2019年1月24日木曜日

2018年、映画総括!!




早いもので1月も、もう下旬ですねぇ〜。

「今月は、宿の集客はボチボチだろぅ」と思っていたのですが、なんだかんだで、けっこう入っています。1月、もしくは2月で、計200泊を越えたことは過去に一度もないのですが。オゥ・・ついに越えるかも・・・です。

僕的には、もちろん150泊を全ての月で越えるべきマストラインに設定しており(損益分岐点ですので)、ハイシーズンは250、ローシーズンは200を越えたら超ハッピーでして。所詮は自己満足なのですが、今月も越えたらマジで嬉しいです!



さてさて、話はサラリと大きく変わります。今回は、2018年の一年間に公開された映画の、総括です。これは毎年1月にやっておりますし、今後も年始の定番記事として継続して行くつもりです。

昨年の僕は、劇場:25本、DVD:95本、テレビ:29本、合計149本の映画を鑑賞しました。16年が125本、17年は136本で、昨年は149本。狙ったわけではないのですが、“100+平方数”という、ゴリゴリの理系の僕的にはたいへん気持ちのいい並びになりましたので、今年は164本を目指そうかな(笑)。

これは旧作も含めた数字ですが、僕は基本的に、DVDは新作のみを借ります(というか旧作で興味のある作品のほとんどは、すでに観終わっている)。よってこの149本の内の半分程度は、昨年公開された作品です。なので、“日本での劇場公開日が2018年内の映画”という括りで、私的ベスト10をここに発表します。


ちなみに、一昨年に公開された映画も、僕はもちろん昨年中にDVDのレンタル解禁に合わせてたくさん観ておりまして。それを含めての2017年のトップ10ランキングは、このように修正します。

  ⑩ 希望のかなた
  ⑨ わたしは、ダニエル・ブレイク
  ⑧ ゲット・アウト
  ⑦ エンド・オブ・トンネル
  ⑥ スウィート17モンスター
NEW⑤ gifted/ギフテッド
  ④ 女神の見えざる手
NEW③ ブラッド・スローン
  ② 新感染 ファイナル・エクスプレス
  ① ラ・ラ・ランド

3位に割り込んだ「ブラッド・スローン」は、世間では全く知られていない映画ですが、これぞまさに掘り出し物!と言える、素晴らしい作品でしたよ!!



というわけで、ここからは2018年のランキングの発表! 僕は実は、この記事を書きたくて映画を観まくっているという一面もありまして(笑)。皆さんのためにというよりも、僕自身が超エンジョイなのです!!



まずは、惜しくも選外となった映画を5本(公開日が早かった順)です。

68キル(1.6/米)
ロープ/戦場の生命線 (2.10/スペイン)
アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(5.4/米)
レディ・バード(6.1/米)
恐怖の報酬【オリジナル完全版】(11.24/米)

後述の9位くらいから、上記の5つまでの7作品は、ほぼ横一線です。全部面白かったので、順位を付けるのにとても迷いました。特に「ロープ」や「レディ・バード」は、語りたい欲を刺激する深い作品だったので、ベスト10ではなくベスト12にしてしまおうか、と検討したくらいです(笑)。



それでは、ベスト10の発表!! タイトルの後の(〜/〜)は、日本での劇場公開日と製作国です。



【10位】

デトロイト(1.26/アメリカ)

皆さんにはおススメしにくい映画、その①です(笑)。実はこの映画、僕が劇場で観た際には、さほど好印象だったわけでもなく。しかし、なんだか心に突き刺さったと言いますか、観賞後にジワジワと「ぅんんん・・スゲェ映画だったかも・・・」となりまして。DVDがリリースされて、また改めて観てしまいました。

この映画は、とにかく緊張感が凄い! 中盤〜終盤にかけて40分間も、白人警官が罪なき黒人たちをいたぶりまくる、精神的にキツい場面が続きます。そして、主人公や映画の観客は、それを傍観するしかできないという現実! 史実を丁寧になぞった、半分ドキュメンタリーのような構成で、ヒリヒリ感がハンパないです。たまにはこういう超ヘビーな作品を観るのも、一つの映画体験として、いいと思います。







【9位】

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(9.22/タイ)

