2018年6月9日土曜日

Airbnbは、ピッコロさんだったのか!




6月!

今月から始まる“アレ”についてを、語らないわけにはいかないでしょう!!


その“アレ”とはもちろん、サッカー・ロシアワール・・・については、以前にアホみたいな長文で書きましたっけね(→ワールドカップを、妄想して楽しむ!)。当時から僕の予想は大きくは変わっていませんし、労力と閲覧数との反比例がハンパないので(笑)、これについてを新たに語るつもりはありません。やっぱり、マニアックすぎる記事は反響が薄いですねぇ〜。


“アレ”とは、15日から始まる、民泊新法のことです!!


・・・といっても、僕としてはあくまで“様子を見てみよう”のスタンスでして。これまでいろいろと民泊について知ったように語って来たものの、実際には“新法が施行されてからどうなるかの未来予測は、鮮明にはできていない”だったのです。

なので、この内容もこのタイミングで書くわけではなく、少し様子見の分析期間を置き、7月半ばくらいに「民泊新法の施行から一ヵ月、現状はこうなっています」を書こうかと思っていたのです。


しかしながら先日、驚くべきことがおきました。愛読させていただいている「不動産ブログ マンション・チラシの定点観測」さんによると、民泊斡旋サイト最大手のAirbnbが、6月2日に、登録数5万件の内の4万件以上を、いきなり一斉に削除したというのです。東京都内では、1万6千件が、いきなり2千件に激減! 1万4千件が、丸ごと消えてなくなった!!

全国Airbnb登録件数、1日で4万件(▲76%)減【不動産ブログ マンション・チラシの定点観測】


僕はこれまで、「民泊は今後、個人向けではなく、企業優位のビジネスになる」と幾度も書いて来ました。実際に、民泊事業への参入を発表していた企業が、不動産会社を中心に、たくさんあったからです。それらの企業は新法の施行開始の6月15日に向けて、物件の登録作業を着々と進めるのであろう、と予測していました。

ところがどっこい! 参入予定の企業たちが、ここまで何もしていなかったとは!! これから大慌てで作業するのか!? それとも、彼らの参入への熱量は、そもそもたいしたものではなかったのか!!?


闇民泊の連中のほとんどが“政府やAirbnbの対応を甘く見て”、登録作業を怠ることは充分に予測できておりましたけどね。彼らも、まさか施行の二週間前にいきなりバッサリと切り捨てられるとは、思ってもいなかったことでしょう。観光庁からの指導でこのタイミングになったそうですが、こればっかりは“正規の手続きをせずにシレッと6月15日以降の予約を受け付けていた連中が、愚かだっただけ”としか、言いようがありません。


というわけで今回、正直、気持ちがいいし楽しいしで、改めてAirbnbについてを掘り下げてみました。これまでは、ゲスト目線でAirbnbの登録物件を見てみる、なんてことは全くしていなかったのですが。

まず、これは知らずにいたことがかなり恥ずかしいし反省すべきなのですが、Airbnbって、想像よりもはるかに【同じ宿が複数、掲載されている】もんなんですねぇ。部屋ごとに登録しているケースが散見され、一つの宿で平均でも5件の登録くらいはしているのでは? という印象です。というわけで、都内にまだ2千件残っているとはいえ、物件数で言えば、実は400件とかしかないわけです。

前述した「不動産ブログ マンション・チラシの定点観測」さんによると、新宿区の民泊届け出件数は、なんとたったの45件だそうで。そして、今回の一斉削除により、 Airbnbの新宿区内の登録件数は約4000件から303件にまで激減。

【悲報】新宿区への民泊届出たったの45件【不動産ブログ マンション・チラシの定点観測】


物件自体は45件で、掲載が303件だということで。これを素直に割ると、イチ物件あたり約7件の登録ということになりますが。しかしながら、Airbnbにはもちろん民泊だけでなく、ゲストハウスやホステル等も登録されております。また、正式な届け出をせずにテキトウな偽番号でもってチートな継続をしているところも、ゼロではないでしょう(Airbnbはリストを役所に提出するそうですので、いずれバレてペナルティを食らうでしょうが)。

つまりは、新宿区においてはテキトウかつザックリめに言うと、

民泊として届け出:45件
旅館業営業 許可有り(ゲストハウスやホステル):10件
チート:5件

の計60物件が、Airbnbの300件の登録をしているのでは、ということです。よって平均では、一つの宿で5件の登録ということになります。それを踏まえて、都内全体の登録は2000件→実際の物件数は400程度、と推測します。


この内、ゲストハウス&ホステルはどれくらいありますかねぇ。都内の全体数は、すでに200軒を大きく越えていますが、その内のどの程度の割合がAirbnbに登録済みでしょうかねぇ・・・?

