2017年10月30日月曜日

リアルな集客っぷりが、一目瞭然!




寒〜い。こんなん、冬やん! 秋、終わってもうてるやんか!!


・・・といっても僕は冬好きなので、それはそれでハッピーなのですが。秋の、暑くも寒くもない、エアコンも扇風機も必要ない中でまったりと寝るのチョ〜気持ちいいのに、もう終わっちゃうのかよぉ〜〜という点のみで、非常に残念です。



さてさて、話は変わりまして。

10月は明後日でおしまいですが、今月のYAWPはというと、「2泊したら3泊目は無料!」キャンペーンの効果がテキメンでして、めっちゃ混んでいました。無料泊分込みの名目稼働率は93%ほど。無料泊分を除いた実質稼働率は、74%といったところです。名目総泊数は289泊(現状、確定している分)で、単純な混みっぷりだけで言うと、これは一昨年の8月に次ぐ過去二番目の記録です。ありがたいことに、営業日数26日間の内、ゲスト数が10人を下回った日が四度しかなく、その四度もすべてが7〜9人でした。

しかし来月の予約の入りっぷりが、今のところはなかなか厳しいです。去年も11月は赤字でしたし、今年も似たような予感がします・・・。というわけで、他宿の混み具合を相変わらずチェックしてみまして。



実は一ヵ月ほど前に、ブッキングサイトhostelworldの仕様に、素晴らしい改善がありまして。いつもは、改悪の方が多いんですけどね。今回のは、間違いなく改善です。グッ・ジョブ!

何が変わったかというと、ゲストが宿泊先を探す際に、気になる宿のページを開いてチェックインとアウトの日付を記入しようとすると、カレンダーが“にゅっ!”と現れて、どの日が売り切れているのかを分かりやすく表示してくれるようになったのです。これにより、日程や滞在期間をきっちりと決めていないゲストは、カレンダーを見ながら「この日からこの日まではここに泊まれるなぁ」といった検討が出来るようになりました。最初から日程がガッチリ固定されているゲストには、あまり意味はありませんけどね。

そしてこの仕様により、フルの日が多い宿と全くフルになっていない宿が、一目瞭然になったとも言えるわけです。これは僕の分析欲的にはすごくありがたく、今後はこれまでよりもハッキリと、「あそこは儲かっている」or「あそこは苦戦している」が見えるということです。


こんな感じ



というわけで、簡単だし僕的にとても面白いので、都内の人気宿の明後日から(11月)の今のところの予約受けっぷりを、ここに列挙します。あくまで、業界の全体像を伝えることが目的で、宿ごとの個別の経営状況を晒したいわけではありませんので、宿名は伏せます。今日(10月30日)現在の、hostelworldでの評価が高い順に、カレンダー画像を並べます。あまり量が多すぎるのもなんなので、ここで扱う“人気宿”の線引きは、全体評価が92点以上で評価件数が100を越える宿、のみとします。そうすると20軒になり、多すぎず少なすぎずで、ちょうどいい感じですので。

先に言っておきますが、僕がわざわざこんなことをやる目的は、これまでにもさんざん書いておりますが、「今は宿が足りていない」「宿業は儲かるはずだ」といまだに思い込んでいる残念な方々に、改めての明確な「You, 間違ってるよ!」を突きつけるためです。人気の宿々でも、今はこんなに苦戦しているんですよ・・・をガツンと見せつけようというわけです。




評価:96(2軒)




評価:95(2軒)










評価:94(4軒)














評価:93(3軒)








評価:92(9軒)















はい、ご覧の通りです。一番上の左側の宿(カリスマ的人気の、有名宿です)を除くと、すべての宿が緑(空き有り)だらけです。もちろん、11月はこれから始まるわけで、この先も予約は入るので、この赤or緑がこれで確定なわけではないですが。しかし僕は、9月末〜昨日までにもけっこうな頻度で、多くの人気宿のこのデータを、確認しております。それを見た限り、どこも苦戦しているのは明確でしたので、これはあくまでも、それを伝えるための情報の“例”です。


業界の外にいる世間一般の方々や、同じ業界人でも東京の現状をわかっていない者の中には、「東京にだって儲かっている宿はある!」みたいな発信をする人がたまにいますが、これはまさに“木を見て森を見ず”で、愚かなことですね。さらには、僕がこういった「業界がヤバいよ〜」情報を発信することに対して、「あそこ(YAWP)は儲かっていないから焦っているだけ」といった残念な捉え方をする者もいるようです(笑)。