上映館数が少なかったものの、映画通の間ではけっこう話題にあがった作品です。実際に、僕が劇場に観に行った一度目は、午前の時点で終日満員だったので諦めました。

非・現実的なものを除く、リアルベースの物語の中では、エンタメとして一番面白かったです。貧乏な家の出身の天才学生が、金持ちのバカ学生連中からの依頼で、テストでのカンニング提供を請け負うことに(もちろん、高額のギャラ有り)。それがどんどんエスカレートして、取り返しのつかないことになって行く。

ハリウッド映画によくありそうな、典型的な犯罪計画モノにはせず、各キャラクターの生い立ちや立場を際立たせ、格差等の社会問題にもズバッと切りこんでいるのが素晴らしい。ラスト・ミッションのハラハラ展開の繰り返しが、ちょっとクドかったのでこの順位ですが。誰しもが楽しめる映画だと思います。





【8位】

ビューティフル・デイ(6.1/イギリス)

皆さんにはおススメしにくい映画、その②。しかしまず、開始からタイトルバックまでのおよそ3分間が、映像も音楽も超カッコいい。僕はこれを観た時点で、「あ、この映画は当たりだな」と確信しましたよ。僕的にこのオープニングは、過去最強の「セブン」を越えたかも。

死に場所を求めながら、闇の世界に生きる主人公ですが、その割にはとても人間味に溢れ。実家に送られて来た敵方の刺客集団を返り討ちにした後、絶命寸前で虫の息の一人の横に座り、タバコをくわえさせ「あんたも仕事でこんな目にあって、災難だったなぁ・・・」みたいなことを言う! 自分が殺ったくせに!! 自分の母ちゃん、殺されてるのに!!!

その辺りの、否・人間的な冷たさと人間的な温かさの、キャラクター設計の絶妙なバランス、そしてフンワリとポジティブな着地点が、秀逸な作品でした。






【7位】

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(3.3/カナダ・アイルランド)

結婚願望は限りなくゼロに近い僕ですが、そんな僕でもこの映画を観た後には、「こんな夫婦、こんな人生ってステキだなぁ・・・」と素直に思いましたよ。確実に、昨年一年間では最上のラブストーリーです。

イーサン・ホーク演じる夫の、粗暴だけれど心根は優しく愛の溢れる不器用野郎っぷりが、僕の好みのキャラにドンピシャでして。そして結婚を決意した後の、狭い家で二人だけでチークダンスを踊る美しいシーンでの会話、「私たちは、まるで古い靴下ね」「伸びてヨレヨレの片方と、穴だらけの片方」・・・に大感動! ここだけ何度も観たいくらい、歴史に残る名場面です!!





【6位】

ラブレス(4.7/ロシア・フランス・ドイツ・ベルギー)

皆さんにはおススメしにくい映画、その③。愛に溢れる上記の5位とは真逆の作品で、10位の「デトロイト」よりもさらに重く、強烈にヒリヒリします。主人公の二人、離婚を協議中の夫婦が、超絶に胸クソが悪くなる最低の人物像で! 彼らはなんと、一人息子をお荷物扱いし、「お前が引き取れ!」と、双方で激しく押し付け合います!!

そしてその息子は深く傷つき、失踪するわけですが・・・。夫婦は表向きは捜索を依頼するものの、「できれば見つからないでほしい」と思っているのが、観客には絶妙に伝わって来るという!

超キッツいです!! 「とにかく“自分”が幸せになりたい」病にかかりがちな現代人に対して、猛毒と皮肉をたっぷりと浴びせかけて来ます!! この監督は、前作の「裁かれるは善人のみ」も素晴らしかったので、今後もマスト鑑賞です。






【5位】

孤狼の血(5.12/日本)

僕は邦画はほとんど観ませんし、そもそものバイアスで厳し目の評価になるのが常なのですが。しかしこの映画は、「スゲェ! 日本もやるなぁ!!」と、良い方に驚きましたよ。

エンタメ、アクション、サスペンス、全方面で優良です。ニ時間、ずっと漂う不穏な空気感、緊張感が秀逸。死体も超リアル(笑)で、日本映画界の美術スキルの向上に喜びを覚えました。そして何より、演技が凄い。絢爛豪華な役者陣が、圧倒的な熱量で、競うように演技合戦をしています。

しかし終盤、真木ようこ(役名は忘れた)に託された、真相説明的な長セリフが唯一のガッカリ点。ここだけ、いかにも邦画で。「そんなん、感覚で理解させろって。わざわざ演者に語らせるなよ、無粋だなぁ・・」と。これさえなければ、ベスト3に入れてもよかったです。