何を言いたいのかといいますと、Airbnbが闇民泊の撲滅に舵を切った今、このサイトのシェアの多くの割合は、ゲストハウス&ホステルが占めているということです。今はこの業界が、Airbnbのイニシアティブを握る、大きなチャンスなわけです。新宿区はゲストハウス&ホステルが比較的少ない地域ですので、検索するとヒットの多くは民泊ですが、これが例えば浅草界隈になると、ヒットのほとんどはゲストハウス&ホステルになります。


というわけで、闇民泊が丸ごと消され&参入企業がモタついている、今のこのタイミングは、ゲストハウス&ホステル業界にとってはボーナス・チャンスのような状態です。それはまるでハイエナのようですが、喰らいつきに行かなきゃ、もったいない!!



というわけで僕も、早速登録しました。Hostelworld、Expediaに続く、三つ目のOTAです。本当は新法施行からの様子見をした上で、7月頃に登録するつもりだったのですが。といってもまぁ、ウチはこれから夏休みでしばらく閉めちゃいますし、「このチャンスに儲けたい」というよりも、4万件をいきなり削除という「Airbnbの大英断にシビれた!」というのと、なんというか「俺も祭りに参加したいっ!」欲からですね(笑)。旅館業の認可番号を持っていることで、こんなにも気持ちよくなれる日が来るとは!!



これまで僕はAirbnbのことは、闇民泊を幇助し続け、正規で真面目にがんばっている宿々を苦しめる、“敵側”という捉え方でした。民泊新法ができたからといって、彼らがそれをどこまで順守するのかも、懐疑的な目線で見ておりました。

しかし僕が見るAirbnbのイメージは、今回のこの素晴らしい対応で、180度変わりました。彼らは、信頼に値します!! 悟空の前に立ちはだかった最強の敵・マジュニアは、サイヤ人の来襲に備えるために悟飯を訓練することになり、その後、頼もしい味方へと変貌しました。今の僕らにとってのAirbnbは、まさにこの、ピッコロさんなのです!


またとないボーナス・チャンスなので正直、「ブログには書かずに、こっそりハイエナ活動に勤しもうかなぁ」とも考えました(笑)。ですが、このブログを読むゲストハウス&ホステル業界人で、今回のAirbnbの大英断を知らない者はいないでしょうし、そして誰しもが「これはチャンスだ!」と気付いていることでしょう。

なので僕は、業界全体に向けて「今こそ、Airbnbのシェアを奪っちゃいましょうぜ、皆さん!」と大旗を振りつつ、その上で“いかにしてAirbnbで集客するか”の戦略は、「各々で考えましょう!」というスタンスでいることにします。僕なりに戦略はありますが、登録してたった五日間のルーキーの僕が「こうすれば民泊に勝てるはず!」を語ったところで、説得力は皆無ですし(笑)。


登録は超カンタンでしたし、予約の頻度もすでに全OTAで最高となり、思惑通りにすこぶる順調ですし、今のところ僕のAirbnbライフは、極めて快適です。問い合わせメールが殺到していて、「ぐぅ・・仕事が増えたな・・」感は、正直ありますが(笑)。


さらば、闇民泊!!!!



寝所たちの悪巧み・・・(?) 




6 件のコメント:

  1. こうなってしまうんじゃないかと、予感がありました。。。

    私が思うに、直前でこんな事態になってしまったのはすべてエアビーの責任じゃないですか?英断でもなんでもありません。今回の騒動の一番の被害者は突然予約を強制キャンセルされた民泊難民達ですね。

    まず、同じような民泊の法律が出来たサンフランシスコ市では、その法律の施行の日に数千件の民泊施設情報が一斉に非表示になった事例があったようなので、エアビーのシステムとしてそれは可能だし、日本でも6月15日に同じことが起きると予想できました。
    ただ、それが施行日より2週間早かったのは意外ですが、その事前対処も観光庁の通達によるものであり、エアビーが自主的に行ったことではないと思います。通達がなければ、普通に6月15日まで掲載を続けていたのではないでしょうか。

    ヤミ民泊を運営している方からの噂によれば、エアビーに6月15日以降の予約はどうなるのかと電話で確認したところ、予約の強制キャンセルはしないという回答があるとの話でした。

