2015年11月21日土曜日

フランスの事件から一週間が経って。


先週、フランスはパリで、悲しい出来事が起きました。被害にあった方々への追悼と、一日でも早い世界平和の実現を、心より祈ります。


YAWP! backpackersには、フランス人の方が多く泊まります。そして、そんなに数は多くありませんが、ムスリム(イスラム教徒)の方も泊まります。マレーシアやインドネシアからの方がほとんどで、中東からいらっしゃったムスリムの方は、今のところおりませんが。


僕は比較的、イスラム教に関しての造詣が深い人間だと自負しております。中東に滞在経験がありますし、ムスリムの友人もいます。僕は無宗教ですが、仮に必ず一つ宗教を持たなければならないという決まりでもあれば、おそらく僕はイスラム教を選ぶのではないかと思います。



事件の翌日、facebookではプロフィールをフランス国旗化するという機能が追加されました。「事件の被害者への追悼」の意だということでしたので、僕も賛同し、そのようにさせていただきました(一週間を選んだので、今でもそうなっています)。

しかしなぜか日本では、この「フランス国旗化」することには賛否の声が上がり、ネット上で論争を繰り広げる者が現れました。つくづく、日本って平和な国だと思います。あくまで被害者への追悼の意でしているのですから、それに賛も否もないはずなのですが。たくさんの人々が亡くなったことに対し、単純に悲しみの意思を示すことに、なぜ批判が起きるのでしょうか?「フランス以上に中東では、はるかに多くの人々が殺されている」という論調の意見を多く見ますが、まさに余計なお世話で、そんなことは言われなくても、とっくにわかっています。


要は “プロフィールをフランス国旗にする=フランス政府(有志連合側)を支持する” ではないわけなのですが、そこを勘違いしている者がすごく多い印象です。前述の通り、僕は比較的、ムスリム寄りの人間です。今現在もシリアで西欧諸国が空爆をしていることに、激しい怒りと失望を覚えています。よって、「facebookはシリア国旗にする機能も追加しろ」と思います。それが採用されれば僕は当然、空爆のニュースを見る度に、プロフィールをシリア国旗にします。



まぁ、facebookのこの機能の意図をちゃんと理解せずに、「フランス政府を支持」「テロリストは殲滅すべき」等の意でプロフィールをトリコロールにしている者も中にはいるのでしょう。そういった偏った考えの者々へは、僕もたしかに、否を訴えたくなります。しかし逆に、中東問題の知識をろくに備えずに「中東でも人が死んでいるんだぞ!」と訴える “私は多角的に物事を捉えられる人間だ” アピールの者々、これも同様に愚かなことだなぁと思います。


要は僕はこの、日本でのfacebookプロフィールのフランス国旗化への賛否論争が、極めてバカバカしいと思ったのです。僕には、国旗化することが素晴らしいとか、皆もこれに賛同をとか、そういうのは全くありません。やりたい人はやって、やりたくない人はやらない、それだけの話なんですよ。にもかかわらずの、この論争。すごく表面的で薄っぺらく、世界情勢を語るにしてもそこを論点にするのはズレまくりで、平和ボケ感が丸出しです。と言いつつ、ほっとけばいいのに僕がここでこんなことを書くのは、パラドックスになっちゃっているような気もしますけどね。



先日、パリでムスリムの男性が起こした行動(動画参照)が今、世界中で行われています。この動画は日本でもそれなりに見られているようですが、こういったニュースや出来事が、もっとどんどん広がるような国になれれば、素晴らしいことだと思います。






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