2018年10月27日土曜日

僕は、安田純平氏を尊敬する。




先日、久しぶりに大口予約ゲストの、ノーショウが発生しました。細かいノーショウは相変わらず頻発していますが、人数×泊数で20を越える予約の迷惑度&ダメージといったら、ハンパないです。怒りを通り越して、ただただ、呆れます・・・。


しかし最近の僕には、このさらに上を行く、“呆れまくり”が。それはシリアで三年四ヵ月に渡り拘束されていた戦場ジャーナリストの安田純平さんが、ついに開放され、無事に帰国の途についたニュースにまつわることです。


世間(ネット上)では、なぜか彼に対するバッシングが嵐のように吹き荒れ、「謝罪しろ!」「自己責任だ!!」などと言いたい放題。命の危機に直面し、なんとか無事に生き延びた者に対して芽生える感情は、なによりもまずは「助かってよかった!」ではないのですか? そもそも安田氏は謝罪コメントを出していますし、さらには「私に何が起きても、すべては自己責任」だと、シリアに渡航する時点から訴えており。身代金の要求には応えないでほしい、とまで発信していたのですよ。

謝罪した者に「謝罪しろ!」、自己責任だととっくに認めている者に「お前の自己責任だからな!」・・・なんなんですかこの、“噛み合っていない”感じは? バッシングしている連中のその感覚は、僕には100万%理解できない。


テレビ朝日の番組で、解説員の玉川徹氏が、こういった連中に対して異を唱え、「むしろ英雄として迎えるべきだ!」との論を展開していましたが、僕は彼の意見に賛同です。英雄とは言わないまでも、僕は安田氏に対して、尊敬の念を強く抱きます。

しかし玉川氏のこの意見に対しても、ネット上では批判の嵐でクソミソに。見たところ、彼の意見に賛同しているのは、30人に1人位でしょうか。比率にして、3%か・・・。


まぁ、これはあくまでネット上でのバッシングなので、世間一般の感覚と完全に合致しているとは思いませんけどね。それにしても、なんなのこれ? この偏り、皆で一人の人間を一斉に叩く異様な光景。しかも相手が、つい先日まで死の危機に瀕していた“弱っている者”。日本人のこの、さらに痛めつける感じ・・正直、キモチが悪すぎるんですけど・・・。


幸い、僕の周辺にはそんな者はいない(僕の知る限り)ので、直接会ってこの件でケンカした、なんてことはないのでよかったのですが。また、ここ数日間は、僕はウチのゲスト達とも何度かこの話題になりましたが(実は旅行中のゲストもけっこう、日本のニュースをチェックしているのですよ)、僕と話した全員が、
「助かってよかったね」「果敢に戦地に出向く安田氏は、素晴らしいジャーナリストだ」
という意見でしたよ。彼が過去にも何度か拘束されている、というのを知ったゲストからは、さすがに「愚かだ」的な意見が出るかな・・と思いきや、それにすら「スゴい人だ! なんという勇気だ!!」と絶賛で。

これにより僕が理解したのは、外国人ゲストたちは根本的に、ジャーナリストをリスペクトしているということ。ジャーナリストが支配組織に対し、ペンや写真で戦う姿勢は崇高であり、賞賛されるべきという意識だということ。これは、間違いありません。あなた(このブログの読者さん)の周りにも、もし外国人の友人知人がいたら、この件に対する意見を聞いてみてくださいな。



ここからはさらに、政治的な話になりますが。


僕は世界を一周した際に、シリアにも二週間ほど滞在しましたので、いちおう現地を知っています。もちろん、内戦が起きる前の、比較的平和な時期の訪問ですが。シリアという国の素晴らしさ、シリア人の優しさ、純粋さを、実体験で知っています。なので安田氏の、現地に飛び込んだ思いは、僕なりに共感します。“いてもたってもいられない”感、と言いますか。

かなり大胆なことをあえて書きますが、僕は「世界にはテロリストなんて存在していない」という考えです。権力を握る側が、自身にとって都合の悪い相手に対し「あいつはテロリスト」と一方的に設定しているだけのことだ、という意味です。僕は、世間でテロリストだとされている組織(IS等)のことを、肯定や賛同をしているわけでは全くありませんよ。