    そもそも、6月15日以降の予約を受け付けたヤミ民泊ホストも問題ですが、彼らに今更法令順守を説くのは無意味として、エアビーは登録済みの住宅宿泊仲介事業者として、しょっぱなから違法となる6月15日以降のヤミ民泊への宿泊あっせんをしていたのは、さすがに観光庁をなめすぎですよ。

    というか、新法が成立してからこれほど時間があったのに、6月15日以降の予約について観光庁と事前に協議をしていなかったのでしょうか?それとも、ヤミ民泊ホストの多くが届け出を出すという楽観的な見通しを持っていたのでしょうか?
    意味不明・・・・

    エアビーは別の施設で予約を取り直した際に生じる差額を補償すると発表していて、その予算がもろもろ11億円だとか。そんなの1か月くらい前から「未登録施設の6月15日以降の予約は解除されます」と発表していれば、
    ヤミ民泊ホストもさすがに予約受付なかっただろうし、まったく発生するはずのなかったコストですよね。

    私としては、強制キャンセル被害にあったゲストさん達には、リッツカールトンのスイートにでも泊まって頂きたいものです。もちろん、この機会にゲストハウスの良さを知って頂くのも、大賛成です。

    このような補償をエアビーが実施するのは日本が世界初とのことですので、エアビーの日本支社がよほどのへまをしたのではないかと・・

    裏でどのような駆け引きがあってこのような結果になったのか、興味津々です。

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    1. 僕とは少々、見解が違っています。

      僕の友人にもAirbnbに登録している者(闇ではなく)はいますが、Airbnbから「未登録施設の6月15日以降の予約は解除される」旨の通知は、ここ数カ月の間に何度も届いた、と言っています。さらには、何度も説明会を開催していたそうです。しかし、それは多くの闇民泊連中からは無視されていたわけです。連中はそもそも、通知を読んですらいないのかもしれません。

      6月15日以降の予約を受け付けていた者、一人々々に「まずは登録しなさい」と指導するのがベストだったのは間違いありませんが、数が多すぎてAirbnbとしては対処しきれなかったのでは? なので、通知通りに“15日にバッサリ切り捨て”にするしかなかった方針が、観光庁の指導を受け、二週間の前倒しになったと。

      急に指導が入ることが意外だったのは理解できますし、未登録施設には何度も登録を求めているしで、僕は今回のAirbnbの対応に、大きな落ち度があるとは思えません。

      例えば2ちゃんねるに書かれた悪口が原因で誰かが自殺したとして、「2ちゃんねるが悪い!」となるのは変じゃないですか? 今回のキャンセル難民を生んだ問題で、一番悪いのは間違いなく闇民泊の連中、次に悪いのは“15日というタイムラインをいきなり反古にした”観光庁です。しかしAirbnbは、それらには全く責任を転嫁せず、被害者への11億円の補償を約束しました。充分に、ちゃんとしていると思います。

      まぁ、Airbnbも闇民泊の連中と同様、ユルめの新法遵守でいいや、と当初は舐めていたのかもしれませんが。政府がここまで強硬に来るのは、Airbnbに限らず、世間一般からも意外なことだったと思います。

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  2. タクロウさん、

    返信コメントありがとうございます。

    「未登録施設の6月15日以降の予約は解除される」旨の通知は、ここ数カ月の間に何度も届いた」というのは知りませんでした。。。それでも予約を受け付けるヤミ民泊の人達もはや意味不明ですね(笑)

    私とタクロウさんの意見はほとんど一致しているのですが、確認のため論点を整理しますと、

    <一致している点>

    ①基本は闇民泊業者が一番悪い、全部悪い!
    ②Airbnbはまずは闇民泊に届出を促すべきだ
    ③闇民泊がAirbnbから掲載削除されるのは当然だ
    ④Airbnbが闇民泊の6/15以降の予約を解除するのは妥当だ
    ⑤掲載削除・強制予約解除の日程を急に変更した観光庁の姿勢はちょっと意外、どうかと思う
    ⑥Airbnbがすべてを補償する方針はえらい、見直した

    <意見が違うかもしれない点(?)>

    ⑦Airbnbはそもそも闇民泊の6/15以降の予約を成立させるべきではなかった
    ⑧ゲストは自分の6/15以降の予約にそのようなリスクがあることを充分に知らされるべきだった(実際はどうなの?)
    ⑨もし本当にAirbnbが闇民泊の6/15以降の予約を解除する予定であったなら、なぜ強制解除をもっと早く実行できなかったのか?(1か月前とか?1週間前は遅すぎない?)
    ⑩Airbnbはそもそも届け出開始された3月15日から闇民泊の掲載を削除しても良かったのでは?

