2017年9月22日金曜日

政府発表の数字が、なかなか衝撃的だった!!



だいぶ涼しくなりましたね〜。

YAWP! backpackersは来週24日〜10月5日までは、少し早めの秋休みをいただきます。例の、“三ヵ月働いて一ヵ月休む”リズムのやつです。しかし今回もこのあいだの夏休み同様、特にやることもなくダラダラするだけなので、期間をだいぶ削りましたが。経営的にもそろそろ、一ヵ月も休めるほど余裕がなくなって来ていますし(涙)。


なので、9月はウチの宿としてはあと二日で終わりなのですが、今月の稼働率はなかなかヒドいもんで、50%はなんとか越えそうですが55%にはおそらく届かないですね。なお、例年だと9月〜2月はキャパを10と設定しておりましたが、ウチは7月からexpediaでの受付を開始しておりますし、さらにはもはや「ローシーズンはノンビリ経営で〜」とも言っていられない状況なので、今後はすべてハイシーズンと同じキャパ12で統一します。

なので、昨年9月の稼働90%と比べると凄まじい落ちっぷりに見えますが、あれはキャパ10での計算なので、今回に合わせてキャパ12で計算した場合には、75%です。それでも、20%以上の落ち込みですけどね・・・(涙)。


そんな感じで、経営的には好調とは言えず、あまりハッピーじゃない最近でしたが、その一方では長期泊&延泊&再泊ゲストが大量発生し、ゲストたちの和も強く、僕も皆とムチャクチャ仲良くなり、とにかく楽しい日々でした。カラオケしたり、相撲を観に行ったり、TVの撮影が来たりと、すごくイベンタブルな月でもありました。不思議なもんで、三〜四ヵ月に一度くらいのペースで、こういう“みんなで毎日盛り上がる”月が発生しますねぇ。おかげさまで、グッドレビューもたくさんいただき、感謝感激です!!




さてさて。そんなハッピー(楽しい日々)とアンハッピー(経営の面はビミョウ)が共存する時くらいは、ポジティブ気分を優先して楽しい記事を書きたいもんですが、今回も相変わらずの「業界がヤバいよ」系の内容です。



僕がこのブログで何度も書いていることに、「ゲストハウス開業セミナーは×」「ゲストハウス開業コンサルタントなんてのも×」というのがあります。今は僕は、“業界が完全に飽和状態なので、現状を包み隠さず発信し、これ以上増やさないことに努める”立場でいようとしておりますので、そういったセミナーやコンサルタント、すなわち「参入を促すことでお金を得ようとする者たち」に対して、否定的なスタンスになるのは当然のことです。


この業界、開業のラッシュは相変わらず収まる気配がありませんが、同時に今では、身売りの話も大量に発生しております。ある宿の経営者は、僕の大嫌いな“ゲストハウス・コンサルタント”もしているのですが、彼の宿も今では、身売り先を探しております。コンサルタントという肩書きは、その事業で成功を収めた者が名乗れるもんだと僕は思っていましたが、もはや何でもアリなんですね〜(笑)。



はっきり言いますが、僕は頭に来ています。彼の宿の、身売りのために発信している情報の中に、ウソが含まれているからです。


彼の宿は、ウチと同じくキャパ15人の小さな宿ですが、年間の稼働率は70%で、月間の売上げ平均は80万円なのだそうです。僕は、都内の宿々に関しては価格設定を常に確認しておりますので、彼の宿が普段、1泊2000円以下なことを知っています。ローシーズンには、1500円で売り出しているような宿です。


これ、どう考えたって、計算が合わないんですよね。稼働率が70%だというのを事実だとすると、仮に1泊を2000円だとしても、月の売上げは60万ほど。逆に、売上げの80万円を事実とすると、稼働が90%に近くなってしまう。よって、70% or 80万、この開示情報のどちらかは、確実にウソなのです。もしくは、ベッドキャパの15人を超えるゲストをムリヤリ押し込むという、卑怯な手(違法行為)を使っているか。

年間の平均稼働が90%に達するなんて、土台ムリな話ですし、月の売上げ平均が80万というのが、おそらく虚偽です(それが本当なら、わざわざ稼働を70%と過小にする意味がありません)。一年で最も混む時期の、4月や8月にはそれくらい儲かったのかもしれませんがね。だいたい、平均稼働が90%なら、この業界では勝ち組中の勝ち組。そんな優良なビジネスを、手放すわけがないのです。事業の売買で、開示した決済情報を粉飾するというのは、れっきとした違法行為ですよ。わかっているんですかね?