「それでも僕は帰る」という、2015年公開の映画があります。何年か前の話ですが、この映画の上映会&トークショーが都内で企画されており、僕はそれに参加しました。この映画は、シリア内戦において反政府軍のリーダーだった19歳の青年、バセットに密着したドキュメンタリーなのですが、トークショーの最後に、観客からの質問コーナー的な時間がありまして。



そこで僕は、大きく失望しました。おそらく5人ほどだったか・・の質問者は、映画を見た上で、総じて皆がバセット=ヒーロー、反政府軍=正義、政府軍=悪、というような印象を確定済みの上での、質問内容だったのです。

シリア政府(アサド)はロシア政府(プーチン)と大の仲良しですからね。一方で、反政府軍を支援しているのはアメリカで。僕らはフラットな目線で世界の情報を手に入れている、と勘違いしている者が日本には多いようですが、僕らがニュース等で知られる世界は、あくまで“アメリカ・サイド”に偏ったものですよ。

この映画を見て、反政府軍=正義だとあっさりと刷り込まれてしまった人は、すさまじく愚かです。シリア政府、ないしはロシア政府、さらにはロシア・サイドの国々からすれば、この反政府軍こそが、=テロリストですよ。彼らからすれば、シリア政府=正義なわけです。ニュースでも、そのように偏らせて報じていますよ。


この例で理解していただきたいのですが、“テロリスト”の定義なんてものは、完全に“見方による”のです。毎日ジャイアンに虐められるのび太が、ある時ドラえもんに頼んで仕返しをする。すると今度はジャイアンが「のび太は俺に攻撃して来た! テロリストだ!」と決めつけ、さらに虐める。もしかしたらジャイアンは、ドラえもんと裏で繋がっていて、仕返しをあえて受け入れてそれを今後の虐めの根拠にするつもりなのかもしれない。もしくは、実はジャイアンとのび太が結託していて、ドラえもんに道具(金)を使わせて双方で利益を得ようという魂胆なのかもしれない。

そんな“テロリスト設定”に、定義なんてないでしょう? 正義も悪もないでしょう?

それが、戦争というものです。


そもそも、シリアの反政府軍はISと密接な関係ですし、するとISはアメリカとも繋がってしまうわけで。圧倒的に世界最強のアメリカ軍が、一介のテロ組織?であるISを、なぜ4年も5年も放置し続けるんですかね? 潰そうと思えば容易いだろうに、攻撃をしたことすらない。シリアで過去に何度か、IS(&反政府軍)に対しての空爆を決行したのは、ロシア軍ですよ。アメリカではありません。この内戦におけるアメリカ軍の攻撃対象は、常にシリア政府軍です。

そして、ISの長期に渡るテロ活動?の、資金や武器を援助し続けているのは、どこのどいつですか? なぜ、ISも反政府軍も、構成員のほとんどが外国人なのですか? なぜ、安田さん開放の情報提供元が、カタールだったのですか? ・・・そんなこんなで、ISが、単なる凶悪な虐殺&戦闘集団ではないことは、ちょっと考えればわかることです。そこには、世界の歪みのような、複雑に入り組んだ根の深い“何か”があるのです。



しかし僕は、陰謀論めいたことをここで語りたいわけではありません。真実は、僕にも全くわかりません。しかし、僕は知りたい。誰が企み、誰が利用し、誰が支配しているのか。現地で本当は何が起きているのか、現地の人々がどれだけ苦しみ、どれだけ悲しんでいるのか、を。いきなりの答えは無理だとしても、せめて、そのヒントを知りたい。

戦場ジャーナリストたちは、僕にそれを伝えてくれる。伝えるために、命を懸けて戦ってくれている。その時点で、僕は彼らに対しては尊敬と感謝の念しか抱きません。僕にはそんな勇気はなく、確実にできないことですので。そして彼らの存在こそが、欺瞞と洗脳で密封されたこの世界から、僕らが抜け出すための風穴となるわけです。



僕は、世論には迎合しません。賛同者がたったの3%でも、無問題。これによって僕が嫌われてウチに来る日本人ゲストが著しく減ったとしても、全然かまわない(笑)。

“世界で起きていること”に関心がなく、テロリスト=悪、テロリストがいる=危険、そんな地域に何度も突撃するジャーナリスト=愚か者・・・という表面的な視点、先入観から脱却できない者々が、今回の件で安田さんをバッシングしているのでしょう。安田さんの、はるか昔の政府批判の発言をわざわざ引っ張り出してきて、「批判していたくせに、政府に助けられるバカ」だと???