    私は宿泊業界の人ではない素人なので「もし私が予約解除されたゲストの立場なら・・」という視点で考えると、なぜ⑦~⑩が出来なかったのか?と率直に思うのですが、やっぱりそこまでは難しいものなんでしょうか?

    このあたりは、媒体/仲介業者としてのAirbnbにどこまでの責任を求めるかの程度問題ですよね。

    ・Youtubeは投稿される著作権侵害の動画や音楽にどのくらい責任を持つべきか?
    ・Facebookは投稿されるフェイクニュースについてどこまで責任を持つべきか?
    ・楽天モールは、出店している店舗が取り扱う違法な商品にどこまで責任を持つべきか?
    ・メルカリは個人間で取引される盗品や詐欺的な商品にどこまで責任を持つべきか?
    ・ウーバーは白タク乗車を助長していることにどこまで責任をもつべきか?

    2ちゃんねるの例は、私も2ちゃんを責めるのはおかしいと思いますが、Airbnbと闇民泊には金銭的な利害の一致があって、見通しが甘くなったのかなと。

    ところで・・

    この後Airbnbは日本でどうするのでしょうか?

    まずは全力で民泊届出件数を増やす活動に注力すると思いますが、Airbnbの手数料って他の旅行サイトと比較して安いイメージあり、予算もかけられる人手も限界がありそうな・・。

    民泊どこまで増えるかわからないので、普通のホテルとかも登録して取り扱い件数を増やすと、他のホテル予約サイトと差別化できないし。Airbnbの施設検索は機能が弱っちいので、掲載されてる施設に差がないならAirbnb使う理由がないです、正直。

    とすると、あくまでCtoCを軸にこだわりを持って、Stay➡experienceに注力して、体験とかイベントのマッチングに力を注ぐ方が筋が良いかな?

    タクロウさんが今後、他の予約サイトとAirbnbをどのように使い分けていくかとても興味あります。
    単価とか客層なんかの分析も期待しています。

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    1. 僕としては、
      ⑦:同意します
      ⑧:通知はしていた
      ⑨:二週間前の削除は、そんなに遅いとは思いません
      ⑩:掲載を削除、よりも連中の新規予約の受付を3/15に完全ストップ、がよかったと思います。
      ですね。

      Airbnbの本音は「きちんと登録して、と何度も言ったのに従わない連中だらけだし、政府はこれまであやふやだったのにいきなり全削除しろとか言って来るし、マジで振り回されっぱなし! いい加減にしてくれ!!」だと思うのです。しかし、それをグッとこらえての、11億円の補償を約束。

      http://blogos.com/article/303963/

      こちらの記事の内容に、僕は100%同意します。

      Airbnbに関しては、実際に登録してみてどんな感じなのかも含め、近いうちに改めて書こうと思っています。メリット&デメリットの、両面がだいぶ見えて来ましたので。とりえあえず言えるのは、Airbnbはリンク記事の通りに、スタッフの質は全OTAで明らかに最高です。hostelworldは最悪(笑)。

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    2. ⑧強制キャンセルについては、ホストもゲストも事前通知は一切なかったようです。

      本日の日経新聞記事に、エアビーは6月2日に無許可施設の掲載を停止した時点でも、15日以降の予約をキャンセルするつもりがなかったと書いてあります。

      エアビーの公共政策責任者も「既存の予約は有効との許可をもらえると考えていた。今回の観光庁の判断は理解しがたい」とコメントしています。観光庁の方は「年初から15日以降の予約を変更するようにエアビーに繰り返し求めてきた」と書いてありますので、日経新聞は「適切な周知せず混乱を招いたエアビーの責任は免れない」と評しており、私もやはり今回の騒動はエアビーの自業自得?・・と思います。

      でも、責任とったのはえらいですね。ゲストが迷惑してなくて、2週間前でも他で予約が取れるならよかったです。

      ⑩おっしゃる通りです。

      今をときめくベンチャーなので、スタッフも優秀なんですね!

      続編きたいしてます!

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    3. あ、語弊がありました。

      Airbnbが通知していたのは、15日以降の未登録宿の抹消です。たしかに、受付済みの予約の抹消、ではないですね。

      なんにしても、15日以降に存在を消されると通告されている状況で、15日以降の予約を受け付けた連中が最もバカで愚かだったのは、言うまでもありません。

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