2016年5月20日金曜日

僕なら、こんな宿には泊まらない!



相変わらず連日の“ほぼフル”で、忙しいです。ただ、来週半ばくらいから今月末までの予約が、サッパリなんですよね。1〜3週目の稼働は90%くらいなのですが、ラスト1週が30%くらいの予約状況なので、5月全体の稼働率は75%とかになりそうでして。ほんと、この仕事って波があるなぁ・・。



さて今回は、ちょっと趣向を変えて、【僕が旅行客だったら、どんな基準で宿を選ぶか】の話をします。というか、僕は今も現役のバックパッカーなので、仮定の話というわけではなく、実際にそうやって選んでいるということです。かなり前に書いた記事【僕が嫌いなシステムは、採用しない!!】に少し似てしまうのですが、あれは「ほとんどの宿はこうだけど、ウチは違うぞ!」というメッセージが主意でしたので、やや、視点が違います。



僕の泊まる宿探し、ブッキングサイトは HOSTEL WORLD を利用すると仮定して(実際に、世界を回っていた頃には HOSTEL WORLD を使っていました)、僕はまず、その国(都市)のドミトリーの平均価格をチェックします。東京ならば、今ですと2800円くらいですね。そして、絞り込み検索をします。僕は基本、「平均より高いところには泊まりたくない」「しかし人気のところがいい」・・・というわけで、価格は最大で2800円、レビュー評価は最低で90、に設定します。

そんなワガママな条件で・・・、と思われる方がいるかもしれませんが、この条件でもけっこうヒットしますよ。


エンブレムホステル西新井
ホテル グラフィー根津
Space Hostel Tokyo
両国旅荘 庵
オークホステル ゼン
センチュリオン・レジデンシャル赤坂
Oakhostel Fuji
Grids Hostel Lounge Nihombashi East
レトロメトロバックパッカーズ
東京ゲストハウス・トコ


YAWP!を除いて、東京都内だけで10件も見つかりました。




ここでちょっと話がズレますが、ウチが一泊の料金を2400円(ホームページから)に設定しているのは、実はこの辺も絡んでいます。僕はまず、その街の平均価格よりは絶対に安くしたかった。しかし、最安の宿にはしたくなかった。僕は世界中で、“その街一番の安い宿”に泊まった経験がありますが、やっぱりそういう宿には、「ただ、とにかく安いから」という理由で泊まる宿泊客が多かったのです。ざっくり言えば、自分勝手でヤンチャな旅人です。値段は安いが、設備は悪くなくスタッフもがんばっている、という宿は世界中にたくさんありましたが、お客の方に残念な者が多い。僕はそれは嫌だったので、最安値は避けました。

YAWP!オープン当時の、都内の最安値は、2000円くらい。平均価格は2700円くらい。というわけで、だいたい中間をとって、2400円と設定したのです。まぁ、ウチは平均くらいはいただいてもいいクオリティだとは思っていますが、立地面のビハインドがありますからね。「平均より低い300円は、都心への交通費に使ってオクレヨ〜」と考えております。




話は戻って、先ほどのように絞り込んだ数軒の宿から、僕は一軒を選ぶわけですが、ここからは完全に僕の好み、というかポリシーで、消去法で削ります。その中でも、僕が真っ先に消す、「こんな宿は嫌だ」の要素は、3つあります。


僕が選ばない宿(嫌いな宿)の要素。それは、

①価格をコロコロと変えている
②パイプベッドを採用
③門限がある

の3点です。


この3点、僕は本当に嫌い。この3点のどれか一つでもある宿には、僕は確実に泊まりません。

特に①の、“価格をコロコロ変える”。例えば普段は2500円だけれど、ハイシーズンは全部を2800円にするとか、週末は常に2600円にするとか、そういうのはまだいいんです。僕は以前、民泊がらみの記事の中で、

「宿業というのは本当に、ゲストが多い時期と少ない時期の、差が凄まじく大きいのです。なので、250日分の赤字を埋めようと、繁盛する100日により大きな儲けを求めてしまうわけです。よって、繁盛期には値段を上げる宿が多いですし、そうやってなんとかがんばって生き残っているわけです」

と書いています。ほんと、これはいいんです。仕方ないと思っています。


僕は、日によってバラバラで、とにかくひっきりなしに値段を変えている宿が、何よりも嫌いなのです。ちょっと予約が多く入った日には、強気で高めな価格設定、逆にスッカスカの日には、バーゲン価格。同じ週に、同じ部屋で、価格が1900円・2800円・2400円・1900円・2200円・・・とか並んでいる。う〜ん・・・なんだかガックリきます。