・・・バカは、お前らだ。



僕が愛する国シリアの、平和の実現を祈ります




2018年10月20日土曜日

いかにして選ばれるか・・を考察する!!




夏の勢いそのままに、10月もメッチャ混んでいます〜!

今日現在、そしてこの先も27日頃までは、名目の稼働は95%を越えそうです。しかし28日以降の予約が、毎日5人前後をさまよう感じのスカスカっぷりでして。よって10月の全体では名目85%、実質で70%ほどに落ち着くのではないかと思います。



さてさて、まずはちょっとした業務連絡なのですが、
YAWP! backpackersはオープンから三年半が経ち、いまさら(笑)ですが

【レンタル自転車サービス】を開始します。

実は僕は、8月末に長年愛用していた自転車を盗まれ、怒り狂った勢いで「どうせなら次のやつは、カッコよくてディスプレイも兼ねるのにしてやれ!」と決めたのです。そして、費やしたのはたったの一週間ほどでしたが、“すこぶるカッコいい”のを発見して超ラッキー。それはアメリカの老舗自転車メーカー、Schwinn(シュウィン)が一昔前にリリースした、アンティークのチョッパータイプのものでして。


すこぶるカッコいいだしょ!


かなり目立つので、高砂界隈に住むこのブログの読者の中には、僕がこれに乗って街を走る姿を見た人が、それなりにいると思います。行きつけの定食屋さんなんかでも、店員さんからこの自転車の話題を振られましたし(笑)。

僕が宿にいる間は、この自転車は宿の一階に分かりやすくドッカリと鎮座しておりますので、ゲストからもよく、これについてを聞かれます。そして、けっこうな数のゲストから「乗って街を走ってみたいニャ」というリクエストを受けまして。その都度「スマンけど、これは俺の個人用なのよ〜」という返しをしていまして。


・・・というわけで、「乗りたいゲストがそんなにいるのならば!」となり、実は僕はこの一ヵ月の間、同じ自転車を地道に探し求めていたのです! そして、ついに見つけた!! 僕のよりも遥かに状態のいい・・・というか新品!! アンティークものなのに、まさかの新品!!! かなり値は張りましたが、どうせ僕の物欲は枯れているし貯金ばかり増えてもしょうがないしで、思い切って購入!!! 言うならば、内部留保からの設備投資です(笑)!!!!


二台目は赤! カッコいいだしょ!!


もちろん投資分は取り返したいと思いますし、あんまり好き勝手に使われたくないというのもあり、レンタルは無料ではなく(すみません)、 半日:500円、一日:800円ということにします。週に一人が半日借りるとして、月に2000円とザックリ計算。それだと元を取るまでに三年以上かかりますが、まぁいいでしょう(笑)!! ゲストの皆さん、このチョッパー自転車で東京の下町を疾走し、目立ちまくっちゃってくださいな!!!


うっとり♡




さて、話題はガラリと変わりまして。

今月頭に、僕は韓国に出かけたわけですが、今回は短期旅だったので、事前に宿の予約をネットで済ませました。僕は、世界一周した頃の記憶のリバイバルで、普段は“事前予約、一切なし”の旅を演出するのですが。今回は、特別です。


利用ブッキングサイトは、見やすいのでhostelworldにしましたが(オーナー目線では最悪のサイトですが、ゲスト目線では良サイトですね笑)、その際、僕はまず地図で範囲を絞り、次に値段のMAXを設定しさらに絞り。そこで残った5宿は、評価がすべて80を越えていたので「点数はどうでもいいや」となり、レビューの文章も一切読まず。あとは写真をチョロチョロッと開いて、一番居心地がよさそうな宿に決めました。

そこでふと、「ゲストってこの手順は、どうしてるんだろ?」との興味がわきまして。たまたまその日に僕は、ウチに滞在していたゲスト10人と大勢で飲みに行きましたので、その際に皆に聞いてみまして。