僕は単純に、東京のホステル・ゲストハウス業界全体の稼働率平均が下がりまくっている事実を踏まえ、今後の新規参入を志望している方々の中にいる“わかっていない者”に対して、危機感を持つように訴え続けているわけです。「東京にだって儲かっている宿はある!」・・って、そんなの当たり前じゃないですか。しかしそれを言うと、「私ならうまく行くはずだ!」と思い込んでいる方々のその熱を、ますます助長してしまうんですよ。

上の画像がハッキリ示しているように、今やローシーズンにも集客がうまくいっている宿は、ほんの、ほんの一握りです。都内の150軒中、せいぜい5軒程度。確率にして3%です。「その5軒に私も入れるはず!」と、それでも前向きになれる人がいるのならむしろスゴいなと思いますが、それが無謀な挑戦だというのは、明らかな事実でしょう。「絶対に無理!」とは、もちろん言いませんが。これは、ウチが儲かっているかどうかの話とは、次元が全く違うんですけどねぇ。


僕は、マイペース&ほどほどに食えればいいやのスタンスで、実際に問題なく食えているので、現状の経営面には特に大きな不満や焦りはありません。焦っているのだとしたら、年に三回も長期休みをとりませんし、あえて予約サイトの登録先をしぼる、なんてこともしません。それは、ウチが持ちビルだというのが、最大の要因ですけどね。僕は、経営が比較的順調だからこそ、時間的にもメンタル的にも余裕があり、業界全体を俯瞰で見れており、こうした分析と発信をできるのだと自覚しているのですが。というか、経営が厳しい宿がこういった生々しい発信をしているケースを、僕は知りませんけどね。


過去に何度も書いていますが、僕は、勢いで宿を開業してあっという間に経営破綻に落ち入る人を、これ以上増やしたくないのです。極めておせっかいな話(笑)ですが、そういう人が現在、日本中に大量発生中ですので。なので、「宿業は、儲かりますよ(その可能性がありますよ)」「競争が激しくても、儲かっているところはちゃんとありますよ」といった無責任なメッセージを、今は発信するべきではないというスタンスなのです。

上記の、緑色だらけの画像を見れば、一目瞭然でしょう? 僕は、バイアスでも意見でもなく、客観的事実を発信しています。ゲストハウス経営コンサルタントや、開業セミナーの連中が話す、表面だけの薄っぺらい「いかに宿業で成功するか」の情報と、この画像とで、どちらの方が信用できますかね? どちらのリアルさが心に刺さりますかね?



このブログはおかげさまで、ここしばらくはとても安定したアクセス数です。日本中にいる、たくさんの“ゲストハウスを開きたい方々”に、読んでいただいております。僕はそれを自覚しているからこそ、彼らに向けて、あえて強めのメッセージを発信しています。要は、わざとやっているんですよ。わかっていない者がいるようなので書きますが。


これまた過去に何度も書いておりますが、僕は根本的には、都内はもとより日本中に素晴らしいホステル&ゲストハウスが増えて、この魅力がもっともっと世間に普及し、業界全体が発展したらいいな、という考えです。しかしもはや、そんな理想は語っていられないほどの“増え過ぎちゃってる”状態で、どんなに魅力のある宿でも、今ではほとんどが経営難なのです。頭を抱えている宿オーナーやマネージャーが、僕の業界ネットワーク内だけでも、たくさんいるのです。そして彼らの多くは、僕のこのブログ、業界の現状発信を、応援してくれているのです。

一方で、ウチにはこれまでに、コンサルタントへ相談に行ったことのある者や、開業セミナーに参加経験のある方の来泊もそれなりにあり、彼らの話を聞いたり、配布された資料を見せていただいたりもしております。なので僕は、思い込みや想像のみでコンサル連中を批判しているわけではないです。


このブログを読んで、開業を思いとどまった方がどれだけいるのかは、僕にはわかりませんけれどね。ゲストハウス開業志望者には、「熱意でどうにかなる!」系のドリーマー率が高そうですから、あまりいないような気もします(笑)。

しかし中には、「タクロウさんのブログを読んで、自分の甘さに気付き、開業はいったん諦めました」「後戻りできる段階で知れてよかったです」「ありがとうございます」といったことを言いに、わざわざウチに来てくれた方が過去に数人いたりもします。このブログに出すような話ではありませんが、“わかっていない者”に向けて、いちおうお伝えしておきます。


BBQ! 美味かった!!




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