こうやって、値段をコロコロ変える宿は、【同じ日に同じ部屋に泊まっているのに、人によって支払った額が違う】という事態が当然、発生します。何よりもこれが、最悪です。ゲストは最初は他人同士でも、同部屋で仲良くなり、値段の話題になることがしょっちゅうありますよ。「俺、2500円」「え!? 私は2000円だったけど」・・・的な会話が発生したら、それって宿にとってはけっこうなダメージ、イメージダウンになると、僕は思うのですが。実際に、ウチに来るゲストたちの話題にも、「あの宿はそういうシステムだったので、ムカついた」といった話がたまに出ています。



というわけで、YAWP! backpackersではオープン以来、価格をずっと2400円に据え置いたまま、一度もイジっていません。ハイシーズンとか、週末とか、一切関係無しの年中一律2400円です。HOSTEL WORLDでは+100円の一律2500円に設定していますが、これはサイトに支払う手数料があるためで、2400円のままだと計算が激しくややこしくなるため、申しわけないのですが、そうさせていただいております。


といってもコレ、ウチが特別なわけではなく、都内にある小さな宿ではほとんどが、価格を全く変えずに今もがんばっています。前述のレトロメトロさんや、トコさん。他にも、Zabuttonさん、328さん、(HOSTEL WORLDには載っていないけれど)東京ひかりさん。みんな価格は据え置きで、プライドを持って経営されています。カオサングループさん経営の宿でも、基本的には価格はガッチリ固定ですね。


大きな宿で、接客を全くしないマネージャーや経営者がいるようなところでは、それらいわゆる上司たちが、従業員に「売れている日はより高く、売れていない日は値下げしまくってでも売れ!」と命令した結果、このように値段がコロコロ変わるシステムになってしまっているのでしょう。これって間違いなく、確実に、従業員はやりたいと思っていないですからね。自分から自発的にやりたがるわけがない。同じ日に、同じ部屋に泊まるゲストに、違う値段を請求するなんて、気持ちがいいわけがないです。いちいちチェックする必要があり、すこぶる面倒くさいですしね。



ほとんどの小さな宿が、価格を変えずに地道にがんばっているのは、プライドの問題だけでなく、「変えるのは気持ちがよくないから」「ゲストに申しわけないから」だと僕は思うのです。

僕は、根本的な価値観、哲学として、ホステル(ゲストハウス)の役割とは、


ゲストたち(主にバックパッカー)に、できるだけ宿泊費を安く抑えてもらい、浮いた分のお金で、美味しい物を食べたり、おもしろい経験をしたり、できるだけ長くその国に滞在したりしてもらう



ことだと考えております(強く訴えたいので大文字にしました)。その哲学を持ち合わせていない宿が、コロコロと値段を変え、ハイシーズンにはなんと5000円を越える価格設定をしたりします。彼らにとってのホステル業とは、完全に、お金儲けの手段なのです。バックパッカー経験のある者ならば、そういうのには敏感だと思うんですけどね。しかし実際に、お金儲け目的でホステル業を営む方々は、バックパッカー経験のない方が多いです。彼らは経験がないから、世界中のバックパッカーたちが持つ、良宿を見抜く嗅覚を、理解できていないのです。

つまり、値段をコロコロ変える宿には、バックパッカー精神が全くない。それはそれでかまわないのですが、少なくとも僕は好きではない。よってそこには、僕は絶対に泊まりません。宿の経営者にバックパッカー経験がなくても、別にいいんですけどね。とにかく、値段を変えまくって欲しくない。



おっと・・、嫌いな宿の要素①②③のうち、①だけを細かく書き過ぎちゃいました。まぁブッチャケ、ちょっとした理由があり、今回この内容を書く必要がありまして。②の“パイプベッド”や、③の“門限がある”は、読んだままの通りですし、オマケみたいなもんです。パイプベッドに関して、というか「ゲストが直接使う設備には安物を用意しちゃアカン」という内容の記事は、近いうちにまた書こうと思います。



YAWP! の6月の長期休みは、13日からに決定いたしました。13日以降はとりあえず、6月末日までは閉めますので、最短でも18日間は休みます。7月の何日に再オープンするかは、まだ未定です。おそらく休むのに飽きたら、開くと思います(笑)。


6月13日までは、あとおよそ三週間。がんばりますっ!


浅草 三社祭!




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