その結果が、下の表です。まずは僕が勝手に項目を五つ(値段・立地・評価点・レビュー内容・写真)とし、その中で宿の選択の判断に使う材料三つを、重要な順に選択してもらっています。

評価点とは個別ではなく全体評価点のことで、これは立地や値段の採点も含まれる数字なので少々被っておりますが、簡単に言うと“評価の点数で絞り込み検索をするかどうか”です。レビュー内容とは、過去ゲストによって書かれた“レビューの文章を読み、参考にするかどうか”です。総合ポイントとは、1位:3点・2位:2点・3位:1点とした、統計です(自己満足なこだわりですが笑)。





これ、すごく面白い結果が現れていまして。表の一番右端の項目、“ブッキングサイト”のAは“Airbnb”、Eは“expedia”、Hは“hostelworld”なのですが、なんとAirbnbからの予約ゲストは全員が、値段・立地・写真・・の三つを選択したのです!!

Airbnbは、ゲストとホストの双方の評価システムですから、基本的にはお互いにポジティブなことしか書きませんし、悪い点数を付けることも付けられることも稀です。なので、どこの宿でもいいことしか書かれていない→そんなのは判断材料にはならない、となるのでしょう。思いっきりシンプルな方程式で、容易に納得できます。

一方で、expediaからのゲストの多くは、評価点を気にしていますし、レビューもきっちり読んだ上で、ウチを選んでくれています。これまた僕の推測では、expediaやbooking.com(ウチは未登録)では、掲載されている宿の数が膨大なので、絞り込み機能をフル活用するゲストが多く、よって評価点も判断材料になるのでしょう。ウチは、今のところexpediaでの点数がメチャ高い(ありがとうございます!)ので、彼らにはウチを選んでいただけたのだということで。


これを簡単にまとめると、ウチがゲストからブッキングサイトで選ばれる際の判断材料は、

全体   :①値段     ②レビュー内容 ③写真
Airbnb :①値段     ②写真     ③立地
Expedia :①レビュー内容 ②値段     ③写真

だったということです。


これはあくまで(立地があまりよくない(・・と評価されがちな、))“ウチだから”の話ですし、たった10人のゲストに聞いただけの、蚊の鳴くような統計ですが(笑)。そしてこれはもしかしたら、業界人を相手には黙っていた方がいいことなのですが(笑)。


「写真を見てクールだと思ったから」というゲストが想像以上(10人中7人!)に多かったことは、僕はすごく嬉しく思います。そして「東京の中心地ではないことに、逆に魅力を感じたから」と言われたのは、それ以上に超・嬉しかったりもします。しかし一方で、「値段が安かったから」でウチを選んだゲストは10人中9人もいて、正直これにはなんとも言えない気持ちになります・・・。そして実は僕は、「レビューに凄く良く書かれていたから」というゲストに対しても、別にプレッシャーとかでは全くないのですが、なんというか、モヤモヤしてしまいます。


個人的には、先日の僕もそうだったように、評価点やレビュー内容なんて全く気にせずに宿を選んでくれるゲストが増えると、よりハッピーなのです。もちろん、いい評価やレビューをいただくことは、すごく嬉しいですよ。しかし宿オーナーをやっていてつくづく思うのは、評価なんてもんは完全にミズモノで。最高&完璧な接客対応をした!と自信があったゲストからなぜか悪い評価をいただくこともあれば、ちょっと失敗したかな・・なんて思っていたゲストから100点満点&絶賛の評価をもらったりもします。

また、こちらから選べない以上は、ゲストの質も完全に運次第です。ついている時期には、ひたすらに良ゲストの連鎖でサイコーですが、悪い時期には、トラブルメーカーばかりで畳み掛けるようにカオスが発生します。それに連なり、迷惑ゲストが大量発生の時期には、トラブル多発で当然、評価も下がる。そんなのを気にしながら、宿業なんてやっていられない。


