42(129:3.07:45%(12)   
3月:58(143:2.47:60%(12))
4月:73(240:3.29:80%(12)
5月:74(270:3.65:73%(12)
6月:39(122:3.13:73%(12)
7月:51(189:3.71:79%(12)
8月:78(295:3.78:95%(12)
9月:68(206:3.03:78%(12)
10月:63(222:3.52:69%(12)
11月:75(200:2.67:67%(12)
          
計:2575(8323:3.23:69%※)

※稼働率のみ、直前一年間の平均

名目実績(泊数:日数平均:稼働率)234:3.12:78%



先月は、1泊の滞在のゲストがメチャ多かったです。新規75名の内、25名が1泊で。よって、滞在日数の平均も久しぶりに3を割りました。なので、いつも以上に忙しかった印象です。まぁ、いいんですけれど。

ただ、超トラブルメーカーなゲストが、過去に例を見ないレベルで多発していました。キックアウトを検討したゲストは、思い出すだけで5人もいます。実際にはキックしませんでしたが、僕はストレスが溜まりまくりで。僕は三年半の歴で、その検討をしたのはおそらく20人位で、割合的には130人に1人程度なわけですが。今月はなんと、15人に1人! まぁ、いぃ・・・いや、これは全然よくないッッ(笑)!!

ノーショウと直前キャンセルが大量発生、来てくれたゲストも自分勝手な迷惑者だらけ。長くやっていれば、こんなとことんツイていない月もあるよなぁと、開き直るしかないです。11月は、例年では集客にかなり苦戦しておりましたが、今年はギリ&ジャストで200泊を越えましたので、その点はよかったです。日本人のゲストさんは素晴らしい方ばかりだったので、彼らと接することで癒されましたよ(笑)! ありがとうございました!!



さてさて。

前回の記事が、けっこう刺激的な内容だったからか、いつも以上にいろいろな友人や業界関係者から、メッセージをいただきました。反作用もあるかなと思っていたのですが、みなさん好意的で。「よくぞ言ってくれた!」「誰かが言うのを待ってた!」といった、強めの応援もかなり来ました。

ただし、ワイドショー的な興味といいますか、「あそこの宿のことでしょ?」といった探りも、けっこう受けました(笑)。僕のあの書き方だと、まぁ、そうなりますよね。なので今回はまずは、その点を素直にクリアにします。といいつつ、業界人には分かるレベルまでに止めて、オブラートにはまだ包みますが。


倉敷の宿、浅草橋の宿、金沢の宿・・・は、みなさんの推測の通り、僕の“理想のゲストハウス像”からは大きく離れておりますので、記事を書きながら僕の頭の中に浮かんでいたのは事実です。彼らを順にザックリと言ってしまえば、“交流を押し付けたがり”、“地域貢献したがり”、“向上心アピールしたがり”です。しかし不思議と、それぞれで際立っているだけで、彼らは1本軸のイメージです。倉敷の彼は、地域貢献も大好きですけどね(笑)。

彼らは、それぞれ賛否は別れる(僕もそうでしょうね)ものの、業界歴が長く、有名な方々です。みなさん成功していますし、僕にはリスペクトの気持ちもあります。特に金沢の彼の向上心アピールは、会社の経営者としてのものが主ですし、実際に有能なのは間違いないので、意識が“高い系”ではなく“本当に高い”印象です。なので、僕が前回書いた「ここ1〜2年の間に」の対象は、彼らだったわけではなく、彼らの存在が記事を書くきっかけになったわけでもありません。


実は最近、この三点:“交流を押し付けたがり”・“地域貢献したがり”・“向上心アピールしたがり”を見事に混ぜ合わせた、スーパーハイブリッドな者々が、この業界に、まるでサイバイマンのようにボコボコと湧き出ているのです。特に際立つのが、福岡の宿の青年と、宮崎の宿の女性ですね。彼らはゲストハウスのオーナーではなく、箱を任せられた雇われさんのようですが。

彼らが毎日欠かさずに書いているブログやtwitterで、息を吐くように延々と繰り返されるキラキラ・アピールを読んでいると、「この業界が、こういう者たちに浸食されたらヤバいな・・・」と思ってしまいます。彼らは、典型例として辞書に載せたいくらいに、まさに“ザ・意識高い系!”な印象です。


会ったことがないくせに、僕がソウルメイト(笑)だと勝手に思っている館山ウィールズゲストハウスのヤシロさんが先日、twitterで

ゲストハウス界隈、
地域おこし・田舎暮らし・開業準備中・ブランディング・場づくり・交流・繋がる・起業・クラウドファンディング・暮らすように旅する・多拠点生活・・・
そろそろ「オンラインサロン」とか言い出すヤツいるんじゃねーの?ってハナクソほじりながらネットを見ている。


と書いていて、僕は今年一番かもしれないくらいに、大爆笑しました。前述の、ハイブリッドな彼らの発信は、これらのワードはもちろんながら、ひたすらに「学び」「出会い」「気付き」「感謝」「成長」「縁」「絆」「信頼関係」「コミュニティ」「チャレンジ」・・・といったキラキラの羅列でして。それはさながら、黒魔術の呪文のようで、読んでいると気が狂いそうになりますよ!!