そんなウソまみれのチートな身売り話に、騙されてしまう人がいないように、ここでなかなか衝撃的なリンクを貼ります。観光庁が8月31日に発表した、統計調査です。


この調査結果、いろいろと注目点はありますが、まずは先の6月の簡易宿所(ゲストハウスが属する)の稼働率の全国平均が、なんと、なななんと、

27.7% !

とのことで! ガッッビーーーーン(古い)!!

7月でも、34.2%ですってよ奥さん! 壊滅的に低い!! 低すぎる!!!


しかしまぁ、これは茨城県の5.0%とかも含まれている、日本全体の数字なわけで(茨城にあるゲストハウス、大丈夫でしょうか!?)。僕が常々、分析している東京都内だけを見てみると・・・・

52.8%

でして。

・・・まぁ、これは予想通りというか、以前から僕が発信していた「オペレーション設計は50%設定で」や「今年中に最悪、都内の稼働平均は45%になる」に、近い数字です。「政府発表のデータは信用できない」とも日頃から発している僕ですが、これに関しては同意しちゃおうと思います(都合がよくてすみません)。ちなみに、大阪は54.4%で、京都に至っては、なんと31.4%なんですねぇ。この業界、東京もヤバいが京都はさらにヤバい、とは聞いていましたが、本当にそうなんですね〜(涙)。近年増えまくっている、石川も29.7%か・・・。



というわけで、東京都内のゲストハウスの平均稼働率は、今では約53%なのだということです。これは先の6月の数字ですが、この業界では6月はハイでもローでもない、中途半端で平均的な月ですから、年間の稼働率平均もだいたいそれくらいになります。


なので、前述の“オーナーがコンサルを名乗っているくせに身売りしている宿”の話に戻りますが、ここの稼働率が仮に本当に70%なのだとしたら、これはすでに平均よりも大きく高い数字なのです。しかし僕はこの数字に関しては、虚偽ではないと捉えています。この宿は、集客の方法が“とにかく値下げをしまくる”だからです。都内のゲストハウスの最近の平均価格が2400円前後で、稼働平均が53%なわけで、彼らのように1800円とかに設定してしまえば、70%には届くでしょう。値下げをしまくった結果、70%には達したが売上げは月60万にも満たず、経費等を引くと赤字続き・・・で、限界が来たのでしょう。


そして彼らは、撤退の理由も「事業の拡大のため」のように書いています。まぁ、それはそれで勝手に言っていればいいと思うのですが、とにかく、全体的に誠実さに欠けていると感じます。コンサルを名乗っている以上、プライドが邪魔をして「経営破綻しました」とは言えないんでしょうかねぇ? それをごまかすために、剥げまくっているメッキを必死に隠そうとしている最中なわけですね。



これを読んで、「そんなことを書いているアンタ(僕)も、いずれは経営が行き詰まって、身売りをするかもしれないだろうが」と思う方もいるかもしれませんね。僕は、一年ほど前の記事にも書きましたが、いずれ撤退することがあるとしても、

経営が好調でないかぎりは、それを他者に押し付けはしません。

儲からなくて首が回らなくなったら、潔く潰します。カッコつけずに、「失敗しちゃいました!」と素直に認めます。そしてビルを売ります。経営が好調、という状況の上で、僕の個人的な理由で(飽きるとか笑)引退する場合にのみ、身売りを検討します。ウチの営業実績は、毎月このブログにアホみたいに赤裸々に載せているので、粉飾のしようもありませんしね。



僕が、“宿をこれ以上増やさないように努めている”というのは、ウチの経営のために、という一面があるのは間違いありませんが、それ以上に、“胡散臭い連中の口車にのせられて、勢いで開業してアッという間に経営破綻に落ち入る人を、もう見たくない”という気持ちがあるからです。二度も同じことを書くとクドいですが、政府が発表した日本全国の簡易宿所の稼働率平均は、27.7%です。東京だけでも、52.8%です。


「これからゲストハウスを作りたい」という人も、「ゲストハウスの事業買収を検討している」という人も、この衝撃的な数字、この悲惨な現実は、ちゃんと把握しておくべきです。そして、やむを得ず撤退を決定し、身売り先を探すことになった宿は、粉飾等の卑怯な手は絶対に使わずに、とことんまでに誠実で実直になるべきなのです。




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