この業界に限らず、レストランの食べログなんかもそうですが、他人が下したレビュー評価を気にするのは、もうやめにしませんか? サイトに代金を払って点数をムリヤリに上げたり、サクラに絶賛レビューの寄稿を依頼したりと、フェイクだらけのチートな世界ですよ。そんなのに振り回されるのって、バカバカしくないですか? これは“評価される側”である、サービス業に従事している者々の多くに共通する思いだと、僕は考えるのですが。

その点でも、悪意やチートが発生しづらく、いい意味で“他者”に振り回されないゲストが多いAirbnbが、僕としてはやはりベストですね。いい加減に、他のサイトも双方評価制を採用してくれないかなぁ。客側が一方的に好き勝手に書けるシステムなんて、もう古いって! こんなことを書くと、評価やレビューを見てウチを選んでくれた方々に、悪いのですが(笑)。



ブッキングサイトに大量に掲載されている宿々の中から、自身の宿が選ばれるための策は、サイトごとに違います。もちろん値段の面が、あらゆるサイトで最重要なのは間違いありませんが。


頭を使って、戦略的に行きまっしょい!!!



後ろ姿にも、うっとり♡




2018年10月11日木曜日

実は、個人的に応援している宿がある!!





僕にしては珍しく、ショートスパンでの更新です。まぁ、たまには。ランダム感があった方がおもしろいですし。



少し前、6〜7月の夏休みの間に飲んだ友人の一人から、僕はこんなことを言われました。「お前って最近、“業界がヤバいよ”系の記事を書いてなくない?」と。

これは、その通りです。それも、たまたまではなく、意図的にです。その理由はいろいろありますが、まずは僕自身のマインドとして、


〈3月末からは繁忙期なので、経営に対する逼迫感がない〉

からですね。僕はド正直ですから、この半年は「ヤバいよ!」と熱を込めて書きたくなるような心境には、全然ならなかったのです。6月にAirbnbが闇民泊を一斉に追放し、その恩恵で潤ったおかげ、というのも、もちろんあります。しかし僕は、昨年まではそんなハイシーズンにも、たまに「ヤバいよ」発信をしていましたっけね。そもそも、この発信はウチが厳しい、というのが主意ではなく、業界全体への分析から来るものでしたので、ウチの経営状況とはあまり関係がありません。


あとは

〈宿が増え過ぎてしまい、分析するのが面倒くさい〉

・・というのが、確実にあります。今は都内で、250軒くらいでしょうか? それすらもはや、ちゃんとは数えていません。お客目線でブッキングサイトを開くことも、最近はほとんどなくなりました。見ているだけで疲れますので・・・。


しかしやはり、なんといっても一番の要因は、

〈4月のアベマTVの番組を見て、「あぁ、俺がどれだけ必死に発信したところで、世間には全く届かねぇんだな〜」と、一気に冷めた〉

ですね。件の番組についてをご存じない方は、このブログの過去の二つの記事(期待をした自分が、バカだったアベマTVの番組についてを、ここに清算する)を、ご参照ください。

実際に、あの番組の放送以降は、僕は「ヤバいよ!」発信を一度もしておりません。ウチの経営は別に問題なくやっていけているし、業界全体とか、他の宿のこととかは、もうどうでもいいかなぁと。開業したい者は勝手にすればいいし、勝手に現実にブチ当たり、勝手に行き詰まって勝手に廃業すればいい。そんな、陰湿なヤサグレ方をしたわけです(笑)。



しかし僕には、変わらず密かに、続けていることがありまして。それは、全国の、すでにゲストハウスを経営している方、そして、これからゲストハウスを経営したいと夢見る方、それらの方々のブログを読むことです。


僕が定期的に開いているのは、全部で10を越えます。不定期で開くものを含めれば、20〜30くらいは読んでいるでしょうか。もちろん、新規の開拓もたまにします。


そこで最近、僕が断トツで注目しているブログがありまして。それは、館山ウィールズゲストハウスさんのブログ、

【意識低いゲストハウスオーナーの業務日報】

です。


いやはや、メチャおもしろい! 9月以降は何があったのか、更新の頻度がすさまじいことになっており。僕は今や、毎日の朝に出勤してメール&新規予約チェックを終えて、まず最初に開くのがこのブログになっています。