【4位】

レディ・プレイヤー1(4.20/アメリカ)

これぞ、おもちゃ箱・引っくり返し映画! 日本人の、30〜40代の男性で、これを観てアドレナリンが爆発しなかった者はいないのでは(笑)? 僕と同世代の多くの者々が、幼少期にプラモやフィギュアを使い、創作で「ビシ! バシ! バキューン!!」と戦わせたであろう、あれがそのまま劇場の大スクリーン上でハチャメチャに巻き起こる!! ガンダム、メカゴジラ、AKIRA・・等々、日本の有名レトロキャラのオンパレードで、しかも、登場はおいしいシーンばかりでスポットライトを浴びまくる。

製作陣の、日本のトイ・カルチャーに対する深い愛とリスペクトの表明に、心の底から感謝です。僕は日本人であることを、誇りに思いました。

ちなみにこの映画、公開当時は、ウチのゲストの間でもしょっちゅう話題に上がりました。男「サイコーだった!」女「くだらない・・・」。この反応は、万国共通のようですね(笑)。






【3位】

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 (5.12/アメリカ)

ハリウッド版「万引き家族」と言われたこの映画。いやいや、僕としてはあざとさの目立つ「万引き〜」よりも、こちらの方が圧勝でしたよ!

映画通ぶるつもりはありませんが、僕はストーリーに凝りまくった“物語”よりも、出来事のほとんどない、シンプルな映画の方が好きだったりもします。このランキングでも、「デトロイト」「しあわせの絵の具」「ラブレス」あたりは“物語”ではないです。特に、人物よりもストーリー先行な映画は、「筋を追うなよ〜」と呆れてしまいます。

この作品は、まさに“出来事のない”映画で。アメリカのフロリダにある、ディズニーワールドのすぐ近くの安モーテルに住み着いた、長期滞在の貧しい人々の暮らしを、淡々と描いています。カラフルなモーテルの外観、常に明るく無邪気な子供たち、そしてすぐそこにある夢の国と対比させて、彼らの困窮する生活っぷりを切なく愛おしくあぶり出して見せます。思いも寄らないインパクト大なラストも素晴らしく、「この監督、凄くセンスあるなぁ〜」と感心しました。






【2位】


ブラックパンサー(3.1/アメリカ)


アメリカでは歴史に残る大ヒットを記録したというのに、日本ではサッパリだったこの映画。僕は大好きですね。最近は、黒人(あえてこう書きます)やLGBT、いわゆるマイノリティの方々に気を使いまくった、「彼らを理解しよう!」「彼らが虐げられた歴史を知り、悲しみを共感しよう!」みたいな作品が乱発され、辟易していたのですが(後述で★1と酷評した、「BPM」や「私はあなたのニグロではない」は、まさにそういう映画です)。

この映画は、出演者がほぼ全員黒人で、全てにおいて超カッコいい。粋なキャラしかいない。宿敵のキルモンガーにおいては、誇り高く存在感が際立ちまくり、主人公以上に魅力的。正義vs悪ではなく、イデオロギーの闘争。その戦いは、とことん真っ正面からの正攻法で。ズルい奴、逃げる奴、騙す奴、そんな器の小さな者が一人もいない。衣装や場のデザインも、めっちゃカッコいい。

黒人が虐げられた歴史を、さりげなく伝える感じもいい。彼らマイノリティに対しての、尊敬の念が溢れるこのような映画にこそ、社会を変える力があると、僕は考えます。









【1位】


スリー・ビルボード(2.1/イギリス)


脚本の出来の良さでは、僕の鑑賞映画の歴代トップ5に確実に入ります。とにかく、稀にみる素晴らしい脚本!! 娘を何者かに惨殺された母親が、なかなか犯人を捕まえられない警察にフラストレーションを溜め込み、強烈な批判を繰り出すのですが。しかし警察署長は街の誰からも愛される人格者で、逆に彼女が街中の者々から虐げられる、というお話。

要は、憎しみの連鎖の構図なのですが、あることがきっかけで、それが和解の連鎖に移り変わるのです。そのきっかけとは、なんと、オレンジジュース!!

たった一杯のジュースとはいえ、説得力のある展開で、僕はとても感動しました。数秒のシーンですけどね。これまた歴代のシーンの中で、ベスト5に入ります。

ベースが復讐劇なので、主人公に感情移入できるようになっているかと言えば、全然そんなことはない。彼女は過激さが際立ち、柔軟性の欠片もない。一方で、悪人だと思われた人物が、彼なりの正義感で必死に戦ったりする。この、善も悪もない絶妙なバランス感覚! まさしく、“人間”を描いています!! 傑作です!!!