僕は「こういう“意識高い系”の若者が、この業界に引き寄せられる傾向が強いのは、前述の三つの宿のオーナーをはじめとする、カリスマたち(笑)が撒いた、歪んだ種から育った芽のようなものだ」という印象です。はっきり言います。「キモチが悪いから、マジで勘弁してよ!!!」



僕は、2008年から09年にかけて、世界を一周しています。あれからもう、10年です・・。旅先では、いろいろな者に出会いました。今でも繋がっている日本人の旅仲間は、30人ほどでしょうか。定期的に会っているのは、10人に満たないでしょうが。

そんな僕の旅仲間たちには、分かりやすい傾向がありました。それは「ただ、旅を楽しんでいる」です。一方で僕には、旅先で出会ったけれど関わるのが苦痛すぎて距離を置いた者々もいます。彼らを一言でいうと、「旅に意味を求める」です。


そんな彼らと僕との間で、けっこう頻発した“噛み合ない会話”の典型例をここに書くと、

僕「あそこの屋台で食った飯、旨かったぜ〜」
A「・・タクロウさんって、何のために旅をしているんですか?」
僕「へ?」
A「毎日ダラダラしているだけじゃないですか。旅に出た目的って、何だったんですか?」
僕「んぁ? 目的なんてないよ」
A「えぇ? それじゃあ、意味がないじゃないですか」
僕「は?」
A「意味のある旅をして、人として成長しなきゃですよ!」
僕「・・・・」
A「窮屈な日本では得られない〜」
僕「あのさぁ、旅って、意味がないからこそ楽しいんだわ。自分探しを押し付けんなよ」


そして彼らの多くが「毎日、満員電車に揺られる人生なんて、まっぴらゴメンだ!」とか「行動を起こさない奴が多すぎる!」とか、日本で地に足をつけて必死に働く方々を、ナチュラルにバカにします(本人にその自覚はないのでしょうが)。そんな彼らは、自身が旅をしていることを“スゴいこと”だと捉えており、その経験を得ることで他者よりも上位に立てる、と考えています。

前回の記事と似たような指摘になりますが、このような“自分探しの傾向”は、日本人の一部の旅人にしかない特徴です。僕は日本人宿よりも外国人だらけの宿に泊まることの方が多いので、旅先で仲良くなって行動を共にした外国人バックパッカーはたくさんいますが、彼らから「Youの旅に、意味はあるかい?」なんて聞かれたことは、一度としてありません。あったら、僕はギャグとして捉え、間違いなく大笑いしていますよ。


10年前、世界を放浪していた際に、僕は自身のことを“堕落者”だと思っていました。何も生み出さず、ただうまい飯を食べ、面白い場所に行き、気持ちよくのんびりして、愉快な人たちと話していただけですからね。旅での成長なんて、する気は全くなかったですし、実際に全くしていません。むしろ、よりダメダメ人間になったと思いますよ(笑)。

世界を一周したことに対して、「スゴい!」という反応をされることにも、強い違和感を覚えます。いやいや、僕はただ遊んでいただけで、あなたの方がよっぽどスゴいですよ、と。旅なんて、ロックみたいなもんで、人から褒められたりしたら、むしろ情けないと思いますけどねぇ。「お前、一年以上も世界をブラブラしてたの? 愚かだな〜!!」と笑われるくらいの方が、僕は心地がいいですね。


僕が旅に出た目的を、キモチ悪いけどあえて探して一つだけ挙げるとしたら、それは「笑い話になるネタが欲しかったから」です。なので、旅先では同じように「あの国でこんなヒドい目にあった」とか、「あの街で乗ったバスで、ウンコ漏らしちゃった」とか、「自転車旅(チャリダー)をやめてロバ旅(ロバー)に切り替えたのに、ロバが草ばっか食って全然走ってくれない」とか、そんなバカ話の共有が出来る者々とばかり仲良くなりましたし、今でも仲がいいです。


前述のハイブリッドな若者たちも、どうやらバックパッカーだと自負しており、海外旅の経験は豊富なようです。しかし、これはあくまでも推測ですが、彼らのようなタイプは間違いなく、「旅に意味を求める系」でしょう。

彼らは、
自己評価と社会からの評価との乖離にコンプレックスを抱え、
「オレは他の連中とは違う!」とモラトリアムを拗らせ、
弾き出されるような形で海外に救いを求め、
「旅ってスゴい!旅をしているオレってスゴい!!」となり、
しかし日本ではやはり誰からも認められず、苦しんだ末に見つけた、
その自意識を満足させてくれる環境、逃げ場のようなオアシスが、
ゲストハウスだったのでしょう。
そして、今日もせっせとキラキラを発信し続けるのでしょう。


「オレの経験値は、誰よりも勝る。旅は遊びじゃない、成長、学びだ。世間からの、旅人に対する偏見をなくしたい」

・・・ハァ・・面倒くせぇな・・・・・



僕はそんな彼らに向けて、クドいけれども改めて言います。


ゲストハウスって、そういうもんじゃないから!!