ブログの主、ヤシロさんは、ユル〜い経営スタンスはもちろん、ドリーマーな開業志望者に対する苦言や、クラウドファンディングに対する否定的なスタンスなどを見る限り、確実に僕と感覚が近い。ブッキングサイトに媚びない感じも、とてもいい。まぁ、それは実際に読んでいただければわかるので、興味のある方は、上記リンクを開いてみてください。



実は僕は、先の秋休みに、終盤の数日くらいはどこかに行こうかな〜と思い立ち、最初に思い浮かんだのは、館山に一泊旅行してこちらのゲストハウスに泊まることでした。結局、悪くない価格の飛行機チケットを発見し、僕は韓国に向かいましたが。けっこう本気で、検討したんですよ。

韓国ではネット環境におらずでしたから、僕は日本に帰って来てPCを開き、またいつものようにヤシロさんのブログを読んだわけですが・・・え? 来年1月で、宿を閉めるって!!???

大ショーーーーック!! まだまだ、頑張って欲しい!!! ブログも、ずっと続けて欲しいのに!!! いきなりの「辞めます」・・・そりゃないって!!!


・・・というわけで、今回のこの記事は、実は彼に対するメッセージなのです。応援しているから、辞めないでオクレ!! 経営はいつか、軌道に乗りますって(根拠の無い、極めて無責任な発言ですが)!!!

・・しかし、直近の更新によると、今後は“閉業までを綴るブログ”にするとの宣言が・・・。オゥ、それはそれで、面白そうだな。強く惹かれる・・・。


先ほど「勝手に廃業すればいい」とかヤサグレたくせに、分かりやすく矛盾しておりますけどね(笑)。僕はバカなドリーマーたちに対してそう思うだけで、ヤシロさんは堅実で頭がいいので、その範疇では確実に無いです。しかし、そんな彼ですら経営が成り立たない、というこの業界の現実!


僕が「業界がヤバいよ」を発信しなくなってから半年を越えますが、その間も館山ウィールズゲストハウスさんに限らず、たくさんの宿の廃業や身売りの情報が入って来ています。その中には、すこぶる評判が良く人気とされていた宿もあり、驚かされることが多いです。

一方で、開業志望者たちのブログを読むと、なんだか「以前よりもさらにアホが増えたなぁ」と思います(失礼を承知で)。自己資金ゼロ、クラファンで1000万を募る、、そんな奴ばっかり(笑)。

はっきり言いまして、今さら「ゲストハウスをやりたい!」となっている“後追い組”の多くは、そもそもからしてズレています。そしてそんな彼らだからこそ、業界の現状分析は全くしておらず、税制や融資等の知識も全くなく。彼らは僕のこのブログにも、辿り着いていないことでしょう(ゲストハウス経営がらみでネット検索すれば、このブログは必ず1ページ目でヒットしますが)。


僕は今後もしばらくは「ヤバいよ」発信はしないでしょうが、言わないだけでずっとヤバいんですよ〜、この業界(笑)。



なんかワイワイやってた




2018年10月7日日曜日

僕は旅を“したい”のではなく、“するべき”なのだ!




秋休み終了!!

・・・で、再開したら初日にいきなり京成線が完全ストップ(塩害停電!)で、ハチャメチャでしたよ!! まぁ、僕は待っていただけで、実際にエライ目にあったのはゲストたちなわけですが。京成電鉄の職員さん、お疲れさまでした!!!




ではでは、まずは、月初めのいつものやつです!



【YAWP!来泊ゲスト国籍 トップ10(2015年4月〜:計2437)】

 ①アメリカ     388
名(+11)
 ②日本       352 (+14) 
 ③イギリス     249 (+1)
 ④オーストラリア  214 (+1)
 カナダ      199 (+6)
 ドイツ      113 (+4)
 ⑦フランス      82 (+7)
 ⑧タイ        73 (+1)
 ⑨台湾        66 (+2)
 ⑩韓国        58 (+3)