さあ、2019年。もう1月も終盤で、すでに劇場で1本、「ミスター・ガラス」を観ましたが(超、つまらなかった・・)。今後は、デイミアン・チャゼル監督の待望の新作「ファースト・マン」、あとは「ジュリアン」「グリーンブック」「ブラック・クランズマン」あたりは確実に観ます。そして何といっても「アベンジャーズ/エンドゲーム」、それからもちろん年末の「スター・ウォーズ」(の新作)! 楽しみです!!


今年も僕は懲りずに、プライベートを映画漬けにしてやりますよ〜。




最後に、2018年公開映画、僕が観た計72本を総まとめ!!
(評価&公開が早い順、頭の数字は公開月、“劇”は劇場での鑑賞)

★★★★(8本)
2劇①スリー・ビルボード 
3劇②ブラックパンサー 
3 しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
4 ラブレス 
4劇レディ・プレイヤー1
5 孤狼の血 
5 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 
6劇ビューティフル・デイ

(※追記)
  ブリグズビー・ベア位に割り込ませたい!

★★★★(27本)
1 ⑮68キル 
1劇⑩デトロイト
2  RAW~少女のめざめ~ 
2  THE PROMISE/君への誓い
2  ANIMALS アニマルズ 愛のケダモノ 
2 ロープ/戦場の生命線 
2劇 ナチュラルウーマン
3劇 ハッピーエンド
3 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 
3  トレイン・ミッション
3  ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
4劇アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
4劇ザ・スクエア 思いやりの聖域 
5 ⑭アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
5劇 ランペイジ 巨獣大乱闘 
5  犬ヶ島
6劇 デッドプール2
6 ⑫レディ・バード
6  ワンダー 君は太陽
6劇 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
8劇アントマン&ワスプ 
9劇バッド・ジーニアス 危険な天才たち
9  アンセイン ~狂気の真実~ 
9劇 運命は踊る
11劇 ヴェノム
11劇恐怖の報酬【オリジナル完全版】
12劇家へ帰ろう 

★★★(23本)
1劇 キングスマン:ゴールデン・サークル
1  ルイの9番目の人生 
2  ローズの秘密の頁(ぺージ)
2  ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ 
3劇 シェイプ・オブ・ウォーター 
3  ラッキー 
4  ワンダーストラック 
4  ダンガル きっと、つよくなる 
4  ベルリン・シンドローム 
4劇 パシフィック・リム:アップライジング 
4  女は二度決断する 
4  さよなら、僕のマンハッタン
4  君の名前で僕を呼んで 
5  ゲティ家の身代金 
6劇 万引き家族
6  女と男の観覧車 
7  バトル・オブ・ザ・セクシーズ
7  REVENGE リベンジ
7  グッバイ・ゴダール!
8  インクレディブル・ファミリー
8  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 
9劇 クワイエット・プレイス 
11劇 ボヘミアン・ラプソディ 

★★(10本)
1  ベロニカとの記憶 
2  悪女/AKUJO
2  グレイテスト・ショーマン
2  あなたの旅立ち、綴ります
3  ダウンサイズ
3  修道士は沈黙する
5  ファントム・スレッド 
6  カメラを止めるな!
7  ジュラシック・ワールド/炎の王国 
11  ザ・インターセクションズ

★(4本)
2  リバーズ・エッジ
3  BPM ビート・パー・ミニット
5  私はあなたのニグロではない 
11劇 へレディタリー/継承 


〈観たかったけれどまだ観ていない、DVDが待ち遠しい映画〉
ラッカは静かに虐殺されている 
30年後の同窓会
悲しみに、こんにちは 
判決、ふたつの希望 
愛しのアイリーン 
華氏119
アンダー・ザ・シルバーレイク
マンディ 地獄のロード・ウォーリアー




2 件のコメント:

  1. マニアックですねぇ!
    その4位のやつ、youtubeでトレーラー版みちゃいました。こんな映画があったとは!これ完全に俺ら世代をくすぐりにきてますね(笑)。

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    1. オモロいでっせ!

      原作ではウルトラマンも出て来てかなりメインで戦うそうなんですが、版権の問題で許可が下りなかったそうで。出した方が絶対によかったのに。アホだなぁ。

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