【新規ゲスト数(泊数:日数平均:稼働率(キャパ))月別まとめ】

2015】
4月:22( 81:3.68:22%(12))
5月:28(132:4.71:35%(12)
6月:11( 60:5.45:17%(12)
7月:65(205:3.15:59%(12)
8月:98(312:3.18:93%(12)
9月:79(278:3.52:93%(10)
10月:91(253:2.78:94%(10)
11月:74(227:3.07:84%(10)
12月:84(229:2.73:82%(10)
【2016】
1月:59(198:3.36:73%(10)
2月:55(194:3.53:78%(10)
3月:72(242:3.36:83%(10)
4月:83(275:3.31:85%(12)
5月:100(278:2.78:80%(12)
6月:26( 72:2.77:60%(10)
7月:45(139:3.09:61%(12)
8月:81(247:3.05:66%(12)
9月:64(215:3.36:90%(10))
10月:56(152:2.71:61%(10)) 
11月:42(112:2.67:45%(10)
12月:68(191:2.81:68%(10)
【2017
1月:50(190:3.80:79%(10)
2月:22( 81:3.68:58%(10)
3月:55(151:2.75:97%(12))
4月:75(238:3.17:79%(12)
5月:61(185:3.03:57%(12)
6月:19(126:6.63:84%(10)
7月:54(186:3.44:55%(12)
8月:66(234:3.55:75%(12)
9月:39(149:3.82:54%(12)
10月:67(230:3.43:74%(12)
11月:50(151:3.02:52%(12)
12月:52(167:3.21:57%(12)
【2018
1月:41(132:3.22:46%(12)
2月:42(129:3.07:45%(12)   
3月:58(143:2.47:60%(12))
4月:73(240:3.29:80%(12)
5月:74(270:3.65:73%(12)
6月:39(122:3.13:73%(12)
7月:51(189:3.71:79%(12)
8月:78(295:3.78:95%(12)
9月:68(206:3.03:78%(12)
          
計:2437(7901:3.24:68%※)

※稼働率のみ、直前一年間の平均



名目の泊数は257、稼働は97%でした。これは8月の95%を上回り、単純な混みっぷりとしては8月以上だった、ということになります。とはいえ、長期泊のゲストが多かったため、「ぐわっ! 忙しいぜ !!」というわけでもなく、とてもよかったです(上記の平均泊数がそんなに高くないのは、休暇前の最終日に9人もの一泊ゲストのインがあったためです。それを除くと、この数字は3.34、名目で4.20に跳ね上がります)。皆さま、どうもありがとうございます。




さてさて、今回は休み明けのいつもの“何をしていたか”報告ですが・・・。最初の一週間強はひたすら家でダラダラし、残りの四日間に韓国に行っただけでして。

なので、話題は必然的に韓国旅になるわけですが。実は正直に言いまして僕は、韓国でもダラダラを継続しちゃったんですよ(笑)。結局、釜山からは一歩も出ず。さすがに最低でも一日一度は外出しましたけどね(旅人用語で、ワンディ・ワンスィングと言います)。なのでこれといって、語れるほどの思い出は無し・・・。


そんな、無意味で非生産的な短期旅でしたが、それでも僕は確実に、行ってよかった!のですよ。直前に訪韓を決めたので、飛行機のチケット代もそれなりにしましたし、韓国の物価は日本と同等なので、節約的なことが達成できたわけでもないのですが。むしろ、旅のメシくらいは豪勢に行こうじゃないかモードに入ってしまいまして、けっこう散財しちゃいました(アワビ、うまかった!)。


こんな短期旅は10年以上しておらず(僕の普段の旅はミニマムでニ週間です)の状態で、今回、一年半ぶりに海外に出て、僕の中で「長期にしろ短期にしろ、とにかくそれなりの頻度で、なんなら年に数回は、旅に出るべきだ!」というのが鮮明になったんですよ。「したい!」ではなく「するべきだ!」なのです。

どういうことかと言いますと、今回の旅は思い出作りがゼロだった一方で、いい意味で中途半端に、旅人スイッチ完全on状態ではなく、ゲストハウス・オーナーのマインドが残ったままだったんですよね。なので今回、自分がゲストの立場になって海外のゲストハウスに泊まり、ゲストハウスオーナーとしていろいろと、考えることが多くあったということです。


例えば、飛行機の到着が遅れて宿に報告済みのチェックイン予定時刻に間に合わなくなりそうになり、かなり急いで向かった際には、「遅れて来るゲストってメチャ多いけど、これはしかたないよなぁ。もっとおおらかにならなきゃだ・・・」と、しみじみ思いましたし。

空港での両替はレートがかなりヒドかったので街ですることに決め、宿での最初の支払いをカードでした際には、「チェックインが現金のみって、そりゃ不便だよな。ウチもカード決済を採用するべきかなぁ」と思いましたし。

宿での滞在中には「このやり方は理にかなっているな」とか「これはいいサービスだな」というのがいくつかあり(詳細はあえて書きませんが笑)、勉強&参考になりましたし。

その一方で、「これはダメだなぁ」「気が利いていないねぇ」「ここをこうすればゲストにもっと喜ばれるだろうに」というのもそれなりに発見し。もちろん、余計なお世話なのでスタッフさんには何も言いませんでしたが。

(出来事がないので、例えにもエッジが全く効いてないですね・・)



という感じで僕は、旅を満喫していたどころか、むしろそんなことばかりを考えていた三泊四日だったわけです。そして、この作業というか、この“一旦立ち止まり、外側から改めて見て体験して考え直す”行為は、確実に大切なことだなぁ〜というのに達したわけです。これは別にたいしたことではないのですが、なんだかその効用を大きく確認できた旅だったのです。


まぁ、そんなもっともらしいロジックで、「旅費はきっちり経費で落としちゃいますよ!」という税金対策の根拠にしようという思惑もありますが(笑)。ええ、もちろん去年のタイ旅の費用も、経費にしちゃいましたよ〜。




ちなみに、僕が泊まった釜山の繁華街にある宿は、たまたまなのかもしれませんがメッチャ空いており、8人ドミの同部屋は僕ともう一人だけでした。なんとなく国籍不明なアジアンの青年だったのですが、僕は完全にだらけモードで英語を話すのもおっくうな気分でしたし、話しかけようかやや迷ったんですよ。しかし、彼のバックパックを見て「あ、これは気が合うタイプの旅慣れさんだな!」と確信しまして。そして話しかけ、仲良くなりまして。

彼のバックパックは、簡単に言うと“とても小さかった”のです。しかし、彼の醸し出す雰囲気は、長旅をしていますよ〜風でして。


荷物を見て人間性を推し量るというのは、おかしな話のようですが、これってけっこう当たると思うんですよね。逆に言うと、どデカいスーツケースを何個も引きずりながら旅しているような人とは、僕は気が合わない確率が高い(笑)! ウチの宿で、過去にウェルカムした2000人以上のゲストたちで統計をとったと仮定しても、これはかなり当てはまると思います。


この、「荷物はとにかく少なく、小さく軽く!」「もし足らない物があっても、現地で買えばいいしどうってことない」の価値観。その逆の、「荷物は大きくなってもいい。念のため全部を持って行く!」「旅先で何かあって困りたくないし!」の価値観。このギャップって、その人のキャラクターのかなり根っこの部分から来ているような気がするのですよ。


極力小さいバックパックで長旅をする者には、「ユルい」「ポジティブ」「いい加減」「フレキシブル」「基本、やる気無し」といった要素が内用されていると思うわけです。事前の計画なんて全く立てないけれど、フットワークは超軽く、気の向くままにテキトウにブラブラする。眠くなったら寝て、起きたくなったら起きる。こういう人とは、僕はやはり気が合います。


実は昨日から、一人のご年配のアジア人女性ゲストがウチに滞在しておりまして。年配の方は国籍を問わず、そしてアジア人女性は年齢を問わず、ほとんどが“どデカいスーツケース”での来泊なのですが。彼女はなんと、まるで近所のスーパーにでも行くような、一つのトートバッグのみ!! それで、三週間の日本一人旅とのこと!!!

それを知った瞬間に僕は、「このオバちゃんゲスト、絶対に面白い!」と確信いたしまして。そして実際に話してみると、経験豊富でとても魅力的、サイコーに気持ちのいい“まさにバックパッカー!”な方でした(トートバッグですが・・)。


もちろん僕は、全てのゲストを分け隔てなくウェルカムしておりますけどね。しかし特に、“小さいバッグで長旅”のゲストが到着すると、僕はなんだか期待するといいますか、“仲良くなれそう!”の熱がついつい上がってしまうのだ、という話です。